第22話 チートスキルで召喚獣までチートスキル持ちになった
僕達が助けた冒険者パーティーは、リーダーのアインさんを中心に、ハグルさん、エラさん、ロナさん、ケーナさんだと自己紹介した。
みなさんはDランク冒険者パーティーのようで、レベルは全員が15付近、冒険者の中では中堅くらいの強さだそうだ。
僕のレベルが40なので比べるとずっと低い。思っていた以上にこの世界のレベルの平均って低いのかも知れない。
アインさんパーティーは
一年でレベル5上げるのすら大変なんだな…………一か月で40になりましたと言ったら怒られるのかな?
「えっと、ホロくんはこのままオークの森で狩りをするんだよね?」
「そうです」
「一つお願いがあるんだけど、いいかな?」
「まあ、僕に出来る事なら?」
「もしよかったら、私達も同行させてくれない? 時折でいいので、オークと戦わせてくれると本当にありがたいんだけど……」
ああ、要はオークの森で狩りをしたいけど、先みたいに群れに遭遇するかも知れないから、一緒に行けば、そういう心配事がないと思ったからだろうね。
「いいですよ? それならそもそも僕達が皆さんに付いてっても問題ありません」
「えっ? いいの? ホロくんも狩りに来たんじゃないの?」
メンバー全員が不思議そうに僕を見る。
狩りに来たのは本当の事だし、しないとは言っていない。
つまり――――
「元々こうするつもりでしたので、心配ないです」
僕の後方に召喚獣達が現る。
僕にグノーくん、妹にウンディちゃん、もしもの時の為にシルフィくんも残って貰い、他の召喚獣達をサラマくんが率いて森の中に入って行った。
「「行ってらっしゃい~」」
サラマくん達に手を振る僕達を見たアインさん達が地面に膝をついた。
そんなに衝撃的な場面なの?
「さあ、これで狩りはサラマくん達に任せたので、皆さんに付いて行きますよ~」
「よ、宜しくお願い……します……」
みんな本当に大丈夫か?
『主様』
手のひらのサイズになって妹の肩に座っているウンディちゃんが僕を呼ぶ。
「どうしたの?」
『はい。もしよろしければ、彼らに【支援魔法】を施してもよろしいでしょうか?』
「ん? 【支援魔法】って何?」
全くの初耳に驚いていると、エラさんが一番手に反応する。
「もしかして水精霊様!? ホロくん! 施術料なら払うから【支援魔法】をお願いできないかな!?」
【支援魔法】にお金を払うというくらいだから、恐らく
ネットゲームをしていた頃も、こういうバフを掛けて貰えると狩りがやりやすかったしな。
この世界では、それで生計を立てている人がいるのかも知れないね。
「施術料なんて要りませんよ。ウンディちゃん、それはウンディちゃんに取って何がデメリットがあるの?」
『いえ、全くございません。私を中心に【範囲支援魔法】を展開出来ます。主様の味方だと思う方々に恩恵がございます』
「そっか。ではお願いするよ~」
『喜んで』
ウンディちゃんから周囲に淡い水色の魔力の波動が広がる。
あまり気にした事なかったけど、この世界には魔法がある。
ネットゲームのエフェクトを眺めるのとは比べものにならないくらい幻想的で美しい魔力の波動に見入ってしまう。
ウンディちゃんが肩に乗っている妹も、小さく「綺麗……」と呟いていた。
まあ、僕としてはウンディちゃんより妹の方の――――――これはまたいずれ。
「うおおおお! 力がみなぎる! 補助魔法なんかくらべものにならないくらい力がみなぎる~!」
「すごいわ! これならオークの群れも殲滅できそう!」
五人とも凄くテンションが上がっているけど、この【支援魔法】の効果ってそんなに凄いのか?
何となく自分の【ステータスウィンドウ】を開いてみると、【水精霊の支援(超強化)】という欄があって、押してみる。
――――――――――――――――
【水精霊の支援(超強化)】
・全ステータス1段階上昇(超強化により3段階上昇)
・スキル使用時ペナルティ軽減・小(超強化により大軽減)
・HP自動回復・小(超強化によりHPとMPが大)
・効果範囲10m(超強化により300m)
――――――――――――――――
うわあ…………ちゃっかり僕の【超強化】の効果が乗って、ウンディちゃんのスキルにまで効果を発揮している。おかげで通常でも中々良いバフスキルが、もはやチートスキルに化けてる。
ステータスというのは、【身体能力】と【魔法能力】と大きく二つに分かれていて、それぞれ【力】や【魔力】などがあり、強さはF-、F、F+の順で強くなっていき、それがF、E、D、C、B、A、Sと上がっていく。S+が最高で、全部で21段階存在する事になる。
ではこの各ステータスはどれくらいのペースで上がるのかというと、召喚士である僕は最初から【魔力】が丁度中央のCで、そこからレベル10ごとに1段階ずつ上がって行き、恐らくレベル100でS+になる計算になる。
ただこれでも得意なステータスが伸びやすいだけで、僕の場合【素早さ】は元々Eスタートでレベル40でD-となっている。レベル20と40で1段階ずつ上がった計算になる。
それを示唆したらこの全ステータス3段階アップってどれくらい恩恵が大きいのかは、長年ネットゲーマーをしていた僕は痛いほど理解出来る。
さらにそこにスキルのペナルティという、いわゆるクールタイムが大幅に減るという事で、さらにHP自動回復に関しては何故かMP自動回復の効果まであり、効果も大になっている。
こんな強いバフスキルが範囲10mから300m…………うちの召喚獣達がどんどんチートになっていく気がする……。
最初に見つけたオークを五人が瞬きする間に倒して、倒した全員がその場で泣き崩れるくらいにはみんなで驚いた。
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