あさひさんの開運めし

よしの

第1話

昔 ある所澤にあさひさんという女のひとがおりました。

世間では疫病が流行っていると云われていて

とっても不景気でした。

あさひさんは職を失ってしまいました。

若くはないので 仕事はなかなか見つかりません。

色々と応募はしてみても年齢を伝えるとすぐに不採用の連絡がくる日が続きました。

役場へ行くと少しばかりお金を貰えるそうなので

いってみましたが 書類が足らず出来ません。

両親と同居で暮らしてましたが ともに足を骨折した事があり あまり遠くに歩くことが出来ません。

人が多い所に行くと疫病がうつるとされていて

恐がってますます家から出なくなり 歩く事も少なくなりました。


そんな事がおきている中 ある国がお隣の国に自分の国の兵隊をおくりました。

爆弾で建物は壊れ 人がなくなり 沢山の人が隣国などに逃げていきました。

まわりの国の人はとめようとして 兵隊を送り込んだ国を困らせる事を色々しました。

なんでこんな事になったんだ?

国の偉い人が人気がなくなってきたので威厳を保つ為だとか 爆弾が国どおしで余ってるのでやりはじめたお芝居だとか云うひともいました。

色んな噂は流れましたが本当のとこはながれてきませんでした。

あの国の油やこっちの国の水や石が欲しいと思い

国のやり方がちょっと違う所を言い合って どっちがいいだのと これまで何度も揉めてきました。

どっちの国のやり方になってもお金が基準になっていて 持ってる人と持っていないひとがいるのは変わりません。お金がないと食べるのも住むこともむずかしく でも長生きには なってきてお金は足りるのか?

天変地異がおきそうだのと不安がつのるのも変わりません。

地球っていう1つのまるい星に住んでるのも

空や陸 海も空気もつながっていて ひとつなのもかわりません。

そんなことはみんな知ってるのに線をひいては

こっちに来るなとか ここに運ぶならお金を払え

うちの国のお金にするならお金を払えとか …

決まりをつくってます。

でも あさひさんはそんな事はどうでもいいんです。

あさひさんはただ今いる所の辺りに住んで 周りの人と仲良く過ごしていきたいなと思っていました。

しかし仕事もなく貯金もわずかになってきました。


もう消えてなくなりたいと思いました。


一部のとおい国では自分の意思で なくなる事もできるルールがあるそうですが あさひさんの国ではありません。

病気や怪我でなくなるのが一般で 自らの意思でおこなうルールなんて考える余地もありません。

このままでは食べれなくなって なくなるしかありませんでした。


そんなあさひさんは時々 近くの神社へお参りしに行きます。

はやく仕事が見つかりますように。

みんなが幸せでありますようにと願いました。

そうして応募した仕事の返事を待ってる日々が過ぎていきました。


時間はあるので時々本を読んでいると 自分の潜在意識が現実をつくっているといった内容の本でした。

探してみると同じような内容の本や言っている人が見つかりました。半信半疑でしたが 具体的にそうぞうした方がいいそうで 少し振り返って考えました。


最初に就いたモノを売る仕事では 不景気になった時

年齢の高い人達が先に呼ばれて辞めていきました。

ひととおり終わると 今度はひとがいなくなりすぎたとあさひさん達が呼ばれました。

他の店へ行って欲しいと云われ どこも不景気なのであさひさんはその土地のひとを雇ったほうが喜ばれるし この店もひとは足りてないと伝えました。

そんな中 他の店で自ら亡くなる人もあらわれました。

従わなければここにはいれないと… あさひさんは辞めました。


退職するとき あさひさんは何か喜んでもらえるものを自分で作る仕事がしたいなと思いました。

そして 料理学校へ通い卒業。

その後 色々なお店に勤めました。


背の高い人ばかりの店ではモノが高い所にあり取れず…。

ある店ではその役職を取られるんじゃないかと思われ 入って来るひとを皆 意地悪する店もありました。

新しく開店する店では 色んな国のひとがいましたがいつの間にか ひとつの国の人達が入れるよう出勤日を決められて 入れなくなってしまいました。

倉庫の職に就いた時には 監視カメラが至るところについていて データ管理され モノが少しこわれてようが やたらとせかされました。

高級そうなみせの開店で働いたときは 人もモノも揃わないのに お店をひらいてしまい あれもやれ これもやれ 食器はもっと丁寧にあつかえと 休みなく働いたこともありました。


もう世の中には自分がしたい仕事なんてないんじゃないか 自分がいれる場所なんかないんじゃないかとあさひさんは思いました。


あさひさんは考えました。


これはすべてわたしが考えたからおこったことなの?


この現実を変えるには…楽しいと感じることをそうぞうする。


わたしはどうしたいと思っている?

なにがたのしい?


もう なにをすればたのしいのかも なにをしたいと思っているのかも 忘れてしまったのか…おもいうかべることができませんでした。


自分の年齢やお金がないから出来ないとか なにが正しいとかそんなことは考えず たのしいと感じることを 大好きな事…。


…自由な時間が欲しい。でもお金がないといきたいと思ったところへいけないからお金も欲しい。

色んなところへ旅行しておいしいものを食べる。

それで…それから…………………。


すきだと思ってるひとを幸せにしたい。

すきだとおもえるひとをふやしたい。


どうやって…?


自分やみんなで育てた無農薬の野菜や果物を使ってみんながゆったり楽しんで ご飯をたべれるところを作りたい。

いやなことがあっても 終わったらアレを食べに行こうと 頑張るんだと 思ってくれるような美味しいごはん。


ひとが都合よく手をくわえた植物。それを与えられ食べるためだけに 効率だけで 育てられるいきものは使わない。

川からたくさんごみが流れて 薬もまざる 海で泳ぐ

お魚も。

はやく大きくなるように お乳が出るようにと

注射や薬をつかったミルクは使わない。

牛のお乳は子牛のものだから。

ひとが飲んでも骨にも身体にだって…。

そんな事を考えましたが …なにか違う。


こんなうわさを聞きました。


空にながすといけない空気を固めて 土にうめてしまおうと。ひとがつくって困った成分は うめて見えなくしてしまおうと。


あさひさんはおもいました。


土のなかの生きものは困らない?

その土のうえに生きものが ひとがいるのをわすれてない?

雨が振って土のなかに水がしみて 川に流れて海について 雲になり雨が振る。


みんな知ってる。


どこに線をひいても なにかで固めても つながっている。


土が生きているから植物が育って 植物が空気をつくり それを食べて 虫や動物 ひとがいきる。


土が生きないと植物が育たなくなり 空気をつくらなくなり 虫や動物 ひともいきる場所がなくなる。


みんな知ってる。


だからあさひさんは いきる場所がわからなくなったんだと気がつきました。


土のなかの生きものが元気に育つと 植物を 虫を動物を ひとが元気になる。

そんな元気が広がって 線なんかなくて 必要もなくなって 自由に楽しく みんながいきる場所ができる。


そんな世界でいきたいと あさひさんは思いました。


色んな生きものが 元気で過ごす土に 元気な植物を育て おいしいごはんを食べて 元気にいきる。


土のなかの生きものも 空気のなかの生きものも 小さすぎて ひとにはみえないけど 生きものがたくさんいて。みえなくても 誰かが元気でなくなると みんなが元気になれなくて。

ひとだけの都合でつくった土は 元気になれない生きものがいる土が育ち 元気のない植物を 虫を動物をひとが育ち 元気のない地球に育ってしまいました。

ひとの都合でつくった土のなかに 小さすぎる生きものが不自由に育ち 植物が 虫が動物がひとが 不自由に育つ。


みんな自由に 楽しくいきたいとおもってるよね?


ひとの都合だけの モノや事をやめて 土のなかや空気のなか 水のなかの生きものを 元気に自由に。


土の中は つちのなかの生きものの場所 水の中は みずのなかのいきもの場所。空気の中も くうきのなかのいきものの場所。

ひとが 何処だって入って変えていては そこの生きものが困り やがてはひとがこまり 揉めごとが

はじまったりします。


開運には掃除が必須だそうなので 汚れた海や土のゴミを拾って きれいだった海や土にもどしてせたら。

すべての生きものが元気になって 自由な地球 世界を思い そうじして 懐かしい待ち遠しい明日を。

ゴミを拾うことは 福をひろうことって こういう意味なのかな?


ひとが作って喜んでも誰か?小さな生きものでも

悲しませてしまうモノやコトはしない。

結局は巡りめぐって ひとも悲しませてしまうから。

国どおしのいざこざも お隣の揉めごとも

きれいな海や 元気な生きものがいる土で 植物や動物 ひとが心地よい距離をとって 自由になって。

ひとがよけいなことをしないで きれいに住んで過ごしていけば いきていけるんじゃないかなと

あさひさんは思いました。


もうすぐ春になります。


あさひさんは近くでとれたお米の粉をつかった

桜の形の 桜色の 桜餡のおやきを焼いて 。

気持ちもはなやかに咲かせて。


近くの神社から見える富士山を型どった

ブルーベリーの寒天に豆乳ソフトクリーム。金箔をそえてダイヤモンド富士。~白みつ添え。


太陽を模して まわりにハートのいちごがいっぱい。 中央はドーム型で ラズベリーのジュレがかかり

なかはレインボーカラーのムースケーキ。

朝日を食べてエネルギーチャージで開運。


ごはんものは

七種類の地元野菜がいっぱいの寝かせ雑穀玄米の

海軍カレーならぬ開運カレー(海なし県なので)


後は お豆腐を主に使った 七福おばんざい定食。

・ 豆腐にあおのりをくわえて牡蠣フライを菜っぱで

巻いた牡蠣くるみ風 (宮島の牡蠣を色々なモノで巻

いて ご利益を包んで食べるそうです)

・山芋と豆腐で鰻風(うなぎのぼり)

・蓮根の豆乳マヨあえ(蓮根で先が見通す)

・高野豆腐の昆布巻き~柚子を添えて(よろこぶ)

・オクラの冷奴(粘りつよい)

・豆腐のカツ煮(勝つ)

・たたきごぼうの白和え(たたいてひらくので開運)

など時々かわりますが 七つの小鉢がツイて

寝かせ雑穀玄米とワカメと豆腐の味噌汁がセット。


そんなお店をひらきたいと願いました。


土も川も海も空も 見える生きもの

みえない いきもの みんな元気に自由で楽しく過ごしてます。

そんなことをおもっていたら 鈴の音がきこえてきましたが どこにも鈴はみえません。


応募した仕事の通知が届きました。

ねがいは叶いはじめたとさ。















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

あさひさんの開運めし よしの @akkyk0507

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ