第9話 直談判します!!
次の日の朝食の後、僕は、父上と母上に鍛錬してほしいという事を話すことを決心した。どうせ、領主になるなら、父上みたいな強くて立派な当主になりたい。才能ならある。後は僕が頑張るだけなのだ。
「父上! 母上!」
「なんだ? カイル」
「何かしら? カイル」
「僕、父上や母上みたいに強くて人を守れるような人になりたい
だから.......僕を鍛えてくれないかな?」
「カイル、お前はまだ五歳だ。ほんとにその覚悟があるのか?」
「カイル、私達みたいに強くなりたいって言ってくれるのは嬉しいよ。
でも、そんなに簡単なことじゃないのよ? 辛いことだっていっぱいあるんだよ?」
「分かってるよ。でも、僕は子爵家次期当主として強くならないといけない。
僕たちを信じて領地に住んでくれている人たちの為にも強くならないといけないんだ」
「本当に覚悟があるんだな? カイル」
「ああ、覚悟はあるよ。父上」
「だそうだ。クラリス。どうする?
俺は教えてもいいんじゃないかと思ってるぞ」
「ーーッ...... カイル、ほんとに鍛えてほしいの?」
「母上、僕は強くなるって決めたんだ。だから、尊敬する2人に頼もうと思ったんだ。だめかな??」
「そうなのね。(上目遣いは反則よ!)ーーいいわ。
ただし! 私たちの言ったことは必ず行うこと。それと、絶対に逃げ出さないこと。これが条件よ。それでもいい?」
「うん! 絶対に守る! ありがとう!! 父上、母上」
父上も母上も嫌々だったけど、約束してくれた。二人に教えてもらえるんだから、頑張らないと。立派な領主になるんだ!
「それじゃ、俺は、執務をしてくるから、午後から俺との鍛錬だぞ? カイル」
「じゃあ、私は午前に魔法の事を教えようかしら」
「そうするか。じゃあ、執務に行ってくる」
「頑張ってね。父上!」
「おう」
父上は、先程までの厳しい顔を解き、いつもの笑顔に戻った。僕はその笑顔を見て、なんだかホッとした気分だった。
こうして僕の決死の直談判は成功に終わったのだった。
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