第2話 同じ誕生日
私は
今は十七歳の高校生。
私の隣で歩いているのが、
幼馴染にして、彼氏でもある。
冬馬とは同じ誕生日。
二月二十九日産まれ。
戸籍謄本にはお互いに三月一日になってるけどね。
私の家と冬馬の家は隣同士で、お互いに母子家庭だった。勿論、産まれた時はお互いに父親が居たけれども、先に冬馬の家が離婚をして、次にウチだった。
互いの母親は逞しくて、自分達の元主人(私達の父親)から慰謝料として家をもぎ取り、残っていたローンの支払いを押付ける事に成功していた。
もっともウチの場合は冬馬のお母さんに詳しく聞いて、その通りにしただけらしいけど。(母親談)
それが、冬馬が小学三年生の時で、ウチは小学五年生の時だった。
最悪な事にウチの父親は冬馬のお母さんを口説いていたらしい。
それらの話は母から高校一年になった時に聞いた。
私の母は、背が低くて細面。タレ目が娘の私が見ても可愛い人だ。
対して冬馬のお母さんは背が高くて、眉がキリッとして、上がり気味の二重の目に強い意志を感じられる美人な人だ。
私は母からその話を聞いてからは父に会うのを止めた。離婚理由を話すのは高校生になってからと母と父で決めてあったそうだけど、父は私が会わなくなるとは思っていなかったそうだ。
けれども、私は父に会う気力が失くなった。
私と冬馬は同じ病院の同じ日に、冬馬が午前零時五分に、私が午後十二時五分に産まれたんだそうだ。
乳幼児から今まで、ずっと一緒に居たからもう冬馬が横に居るのが当たり前のようになってるけど、付合うようになるまでは紆余曲折がかなりあった。
長くなるけれども、少し、幼少期からの話を聞いて欲しい。
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