名前はまだない
白樺ルチア
ねこのうた
こんなぼくでも、好きだと言って
側でずっと一緒にいてよ
そうじゃなきゃ、
ぼくは生きていけないんだ
雑種のノラに生まれたぼくは、
生まれた時から小さかった。
大きくなると変われるなんて、
思わなければよかった。
足を痛めて、できなくなって
迷惑かけたくなくて離れた
楽になりたいと旅してる
けれど
そんなところはないんだ
日に日に、ココロも体も弱ってる
強くなければ生きてけないんだ
精一杯に生きてるのに
他より、必死になるのはあたり前
努力家といわれ、けなされるだけ
ずっと、いきたいけれど、このケガは、
いつになったら治るのかな
多分ずっと….
みんなとおんなじだったら、
やりたいことができたのにな。
ぼくの心はまっくろくろすけ
出てくることは永遠(トワ)にない
こんなぼくでも、好きだと言って
側でずっと一緒にいてよ
そうじゃなきゃ、
ぼくは生きていけないんだ
そんなことは、ないのに
いつかと望むぼくは愚かだ
醜くて惨めかもしれない
それでもぼくは、ぼくが好きだよ
だけど、まわりに好かれてなきゃダメで
得意なことがないと、
みんなと同じじゃなきゃ
寒くて暗い、ゴミ箱に捨てられるんだ
こんなぼくでも、好きだと言って
側でずっと一緒にいてよ
そうじゃなきゃ、
ぼくは生きていけないんだ
ただ、そんな夢を見て春の日差しに
さめない夢を見続けたい
これくらいはいいでしょ。
ネコは死に際は誰にも見せない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます