第4話 城塞都市の貴族社会

シンは城塞都市の貴族社会に招待された、この自己紹介は身分が関係するも、シンは客、この自己紹介は貴族側が先に行う。

シン

「成る程、伯爵とは下級貴族に属しましな」

貴族側の代表者

「さよう」

シン

「上級は公爵、侯爵になりますな」

貴族側の代表者

「さよう」

シン

「個人的に交易商人と言いましても、精霊鉄

を扱う以上は軍事と無関係とは言いませんが、さりとて軍事と関わるのも利益がない」

貴族側の代表者

「そうなりますな」

シン

「精霊水、精霊氷は必要性が高い秘薬、さりとて軍事に関わらないは嘘になりましな」

貴族側の代表者

「そうなりますな」

シン

「まあ、大人しく税金を支払う市民の暮らしに生きますが、割りと大変でしょうな、軍事、外交、政治、宮廷、王家、騎士、兵士、民衆、大変ですな」

経験者は分かりきった内容、シンは市民の側にいるので関係ない、貴族側はそうはいかない。

シン

「税金分も支払うで済みますし、楽でいいですな」

貴族側の代表者

「成る程、元貴族でしたか」

シン

「男爵次男坊の時代もありましたな」

業界を知る為に援軍にはならないシンの思惑もある。

貴族側の代表者

「貴族は派閥ですからな」

シン

「利益と天秤ですな、懐かしい」

笑顔の他に利益と天秤を描ける為に単純に関係とは言えない。

シン

「暮らしも浅いですが、王家に王子と王女はいますか?」

貴族側の代表者

「ええ、国の王家には美しい姫様と、聡明な王子がいます」

シン

「成る程、未婚でしたか、婚約者は?」

貴族側の代表者

「それが」

シン

「成る程、それは、不味いですな、婚約者がいないなら、軍事の外交は難しい、通商の利益では、兵士は集まらない」

貴族側の代表者

「成る程、確かに軍事の同盟国は欲しいですな」

シン

「北は難しい、内陸は敵が多い、ここは海の塩味方ですな」

納得を重ねる貴族側の代表者、シンの話し合い、この会話の中に国家を熟知したかつての王子がいた。

シン

「そうですな、西の海に味方は塩がいい、他は血の気が多い、やはり塩が一番ですな」

貴族側の代表者

「そうですな、王子は困りますが、姫様なら」

シン

「塩の仲間に、姫様と縁があるなら、内陸から服の素材を運べば二枚は稼げますな」

計算、この会話にラシェルガ、アミュルシアは魑魅魍魎と似た生き物を眺める。

貴族側の代表者

「そうですな」

シン

「水と小麦は売れますな、草も馬に売れますな」

貴族側の代表者

「売れます」

シン

「宿場町が八個は欲しいですな、水路は2本がいい」

貴族側の代表者

「そうです・・・な」

シン

「この資金で、バリスタ戦車と騎兵を団の二個は買えますな」

貴族側の代表者

「・・そう・・ですな」

シン

「内陸はよしてしても、南に砦二個、関所一個、水路を二個、この中心は王都がいい、水の都ですな」

巧みに勧めるシン、計算する貴族側、この家臣達も計算したら、馬に草が売れる、馬に水が売れる、この計算に傾く王女を嫁に海の塩と同盟を結ぶ計画が運ばれた。

シン

「内陸の服の素材を売る国 も笑顔だ」

貴族側の代表者

「正に、いい話ですな、明日が明るい」

政治、外交、通商、この関係は強固な利害の一致。

帰還と、口先一つに話し合いを纏めた交易商人のシンは、奴隷二名から謎に感じる弁舌の良さと強かさと話を進める良さが際立つ印象を持った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る