お仕事と現実
バブみ道日丿宮組
お題:明るい話 制限時間:15分
お仕事と現実
友だちが結婚するという話を聞いた時、またかと思った。
大学の頃から付き合ってたもの、社会人で付き合い始めたもの、ひたすら出会系アプリをやってたもの。様々な友だちの結婚を式で祝ってきた。
僕はといえば、出会いという出会いすらない。
そもそも自宅で仕事をしてるのだから当たり前だ。これで出会いがあるというのならば、おそらく異世界からきたか、結婚するためにやってきた天使なのかもしれない。
デザイナーである僕は、基本的に外注。
小説のイラストを描いたり、ゲームのデザインをしたり、いろいろなものに携わってる。
それでも、作業自体は自宅だ。
会議やらで、外に行くことはあってもそれ以上の進展はない。
飲み会は行くけれど、周りのテンションが高すぎて、あわないなぁと思うのがしばしば。
とりあえず、おめでとうのメッセージを送るとともに、結婚式はいつぐらいなのかの質問を加えた。
予定らしい予定はほとんどないし、休日にやるのであれば、問題はない。
うつになりかけたので、作業を止めてベッドにダイブ。
お気に入りの大きなくまの抱き枕を抱きしめる。
僕だって、恋愛がしたい。人並みの欲望ぐらいある。
でも……僕みたいなのを好きになる人は少ない。
見た目は完全に子どもだし、それに合わせるかのように着てる服や趣味だって子どもっぽい。下着を思い切ってアダルトなものにしても、色気がなくおもちゃで遊んでるかのような違和感しかなかった。
友だちに見せたら、もっと可愛いのが似合うよと笑われた。
可愛い下着で誘惑できるのだろうか。下着だけで欲情する男は多い。急に性欲がなくなる可能性もなくはない。
散々愛撫し続けられた身体を解き放ってくれるエクスカリバーが入ってこないとなると、おかしくなりそうだ。
くまの抱き枕を押しのけて、モニターに写ってるものを見る。
描いてるのは、えっちなもの。これで興奮する男がいる。描いてるのがロリばばあだということを知らず、性欲にはげむ。
みんなそうなのかもしれない。
他人なんて関係なく、自分だけの世界に酔う。
そうであったとしても……僕も結婚がしたい。
友だちにそれとなくメッセージを送ってみようかな。交流深い彼女のことだ。周りにそんな人がいるかもしれない。
メッセージを送ると、仕事に戻ることにした。
お仕事と現実 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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