僕はある日可愛い女の子になり可愛い彼女が出来たので、お姉ちゃんに美味しいお祝い料理を振舞ってもらいました。
東雲三日月
第1話 僕はある日可愛い女の子になり可愛い彼女が出来ました。
「いったーい!」
自分の叫び声で目が覚めた。
「
隣の部屋から私の声を聞いた高校生のお姉ちゃんが駆けつけてきた。
「あのね、急におっぱいが痛くなっちゃって・・・・・・もしかしたら病気かもしれない」
何故か胸がチクチク痛むのだ。
起き上がってみたけど、やっぱりおっぱいが痛いのは収まっていないようでまたおっぱいの先端がチクチク痛む。
「一葉、今日は中学校に行けそう?」
「うぅん、我慢すれば何とか・・・・・・」
今起きている症状に戸惑う自分がいた。
気にしないようにしてパジャマから制服に替えると、胸が服に擦れるのか痒くて仕方なくなる。
「ヤバい! やっぱり耐えられなくなるほど痛いから学校は無理かもしれない!
身体がどうかしてしまったかのように感じてしまった。
涼葉お姉ちゃんは、お母さんの代わりでもある。一葉を産んだ後、お母さんはそのまま意識不明の重体になり亡くなってしまったので、こんな時頼りになるのはお姉ちゃんしかいない。
「うーん、それってもしかすると成長期かもしれないわね」
「えっ、成長期!?」
「そうよ、女の子は生理が来る前に胸が膨らむんだけど、その時痛くなったり痒くなったりするの」
「あのさ、涼葉お姉ちゃん、よく見てよ・・・・・・ぼ、僕は男の子だよ!」
「うん、そんなこと知ってるわよ!! でも、おっぱい痛いってことはこれから一葉の胸は膨らむんじゃないの?」
「えっ、マジで!? そ、そしたら困るんだけど・・・・・・」
「なんで困るのよ!? もしかして好きな子でもいるの?」
「う、うん・・・・・・いる・・・・・・よ」
「なるほど、それじゃ困るわよね! あれでしょ、幼馴染の
僕は顔を左右に振りバレないようにしようとしたけど、顔が赤くなり隠すことが出来なかった。
「赤くなっちゃって、バレバレよ!! とりあえず、男の子のうちに早く告白した方が良いんじゃ無くて?」
「な、何だよそれ・・・・・・僕が女の子になるって決まってるみたいじゃないか」
「だってそうでしょ。現に胸が膨らんできてるんだったら・・・・・・ほら、とりあえず私のキャミ貸してあげる。おっぱいのところが二重ガードになってるのよ」
お姉ちゃんのキャミソールを着てみると、とりあえずさっきよりはマシになった。
・・・・・・それにしても、涼葉お姉ちゃんの言う通り、もしこの症状がおっぱいが膨らむという女の子特有の成長期だったら、やっぱり今のうちに告白しといた方が良いのかもしれない。
僕は
何気なく過ごしていた中学校生活だったけど、人生に繰り返しなんて存在しない!
だから、僕はこの貴重な三年生の間にできる限りのことをしておかなくてはならなくなった。
そう・・・・・・皐月ちゃんに告白するというミッション・・・・・・である。
皐月ちゃんは腰まである艶やかな黒髪が印象的でスタイルも抜群。
しかも、胸は既にDカップあるんじゃないかって程発育している女の子だ。
「告白かぁ・・・・・・そうだよね、今度してみるかな」
「一葉何呑気なこと言ってるのよ! 今日学校行くなら頑張って告白してきなさい。胸の成長は早いのよ」
・・・・・・おっぱいの成長っていきなり大きくなんかならないだろうに・・・・・・。
「そ、そうだね・・・・・・頑張ってみるよ」
どっちみち、いずれ告白しようと思っていたから、今回の出来事は丁度良いのかもしれない。
それに、突然の出来事だけど、この症状は治まるかもしれないのだ。
──通学途中、自分の学校に向かうカップルと遭遇する。
・・・・・・良いなぁ!! あんなにくっついちゃって・・・・・・。
僕も青春を謳歌するんだと胸に誓いながら学校に向かうと、下駄箱から一枚の手紙を発見することに。
『 放課後体育館裏に来て下さい』
・・・・・・なんだよこれは・・・・・・!?
そう書かれた手紙をそそくさとポケットに仕舞うと、何事もなかったかのように教室に向かった。
皐月ちゃんを探して目が合った途端、皐月ちゃんが微笑んだので、僕も微笑がえしをする。
これは何時もしてることで、あまり気にしていないけど挨拶のようなものだ。
それにしても、この手紙の主は誰なんだろうか? 僕は皐月ちゃんを彼女にして、イチャイチャしたいのに。
結局、今日は授業中も、休み時間も、お昼の時も手紙が気になりすぎて皐月ちゃんに告白出来ずにいた。
そしてとうとう放課後になり、僕はトイレの後、急いで体育館裏に行くと、そこには僕の知ってる皐月ちゃんが・・・・・・。
「ごめん、皐月ちゃん待たせたね」
「うぅん、大丈夫だよ一葉くん! 私、今来たところだから」
「良かった。それで・・・・・・手紙のことなんだけど、もしかして?」
「うん、その手紙は、私が書いたの。一葉くんが私の事好きだって友達が教えてくれて・・・・・・それで、その・・・・・・」
「あの、僕は皐月ちゃんのことが大好きだよ。だから、全然おっけーなんだけど」
「ご、ごめんなさい! そうじゃ無くて、あの、恋愛対象が女の子なの。だから、一葉くんとは付き合えない」
その言葉を聞いた瞬間頭ん中が真っ白になった。
その後、どうやって帰って来たのか良く覚えていない。
「あれ、一葉どうだった?」
勝手に部屋のドアを開けて涼葉お姉ちゃんが入ってきた。
「駄目だった・・・・・・」
それから、今日あったことを全部涼葉お姉ちゃんに伝えると、お姉ちゃんは一緒に泣いてくれて・・・・・・。
「でも、一葉女の子になるんだから良かったね。未だチャンスあるじゃん」
涼葉お姉ちゃんはそういうと部屋から出ていった。
次の日、そんなわけ無いと思っていたのに、自室の鏡で確認すると、僕の胸ははちきれんばかりのおっぱいとなっており・・・・・・。
「ぎゃー!!」
思わず朝から大声を出し雄叫びをあげてしまった。
案の定隣の部屋から涼葉お姉ちゃんがかけつけてきてくれて・・・・・・。
「あら、一葉おっぱい成長してるね。凄く大っきい!!」
そう言ってニコニコしながら僕の服を脱がせ裸にさせられると、緊張してるのか鏡に移る僕の乳首が立っている。
「な、何するの涼葉お姉ちゃん・・・・・・!」
「あのね、ブラ付けるにきまってるでしょ。私のがあるから付けてあげる。それに制服も中学のなら私のあるから着てご覧」
「う、うん・・・・・・」
実は涼葉お姉ちゃんの胸もとても大きいのである。。
お陰でブラも制服もサイズが合い、ショートにはなるが、坊主じゃなく長めの髪だったからか、鏡に映る自分は制服を着ても違和感なく女の子に見えた。
「ま、待って涼葉お姉ちゃん、まさかこのスタイルで学校に?」
「そうに決まってるでしょ。学校にはお姉ちゃんから連絡しとくから何も問題無いわ!」
・・・・・・嫌々・・・・・・問題アリなんですけど。
「あのね、一葉はこの状態だけど、それを受け入れて生活していかなきゃいけないと思うの。これで学校休んでたら引きこもりのニートになるわよ」
「うううっ!? 確かにそうかもしれないけど・・・・・・」
「良い、姿は女の子なんだからきちんと女の子言葉で話しなさい。それと、案外可愛いし胸あるから、周りから優しくされると思うわよ。だから自分の思う程心配要らないから」
そう言われて渋々学校に行くと、僕の思っている以上に周りからチヤホヤされて、学校中の人気者になっていた。
そして、昨日とは打って変わって、幼馴染の皐月ちゃんに告白されることに。
「あの、一葉ちゃんなら、私付き合っても良いかも・・・・・・私と付き合って貰えますか?」
──ゴクリ! 僕は唾を飲み込む。
まさか付き合えることになるなんて! もう今の状況を受け入れ、自分が女の子だってことに感謝しそうになっていた。
「うん、ぼ、僕・・・・・・あ、えっと、私で良かったらお願いします皐月ちゃん。えへへ」
こうして、今日から僕・・・・・・じゃなくて、私は皐月ちゃんと付き合うことになりました。
「一葉おめでとう!」
家に帰り報告すると涼葉お姉ちゃんが大喜びしてくれて、今夜はお祝いねと言って、豪華な料理が並んだ。
「奮発しちゃった! 名づけてHappy御膳よ」
そう言って食卓に並んだのはサイコロステーキとマグロやエビのお刺身、それに天ぷらや、サラダ、胡麻豆腐等色々なものがちょこちょことお盆に載せられている。
「す、凄い、涼葉お姉ちゃんこれお店みたいじゃん」
「喜んで貰えて良かった。奮発したって言ったけど、色々なもの少しずつあるだけだからそんなにしてないのよ!!」
「そうなんだ!! でも充分すぎるよ。有難う涼葉お姉ちゃん」
「ふふふっ、私も何だか嬉しい! ずっと妹が欲しかったんだよねぇ。今度一緒に三人で洋服買いに行こう」
「そうだったんだ! 全然知らなかったよ。涼葉お姉ちゃんこれからも宜しくお願いします」
「うん、こちらこそよろしくね。今度そのうち生理が来るはずだから、覚悟しときなね。何時来ても大丈夫なように用意しといてあげる」
・・・・・・そうだった! 女の子には生理もあるんだね。
「はい、覚悟しておきます・・・・・・!」
でも、私には、頼りになる涼葉お姉ちゃんがいてくれて、今付き合ってる幼馴染の皐月ちゃんもいるから安心かな。
これからは女の子としての人生になるけど、このご飯のようにずーっとHappyに過ごせますように。
僕はある日可愛い女の子になり可愛い彼女が出来たので、お姉ちゃんに美味しいお祝い料理を振舞ってもらいました。 東雲三日月 @taikorin
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