私の家は廃校だ

くわがた

第1話 家探し

「ヤッター第一志望校受かった。」

そう田口たぐち 小百合さゆりは、喜びながら叫んだ。

親の反対を押し切ってまで、私は、念願の雨宮県立雨宮東高等学校に合格した。

しかし、この高校は、私にとって、一つだけ不都合なことがある。それは、家からとても遠いという点だ。

その点で、親にも反対されていた。

私はここまで、毎日通うとなると、一日電車とか乗り継いでも5、6時間はかかるから、親と相談して、その高校の近くの家を探すことになった。

しかし、雨宮県立雨宮東高校の近くには、家がなかった。私のお父さんがやっとのことで見つけたアパートは、とても狭いうえに、すごく古く、なおかつ家賃が月12万円もする。

私は正直この物件には住みたくないと思った。

 そんななか私は、もっと近い物件を見つけてしまった「120万」その物件は、森の中にあるが、私が通う高校からは5キロメートルくらいしか離れていない。頑張れば自転車でも通える距離だ。

しかしそこは、雨宮県立雨宮高校跡の廃校だった。

ちなみに、雨宮高校について調べると、周りには一面の森が広がっていた。

だけど、私は親にその物件について相談してみた。

「お父さん、この物件どうかな?」

するとお父さんは、「小百合がここでいいならお父さんはここでもいいと思うけどどうする?」と聞いてきたので私は、「近いし、ここでいいと思う」と答えた。

するとお父さんは、「ここならローンを組めば何とか出せるから今度内見してみる?」

と聞いてきたので「うん。してみる」と私は答えた。

 翌日私は、両親と一緒に、廃校の物件を見に行った。まず外見は、普通の高校に見えた。

中は、あまりきれいじゃなくて、学校として存在していたころから片付けられていなかった。

また、外観もあまりきれいではなかった。

私は、建物に入らずに、ここにしようと決断した。

「私、ここにしようと思う」

両親は戸惑っていたて、母親の智代ともよが、「小百合一人でやっていけるか心配」

と言っていたそれに対し父の良平りょうへいは、「大丈夫、小百合ならやっていける」と答えて、「本当にここでいいの?」と聞いて、私は、「ここでいいよ」と答えた。

その翌日お父さんとお母さんは、その物件を購入する手続きをしていた。

その物件は、私の名義で登録することになった。

「小百合 いつ頃引っ越す?」そうお父さんに聞かれたので、私は、「明日は、入学説明会があるから、あさってには、引っ越そうと思う。」と答えた。

翌日は、お父さんと入学説明会に行った。

体育館で全体の説明が終わると、 私はお父さんといっしょにまずは教材を買い、次に体操服と、上靴とリュックサックを買いに行った後、制服も買った。その高校の制服は紺色のブレザーで同じ色のベストと赤かオレンジのネクタイをつけるタイプになっている。

ちなみに私は両方のネクタイを買って気分によって色を変える予定だ。

 制服の会計の時に女の子に声をかけられた。「小百合ちゃん久しぶり」

「真希ちゃん久しぶりだね。また3年間よろしくね」

私が野村のむら 真希まきちゃんと挨拶をすると、お父さんが制服の会計を終わらせていた。

 これで、学用品をすべて買うことができた。

そして、私たちは家に帰って私は引越しの最終準備をした。

 引っ越し前最後の夜ご飯は、とてもおいしく感じた。

そして、今日はゆっくりとお風呂に入った。なぜなら私の引っ越し先にはお風呂がないからだ。だからお風呂は近くの銭湯に定期的に入ることになる。

私は寝る前にいつも通り「おやすみ」とお父さんとお母さんに挨拶をして私の部屋に行って日記を書いてから寝た。

私は久しぶりに夢を見た。

お母さんとお父さんと三人で公園に出かけている夢だった。

翌朝は早起きできた。

私は引越しの本当の最終準備をした。

ベッドサイドの物も、きれいに片づけたところでお母さんに呼ばれた。

「小百合!ごはんできたよ」

「うん。今行く」

そして私は、ここで食べる最後のご飯を食べた。

ご飯を食べ終わると、家族で引っ越しの荷物を、お父さんの車に乗せた。

荷物の量は、少し多かったが、すべて車に詰め込むことができた。

車に詰め込むと、お母さんが、私に抱きついてきた。

「小百合 これから頑張ってね。お母さんは全力で応援するから」お母さんが少し泣きそうな感じで、私に話してきた。


 お父さんと車に乗り込むと、お父さんは車を発進させた。

「小百合 もし怖くなったら、いつでも電話してもいいよ」お父さんが優しい声で、私に言ったので、「うん。何かあったら電話するね」


 

一時間くらい車に乗っていると、私の引っ越し先の廃校の門の前に着いた。

私は、門のカギを開けて、お父さんの車を昇降口前まで誘導した。

昇降口のカギは空いていたので、スムーズに荷物を置くことができた。

お父さんが、「それじゃあ帰るね」と私に声をかけたので、私は「少し待って」と話し、お父さんに抱きついた。

「少しこのままにしてほしい」私がそういうと、お父さんが「いいよ」と答えた。

 そのまま5分ほどお父さんに抱きついた後、私はお父さんを離した。

「もう大丈夫」私が言うと、お父さんが「それじゃあまたいつか会える日まで」と私に話した。

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