角色編② 王仙羽

続いては幽明系列の若頭、『訪い人』なの主人公こと王仙羽ワンシェンユーくんです。



黒髪ポニテ、白い着物に白い一字巾(ありていに言えばハチマキです)というイケメン道士の彼ですが、ビジュアル面では明らかなモデルがいて、それが金光布袋劇シリーズの主人公・史豔文しえんぶんになります。


ここで少しオタクトークです。小辰は台湾のテレビ人形劇こと電視布袋劇のオタクでここ何年かは各製作会社が出してるカレンダーをずっと使ってるんですが、今年は昨年から見始めた金光布袋劇のカレンダーを初めて買ったんですよ。月替わりでおなじみの、もしくは現在活躍中(……?)のキャラクターが拝めるという最高のカレンダーなんですが、通販サイトの送料無料につられて壁掛けと卓上を両方買ったら一月の絵柄がどっちも史豔文。それで「戦うイケメン」中編コンテストの告知が出たときに、主人公の見た目どうするかなーと考えてたときにふとカレンダーの史豔文が目に留まり、これだ! となったわけです。今年で52周年という長寿キャラのためデザインも色々あって、過去には額の飾りがハチマキだったこともあるようなのでちょうどいい、というかんじです。ちなみにモデルになったデザインこと今の見た目になったのは2000年代に入ってから、それも現行シリーズの最初期の作品の終盤のことなのでけっこう最近です。



でも白服にハチマキって、布袋劇より圧倒的に知名度が高い魔道祖師の姑蘇藍氏がそうなんだよなあ……読む人が読んだらそう見えるだろうか……なんてことも思ったんですが、断固違いますというのを明言しておきます。魔道祖師っぽい部分があるとしたら死んだ人間を術を使ってバリバリ操る方ですし、これも別に魔道祖師が面白かったからというわけではないです。いや面白いし好きなんだけどね。武侠・仙侠ものの入門としてもすごいしっかりしてるので、行ける方はぜひどうぞ。



あと一字巾について少々。

『英雄譚』長編化計画から派生して生まれた『訪い人』なんですが、その参考にと買った資料『道教の神々』(窪徳忠著・平河出版社)に載っていた道観でのエピソードによれば、著者がよく訪れていた道観の道士は皆一字巾をしていたそうで、それもあって採用したアイテムでもあります。ただ、別に一字巾が碧雲観の制服だとか母親もしてたとかではなく、王仙羽だけが身に付けているアイテムとして登場させたので、何か理由付けが欲しいなということで子ども時代の川に落ちた話と呪術的な要素を足しました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る