攻略済みダンジョンで悠々自適生活

田中

プロローグ

 魔大陸の辺境、森の中に佇む小さな小屋でアラドは一人で暮らし、もう1年以上誰とも会わず、森で自給自足の生活を送っていました。


 その日も、アラドが一人で昼食を食べていると急にノックの音が響きました。

 予想のつかない来訪者に身構えながら、「ど、どなたですか?」と尋ねると、「邪魔をする」と重低音の男の声とともに、ドアを開けて入ってきました。

 威圧感を放つ男とスプーンを持ったまま固まるアラド。微妙な沈黙が流れた後、「お前がアラドだな。」と男が口を開きました。「は、はい」

「お前にはこれからダンジョンマスターをやってもらう。」

「え?」

「魔王様のご命令だ。」

「なぜ僕なんですか?」

「私は魔王様のご命令を伝えに来ただけだ。理由は知らん。」

「ダンジョンマスターって何をするんですか?」

「行けばわかる。」

「どこのダンジョンですか?」

「行けばわかる。」

「いつから配属になるんですか?」

「今からだ。私の転送魔法で飛ばす。詳細は現地で確認しろ。」

「急いで準備するんで少しだけ待ってください!」

「私も忙しい。急げ。」


 大急ぎで食べ物を片付けて、最低限の荷物をまとめ、、、家を長期間空けられるように準備を整えていると、「もう時間だ。」

「えっ!」呆気に取られている間にアラドの体は光に包まれていきました。

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