純愛
@academy_award
帰りの会にて
「実は、私、最近男の人と一緒に住んでるんです。ううん、お父さんとかそういうことじゃなくて。同棲っていうのかな。うらやましいでしょ。住み始めたのはだいたい一カ月くらい前だったかな。ベットの下からごそごそって音がして。なんだろうなって思って、覗いてみたんです。そしたら、知らない男の人がいて。寒そうにうずくまってたんです。もちろん、最初はびっくりしましたよ。当たり前じゃないですか。でも、考えてみて、思ったんです。この人もしかしたらいい人かもって。だって、私なんにも変なことされてなかったし。それで思ったんです。この人と一緒に暮らそうって。え、なんでかって?だってほっとくのもすごい可哀そうだし。後、憧れてたんですよね、男の人と一緒に暮らすこと。あ、もちろんお母さんとお父さんには言ってないですよ。だって許してくれるわけないし。とにかく私はその人と暮らし始めたんです。夕飯の残りを分けてあげたりとか、たまに勉強も教えてあげちゃったりもしました。すっごい楽しかったし、その人もすごい喜んでくれてたので、私、とても幸せでした。でも、だんだん可哀そうになってきたんです。その人、私以外に友達もいないし、頭もそこまでよくないんです。そこで、皆に一個聞いてみたいことがあるんです。その人をこの学校に入れられないかなって。実は、今日一緒に来たんです。先生たちにバレちゃいけないから、裏門からこっそり。え、今どこにいるのかって?ずっといますよ。ほら、後ろに。」
純愛 @academy_award
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