混成ノゲネシス Z.V.S

@yuraliauwx7

第1話 ゲネシス起動

pipipi…pipipi……マスター。起床時間です。起きてください。


一定のリズムで鳴る、人間が起きやすい周波数のアラームの音で目を覚ます。でもたしか今日は……



「あれぇ?……今日は休日でしょ……??もう少し寝かせてぇ……」



― はい。今日は休日です。しかし、昨日マスターが、「ねぇねぇ!これ見てよ!めちゃめちゃ美味しそうじゃない!?よし!決めた!明日は朝からこの採れたて野菜のサラダと、絶品フレンチトーストを作るから平日と変わらない時間に起こして!頼んだよ☆」と仰っておりましたのでこの時間に起こさせて頂きました。



「はっ!?すっかり忘れてたよREIA!着替えの用意とお風呂の用意をしてくれる!?」



― 了解しました。着替えはA40のBOXに、お風呂は後5分程お待ち下さい。



「ありがとうREIA!君を造って本当に良かったよ!」



― いえ。こちらこそマスターにお仕えする事が出来て大変うれしく存じます。



僕の名前はキリア・アストロン。自分で言うのもなんだけど天才科学者。僕は自分の興味のあるものをたくさん造ってきた。日常的なものから果ては兵器まで…、このREIAも僕が時間を惜しまず、2年半かけて造ったOS。彼女は既存のAIとは違って人間とAIとの狭間に立つような存在。僕は彼女をいつでも持ち運び出来るようにコンタクトレンズ型に改造し、常時身に付けている。



― マスターお風呂の準備が出来ました。



シャワーを浴び、普通の家庭の4倍はあるであろう浴槽に入る。



「ふぅ〜。今日のお風呂もいい湯加減…♪ やっぱり朝はシャワーではなくお風呂だよねぇ…☆」



30分の入浴を楽しんだあと、お風呂を出て、A40のBOXに入った服に着替える。



「REIA!昨日言ってた料理のレシピを表示してくれる?あと、材料を貯蔵庫からキッチンに運んでおいてくれるかな?」



― 了解しました。レシピを表示。材料は既に用意出来ています。



「さすが!気が利くなぁ!」



REIAは家にある自動化されているもの全てに接続することができ、それらを自由に運び出すことが出来る。ち、な、み、に!このシステムを作ったのも僕なんだ☆



「さてさて……それじゃ作りますか!」



目の前に映されているレシピを頼りに料理を作っていく。REIAがいるから分量や手順などを間違えずに作ることが出来る。今日も完璧な料理ができた。



「それじゃあ!いっただきまーす!!」


〜脳内食レポ〜

まず最初にサラダを口に運ぶ。新鮮な野菜ならではのシャキシャキ感と絶妙な味のバランスで作られたドレッシングが野菜の味を更に引き立てる。それを感じながらフレンチトーストに移る。バターの風味がほのかに感じられつつも新鮮な卵の味、そして濃厚なクリームが最高のハーモニーを奏でている。うん。美味しすぎる!やはりこれはetc……



― マスター。本日の予定は午後から明日の新型機体披露会の準備。迎えは11:30に来ます。それまでに初号機の機体の最終確認を行ってください。



「そうだったね。初号機の確認はどこまで進んでたっけ?」



― 607のインターフェースの搭載。440から450の指の作動確認。824のN2ブースターの作動確認のみです。



「OK。その量なら10:00からでも十分間に合うね。僕の造った機体に限って不備なんてないとは思うけど。」


そう呑気に食事をしながらREIAと会話している時だった。大きな爆発音が聞こえたのは。



ドォォォォン……!!!



家も少し揺れた。なんだ一体!?



「REIA!状況を教えて!!」



― NDS本部に中型爆弾の落下を確認。犯人特定中……犯人はRNであると推測されます。



RNってことは……革命軍の奴らか!だが何故、?この平和な今に奴らが攻撃する意味……?



「待って……。この期間にこの攻撃……?? まさか!?奴らの目的は僕の新型機体の奪取か!」



まずい……初号機はこの家にあるけど2号機、3号機はラボの中だ。だとすると奴らはラボに向かうはずだ。急いでラボに戻らないと……!!



「REIA!!ラボの研究員達に通達!レベル最大で障壁を展開!戦艦ヴァルホルの起動準備を行い、完了次第研究員と2号機、3号機を乗せて発進!」



― 通達完了。どうやらまだラボは攻撃を受けていない模様です。



「僕も早く向かわないと……うぐっ!?」



ゴォッ!



「この揺れは!?」



― 侵入者です。恐らく敵機:インファントの攻撃と推測されます。



くそっ!ここにまで敵の手がくるとは……。考えろ……僕!頭で情報を整理し最も合理的かつ、最速で行える成功確率が高い行動を演算していく。この状況を打破する為には……やるしかない!



「REIA!初号機の起動準備をして!」




― 了解しました。起動準備開始。起動まで約50秒。インターフェースの搭載がまだです。如何しますか?



「インターフェースはREIA、君を搭載する。接続方法は僕のコンタクトと直接無線接続。できるよね?」



― 了解しました。起動準備完了。乗り込めます。



急いで最深部にある保管庫に移動し、初号機に乗り込んだ。



『無線接続を確認。インターフェースをREIAとします。初号機と同期……。同期を完了しました。パイロットをキリア・アストロンとして登録します。神経接続完了。システムオールグリーン。マスター。発進準備完了しました。』



「よし……!ゲネシス初号機!ストライクゲネシス!発進する!」




〜同時刻:地上 キリア宅前〜



「なかなか破壊できないな。ここにも障壁がある……やはりここに新型が……?」



「アシアス大佐!この家の地下より熱源を確認!恐らく、新型です!」



「的中だな……!本部からは捕獲との指示だが……全体戦闘準備だ!ここで仕留めるぞ!捕獲作業中に破壊してしまったという建前で……戦いをおっぱじめるぞ!」



「「「はっ!」」」



「本気で戦えない戦いなんて面白くないからなぁ、さぁ……楽しませてくれよ新型ぁ!!」



「熱源接近……来ます!!」



1本の眩いビームの光が地下から見えた瞬間。その機体は目の前に現れた。



「あれが……新型ぁぁぁ!!」



その機体は、まるでこれから起こる戦争が血塗られたものであるかの如く赤黒く光り、輝いていた……。












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