機械仕掛けのコウノトリ 10
私の後ろのテーブルに新しく女性が二人で座り、話を始めた。
その声だけがソロパートになった楽器みたいに私の耳で大きく鳴っていた。
「彩花もそろそろ子供作るの?」
「う~ん、そうね。子供が二十歳になるまでにはまだ若くいたいからそろそろね」
「そっか~、そうだよね。出産にするの?それとも代理出産?またまた最近流行りの見学出産?」
「ちょっと悩んではいるんだよね。健二さんに聞いてみても、それは君の権利だから自由に決めたらいいよって言ってるから。余計にどうしようか悩んでる」
「見学出産なんかはおばさん連中がまだまだ文句言ってる人もいるからね。私たちは出産がどれだけ大変なのかこの目で見て知ってるんだってね」
「そうだね。見学出産は職場に早期復帰できるのは魅力だし、子供が大人になった時に綺麗なままで居られるのは、私たちには本当に大切なことだからね」
「そうそう。それにおばさんたちだって、あんたが産んだんじゃなくて、代理出産の人達が苦労してるの見てただけだろって話。実際、今の見学出産のネグレクトの割合なんて代理出産が一般選択できるようになってからと変わっていないって言われてるからね」
「へ~、美紀、そんなことまで良く知ってるわね。もしかして、和也くんからプロポーズでもされたの?」
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