第三話 完成
(さて、まずは普段生理の時につけている当て布がどのくらいまで水を吸えるのかためしてみましょう)
カミラは当て布を吊るし、そこに水をかけた。
(あまり水を吸わないわね……そうだ、街に出て色々な素材を見てみよう)
街に出たカミラは水を吸う様々な素材を集めた。
家に帰ってきたカミラは、早速試行錯誤を繰り返した。基本は布で水をよく吸う素材を包んだ物に水をかけることでどれくらいの効果があるかを試した。
街に出て素材を集め、家で試す毎日が始まった。
*****
カミラは数週間かかってとうとう完成させた。
水を吸う素材は石、乾燥した葉っぱ、綿、小麦、鳥用の穀物だったが、石は装着するには重いので除外した。綿と小麦も少し高価になるため諦めた。
葉っぱは安価かつ安定して手に入る。鳥用の穀物も粗悪品であればかなり安価で手に入る。カミラはそのふたつを使って製品を作り上げた。
乾燥した葉っぱと穀物を細かくすり潰し、布で包んだものである。それを股の部分にあたるようにしてパンツのように履けるという物だった。
(やっと完成した。これなら漏らしたとしても安心ね。生理の時にも活躍しそう。これであの悲劇を繰り返さないで済むのね……)
*****
カミラは家族を集め、完成した商品に水をかけて見せてみた。
「どうですかこの商品は。これでいざという時も安心です。お父様の前で言いづらいですが女性特有の問題にも対処できます」
「カミラ、これはとても素晴らしいものだわ!」
カミラの母親が目を輝かせてそう言った。父親は女性特有の問題とは何かわかっていないようだった。
「わたくし商人になろうと思います。これを女性たちに売って、少しでも不幸な女性を減らしたいと思っております!」
「商人になるなら知り合いを紹介してやろう。正確には知り合いの息子だが。我々と同じく男爵だが商人としてもかなり成功しているらしい」
「是非お願いいたします! ありがとうございますお父様!」
その男こそがカミラの運命の相手になることをカミラは考えもしていなかった。
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