登場人物紹介その6 ジャン・レッドウッド
※主に第二章から登場です。
※第二章をお読みいただいたあとでお読みいただけるとネタバレの心配が減ります。
名前 ジャン・レッドウッド
年齢 二十代前半
性別 男
種族 人間族※『狼男』は人間族の一部が呪われた結果です。一部の家系が代々、受け継いでいく遺伝性の呪いになります。
使命:ソルジェに部下として仕える。日常的な知識を手に入れたい。
職業:猟兵。『狼男』。
趣味:読書。実用書を読むこと。
略歴
ザクロア地方で生まれ、孤児になる。
孤児院に引き取られる。
侵略神の一柱、アリアンロッドにより『狼男』として覚醒。
孤児院の仲間を全員、食い殺す。
とある騎士に助けられ、レッドウッドの森へ逃げる。
人に迷惑をかけないよう、森の中でこっそりと暮らし、成長。
やさぐれる。
『狼男』の噂を聞いて興味を持ったソルジェとガルフがやって来る。
スカウトされて猟兵に。
『パンジャール猟兵団』の中で『最弱』の地位を得る。
・外見
赤茶色の髪に茶色い瞳、痩せていて自信のない前かがみが常です。もじもじしていて、存在感がなく、ヒトの姿のときは目立つ要素はまったくありません。気弱な青年。不良たちからも無視されるような影の薄さです。からかわれる対象でさえないほどに、影が薄い。
・性格
対人恐怖症。森で孤独な育ちをしていたため、他人と話すことに極端な恐怖がある。口調もどもりがち。孤児院の仲間を食い殺した記憶のせいで自罰的。親の愛情を知らないため、自己肯定に乏しい人物です。ソルジェを指導者としてあがめる傾向が強い。『強い戦士/強い騎士』に憧れている。
まともな教育も受けていないため、そのことも劣等感が深まる原因の一つです。
日常生活では冴えない人物ですが、戦いにおいては勇猛果敢。
他人と会話することは怖がりますが、戦いで傷つくことや死ぬことはソルジェ以上に恐れていません。
戦いに怯えるということを全く理解できていません。ジャンにとっては、そんなことよりも他人との会話の方が恐ろしい。
・武器
極端に強い身体能力。ヒトの姿のままでも、作中で最強の怪力を持っています。ただし剣術や体術の技術は全くないため、武術の達人ばかりの猟兵たちには勝てません。戦いのセンスもありませんが、それでも身体能力だけで最強の一角になれているのがジャンです。
『狼』に化ける。ジャンの最大の武器です。2メートル弱の通常サイズの『狼』と、4メートル以上の『巨狼』に化けられます。矢で射られても毛皮が通さず、斬られてもケガする方が難しい。
勇敢さと容赦のなさ。ソルジェ以上の勇気、戦いへの使命感、戦闘を怖がれない性格のため敵の恐怖も理解できず誰よりも容赦なく攻撃を仕掛けられます。攻撃されても怯まないため、戦車のように敵陣へ単独突撃することを得意とします。
欠点としては戦術を理解していないため、器用な連携を自己判断で行えない点。誰かの指示に頼ってしまうところがあります。
・家族
血のつながった両親のことはジャン自身に全く覚えがありません。
『狼男』の父親がいましたが、ジャンの生まれた直後に『狼男』として目覚めてしまいました。母親と相談して、ジャンを捨てています。『狼男』となった父親が家族を殺してしまうかもしれないリスクと、ジャンまで『狼男』になると手に負えないと考えたためです。
孤児院のスタッフはやさしくはありませんでした。
アリアンロッドのことは『母親』のように認識してもいます。アリアンロッドの子供たちを想う感情そのものは尊いことと理解しているからです。
・将来の夢
一般常識を得て、ちゃんとした一人前の大人になりたい。
『魔王の騎士』になりたい。
・ジャンの世界観
ジャンにとって世界は恐ろしいものに見えています。ジャンは家族とも言うべき孤児院の仲間たちを食い殺してしまったことを、大きな心の傷として背負っています。
それから許されたくもなければ、逃げることもしたくありません。
この大きな後悔が、ジャンにとって世界を恐ろしいものにしています。
他人の目は自分を責めるような視線として認識し、無教養と世間知らずゆえに世界にあふれる『未知』に怯えてもいます。
この恐ろしく見える世界で、ジャンの希望であり支えでもあるのが騎士道です。
かつて自分を助け、導いてくれた騎士ヴァシリ・ノーヴァの気高さ、そして、竜騎士ソルジェ・ストラウスの強さに心酔しています。
それは一種の信仰のようなもので、この怖い世界を生きていくために、ジャンには必要な憧れの光となっています。
邪悪な狼である自分が、世界にいてもいい理由とは、気高い騎士として崇高な目的のために命を捧げて尽くすこと、ジャンにとっての世界は常に戦場であり、恐れ、挑むものです。
世界の外枠は、そういった大きな哲学ですが、内側は『群れ』のみ。ジャンにとって『パンジャール猟兵団』という新しい家族は何よりも大切な居場所で、最愛の群れでもあります。
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