世界設定その7 ルード王国


ルード王国、第一章『ストラウスの歌』の後半は、この土地での物語になります。

その後も物語において政治的に重要な地位を占めることになるルード王国、今回はそんなルード王国についての設定資料です!!



・概要

農業の発展に乏しい荒野の多い小国、それがルード王国です。

古くから亜人種の商人たちとの交易、協力関係を築き、それで得た絆を尊ぶことで多人種の国家として形成されていきました。


主要な産業は交易、貿易、商業全般です。流通に適していた土地を活かして、商業の道の一つとして小国ながら地道な発展を遂げています。


計算高く、リベラル。問題解決のためには手段を問わない側面も持つ国家であり、国獣は『狐』になります。




・環境

乾燥した農業に適さない乾いた土地が多く、気候も穏やかとは言えず、高温で低湿度な土地です。森林も少ないため、夜は放射冷却で気温が下がりやすくなっています。


平坦な場所も多いため、交通には適しているのが経済的な強みであり、軍事的な弱点にもなります。


南部と西部は山脈が走り、そこから吹く風により夜は寒さが強い。

人々は夜な夜な家に集い合い、薪を分け合い物語を語り合うような文化を作りあげています。


種族や地位を問わず、ルード王国民の高い結束力は、環境由来の文化が醸成しました。

助け合いと協力、契約と約束を守る精神性がなければ、この王国は成り立たない過酷な環境でもあります。


結束と商業には向いた文化を作り上げたのも環境なのです。



・政治

人間族の王家が代々継承している王制ですが、亜人種の名家・貴族が多くあります。亜人種の政治参加も盛んであり、王や女王は彼らとの協力関係を維持することが最大の政治的責任になります。


商業・商人を古くから優遇している政治をしています。国内外を問わず、商人に対する態度は非常に友好的です。


外交手腕にも本来は長けていましたが、ファリス帝国の大陸侵略の結果、『亜人種と国交がある国』は嫌われるようになっているのが現状です。

ルード王国の国是の亜人種(主に亜人種商人)との共存は、大陸の現状ではマイノリティであり政治的にも弱い立場でした。


帝国の政治的圧力を露骨に受けて、ルード王国はゆっくりと孤立していきます。

しかし、それでもなお亜人種に対する政治的姿勢を変えなかったことで、亜人種商人たちからは強い信頼と忠誠を獲得していきます。


ルード王国は小国であり、国内の農業などに大きな弱みを持っています。

商業と他者との交流を積極的に行わなければ滅び去るリスクが常にありました。


外との交渉に長けた人物であれば、出自を問わず重用する文化を持っています。

亜人種だろうが犯罪者だろうが、貧乏人だろうが、能力があれば機会を与えて仲間に引き込もうとする精神です。


その結果、独特な商業と軍事ネットワークを形成することになります。


国教などはなく、どんな宗教であっても一定の保護を受けます。これも他国との外交や情報収集、人材確保のための戦略的な傾向の一つなのです。


基本的に計算高く、社交を目的として使うことも多い人々がルード王国人です。

数学を始め、学問に対する修得を高く評価してもいます。


芸術も社交術の一つとしての認識が高く、交渉に使える道具として修得を推奨しています。


国外との人脈を築くために、貴族や王位継承者を外国に留学させることを半ば強制してもいます。


国をあげて計算高く、人材を集めることに貪欲である商業国家なのです。



・軍事

ルード王国軍はそれほど巨大な組織ではありませんが、士気は高く人材も粒ぞろいではあります。将軍のベヒーモスなどは、一騎当千の強さがあります。


また古くから馬を商業利用していたため、騎馬の質も良く、騎兵の強さも平均以上のものであることも強さです。


他国に比べて多様性があること、戦術の幅が広いことは武器になり、精神性・組織構成的にも非常に王道な軍事力を持っていますが、ルード王国の最強の武器は別にあります。


※諜報能力。

古くからの商業国家、および亜人種との交流が盛んであったため、大陸各地に独特の情報収集網を形成していきました。


本来は商業のために使うものでしたが、小国であるルード王国を守るために軍事的・安全保障的な情報収集も同時に行うようになりました。


『ルード・スパイ』はその結果誕生します。


大陸の各地に潜み、経済および政治情報を本国に送り続けています。

ときにはルード王国の経済的・政治的・安全保障的利益のために、破壊工作、政治工作、暗殺、強奪などを行うようになっています。


『ルード・スパイ』は幼少からエリートとして育てられた者か、あるいは天才的な才能を持っている人物をスカウトして来て作ります。種族、性別、年齢は問いません。求められるのはルード王国への忠誠心と、精神力、目的遂行能力だけです。


彼らの統括者は『ルードの狐』の名前で呼ばれる古株諜報員と、その一族です。

小国ルード王国の軍事力を影から支えるのがこの狐たちであり、ルード王家の護衛も兼ねているため、王家とも親密さがある組織になります。


ルード王国存続のためにも、『ルードの狐』を始めルード・スパイたちは暗躍を続けています。


最大の功績の一つは、『パンジャール猟兵団』を呼び寄せたことになります。

狐の一匹は、祖国と女王クラリスを守るために世界を旅して回り、最強の傭兵たちを見つけてみせたのです。




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