学校で美少女を演じる俺が男であることを男装してる妹だけが知っていて、なぜかそこにドMお嬢様が割り込んで来た
アールケイ
プロローグ 普通の物語
これはただの
だから、俺はこう始めるとする。
──それは、普通の日常だった。
よくある家庭の、お出かけの帰りの一幕。
そんなどこにでもありふれていて、誰もが見覚えのある光景。
けど、それが普通だと思うのは、俺たちの真を知らないから。日常に違和感なく溶け込む俺たちの『本当』に気付けない。
俺、
「ねえ、にぃ。女装してからだいぶ経つけど、慣れた?」
「おい、そういう話をあまりこういう場所では──」
「あ~、やっぱり困っちゃう? でも、安心して! 私が養ってあげるから。どっ? 今のちょっとキュンとしたでしょ」
「するかアホ」
この、養うという言葉。
全く冗談のように、嘘の戯言に聞こえるが、これを本気で彼女は言っている。
なぜなら、彼女はそこそこ有名な声優さんだから。
それも、歌って踊れてかわいいという、今どきのアイドル声優。
仕事も多く、結構稼いでいて、割とそれ頼みで生きていたりする。
だって、両親は俺たちが中学生だったときに家を残して他界したのだから。
そんなことを思い返してるうちに店員さんは頼んだ料理を運んで来る。
「お待たせしました。こちらご注文いただいた──」
店員さんはそう言いながら置いていく。
歪な関係を築く、
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