第12話 疾風迅雷

疾風迅雷しっぷうじんらいってなんだ?




「ふう・・・とうとう慶一郎はここまで来てしまったか・・・」




「なっこの声は先祖さん?」




「そうだぞ。」




「この技って何なんだ?急に思いついたんだけど。」




「それは言えない。これを言ったら大幅に歴史が変わってしまう。」




「えぇってこっちは沢山の人が死んでんだぞっ!ここで言わなかったら更に大勢の人が死ぬんだぞ!?」




「んっ・・・ではこの戦が終わったら一度現代に帰ってくるか?そしたら少しこの『身体交換』の仕組みがわかってくるかもしれないぞ。」




「『身体交換』か。確かにまだ俺がこの戦国の世にきた原因を探ったことはなかったな。」




「そうだろう。一回現代に帰るべきだ。そしたらなぜ俺がここから喋れているからかもわかるはずだ。おそらくこの戦いで上杉謙信、武田信玄、将軍の足利義輝の3人のうち1人を殺せば確実に戻るはずだ。約束だ待ち合わせ場所は『交換屋の前』だ。」




「了解。では俺は『上杉謙信』を殺し、現代へ戻る。」




謙信にはさっきの自然発生した疾風迅雷で大ダメージを与えることに成功した。


だから腹を一刺しすれば殺せるんじゃないかと考えるのが良いか。




「ははっ。のぶっながぁぁぁ!!!」




「謙信・・・」




「お前がこんな技を使えるなんてな・・・私も本気をだそうっ・・・」




住民巻雲王じゅうみんかんうんおう




「なっ!この技は威力が高い・・・」




なんだ自分が住民を取り巻く王のだと表現しているみたいだな。




いてぇ・・・思いっきり足を斬られた・・・切断とまではいかないが相当傷を負っているな・・・


だが、ここで勝って現代に俺は戻って先祖さんに真実を聞くんだ・・・絶対に負けられない。




『今川流瞬間移動』




「信長いいだろうっ!!今まで本家とは遠い荒い瞬間移動を使っていたが今使ったのは本家のようだったな。今川流か。」




『不撓不屈ふとうふくつからの疾風迅雷』




どうだっ!?斬れたか?瞬間移動で近づいて不撓不屈の力を加えた疾風迅雷をやったのだけどな・・・




「ふふ、はっはっお前はバカか?初心者か?お前は本当に大名か?お前みたいなやつに今川は殺されたのか?」




「なっ斬れてない?完全に斬れた時の感触だったのに!?」




「はっまさか知らなかったの?のーぶーなーが」




「何をだ!?何を?」




「お前の使っている必殺技にはお前の使う疾風迅雷だったり移動をする瞬間移動などの攻撃系・移動系の必殺技だけでなく、『守備系』の必殺技がある事を。」




まさか、確かに言われてみればあっても全くおかしくない。という事は謙信はその『守備系』の必殺技で俺の攻撃を防御したという事か?




「やっと気づいたか。信長・・・なぁー知らなかったんだろ?信長ぁぁぁ。」




「あぁ知らなかったぞ。だが、ここで知らないままだったら俺は恐らくお前に負けていた。だから教えてくれてありがとうな。」




「くっ死ねぇぇぇ。死ね、死ね、死ね」




ここで少しムカつかせて疾風迅雷で殺しにかかるのが無難か?


いや、相手の動きを研究し自分自身で守備系の技を開発する方がいいのか?




一回、不撓不屈で攻撃しまくって相手の守備系必殺技を研究するか。


そしてそれを参考に俺も守備系の技を開発するか。




『不撓不屈』




「だからぁ、それ無駄だって言ってんじゃん。」




極守ごくしゅ




名前は極守っていうのか。


次はどうやって発動しているかみるか。




『不撓不屈』




「もう、死ねよ。何回も極守させるな。」




分かったぞ。極守は下半身で成り立っている。


上半身の全能力を下半身に巡らせている。


その為太ももの大きさが大幅に大きくなっているが、その分腕の太さも、物凄く細くなっている。




じゃあやるか。


下半身に全能力を張り巡らすんだ・・・




腕の筋肉を太ももに移動させるイメージだ。




俺が開発した名前は・・・


『極守改』平凡な名前だが、俺にはこれで十分だ。


まずは相手に攻撃させる。




そして俺が『極守改』を使って不意打ちで『不撓不屈』をうって殺す。




「なぁっもう攻撃やめた?なら俺殺しに行くーよ。のーぶーなーがー」




住民巻雲王じゅうみんかんうんおう




「のーぶーなーがーお前はもうここで死ぬよ。天国で今川とでも仲良くやってな。」




今だっ!上半身の全能力を下半身に張り巡らせる。




よしっ!!


『極守改』




「じゃあな上杉謙信」

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