第16話 文化祭準備の本格化
いよいよこの日がやってきた。
今日からは部活動も短縮され、文化祭の準備をする予定になっている。
正直僕は文化祭の準備をするなら、部活をしたほうが楽しいが、こればっかりは仕方ないので、文化祭準備を頑張ることにした。
この日の授業は少し長く感じた。
それでも授業がおわると、文化祭の役割分担決めが始まった。そこで僕は陽子さんと一緒に壁を作る係となった。
「あやちゃん、私と同じ係になれたね。一緒に頑張ろう!」
「うん。頑張ろうね」
僕が返事をすると、陽子さんと二人で武道場まで行ってみた。
「武道場ってこんなに広いんだね」
そう僕が陽子さんにつぶやくと、陽子さんが心配そうになっていた。
「私たち二人だけでこんなに大きな迷路の壁を作るなんて間に合うか心配だね」
「陽子さん、それにこんなに壁を作る予算もなさそうだよね」
「ほんとだね。だけど、プラスチックダンボールにすればなんとか足りそうだともうけど」
陽子さんにプラスチック段ボールと言われてもいくら位するか分からなかったので、陽子さんに聞いてみた。
「ところで陽子さん、プラスチック段ボールっていくらくらいするかわかる?」
「一枚200円しないと思うけど、わからないな~」
「予算はいくらくらいかわかる?」
「私はわからないけど壁で15000円くらい使えるとは思うけど」
「一回近くのホームセンターとか行ってみない?」
僕が陽子さんに聞いてみると、「あやちゃんの予定はどんな感じなの?」と聞かれたが、僕の予定は今のところ土曜日は午前中は部活で、午後は紗奈先輩と話すため埋まっていたが、日曜日は空いていたため、「日曜日なら空いているけど、どんな感じ?」と答えて陽子さんの回答を待った。
すると、陽子さんが「日曜日なら空いているよ」と答えたので、僕は安心した。
「いつ頃に行く?」
「私は午前中がいいけど、あやちゃんの好きな時間でいいよ」
「僕は一日中空いているから午前10時からにしよう」
僕がそういうと、陽子さんは「ありがとう」と言った。
「あやちゃん、時間大丈夫かな?」
武道場についている時計に目を向けると、時刻は5時半を指していた。
「終了時間過ぎているじゃん」
そう陽子さんは言って僕の手をつないで引っ張ってきた。
運がいいことに、ほかの人たちも時間を過ぎて作業などをしている人がいたので、最後にはならなかった。
今日は部活があったが時間が短かったため、あまりやった感じがしなかった。
明後日は土曜日なのでしっかり部活ができる予定だ。家に帰ってからは、陽子さんとラインで文化祭の話をした。
「移動式の壁の構造どうする?」
陽子さんに聞かれたが、僕にはどのようにしたほうがいいかわからなかったため
「分からないな~」と陽子さんにメッセージを送信した。
「私も考えるから、あやちゃんも考えてくれない?」
陽子さんからのメッセージの通り考えてみると、僕は一ついい案を思いついた。それは、壁を机で固定して可動式のところは金具で固定する構造だった。
そのことを陽子さんに伝えてみると、
「倒れるかもしれないから何か対策したほうがいいと思うよ」と言われたが、特に案は浮かばなかった。
しばらくすると、陽子さんが柱を立てる案を思いついたが、そんなに予算がないので、そんなことはできなかった。
なんだかんだ考えていると、時刻は午後9時を過ぎていた。
「こんな時間になっちゃったからまた今度考え直そう」
陽子さんの言葉で、僕は壁について考えるのをやめた。
そして、今日の疲れを取るべく今日は11時までには寝た。
そして、翌日の文化祭準備ではほかの部門を手伝った。
家に帰ると、急に紗奈先輩と会えることが楽しみになってきた。とりあえず月曜日までの宿題を終わらせ、今日も早めに寝た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます