2. 目指すべきモノ

「時間がない…」

「だな…」

 この空間の時間の流れは、スゴク早くて。

「じゃあ、ドコから攻める…?」

「アレから」

 日方ひがたさん。

 嫌いになったヒト、いや、神様か。

「日方さん…?」

 アメは手を振って、

 それに返すように日方さんが手を振っていた。笑顔で。

「行くぞ」

「え…?」

 こんなところで、時間取ってる場合じゃない。

 志井しいさんが…。

「いえ、お手間は取らせません」

 耳元で囁かれて、ゾクゾクした。

「私を殺めたところで」

 でも、このゾクゾクは嫌いなヤツだ。

雪之丞ゆきのじょうの大切な殿方は、助かりませんよ」

 そう言われるとイラッとを超えた何かが先走る。

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