第22話
「突然現れた病の影響で、な……2、3年くらいは石像のように固まって完全な寝たきり状態となっておるのじゃ……」
寝たきりとなっている女性、アレリーナの母親について説明する。
「妾の母が一番最初の感染者であったこともあり……村にこの病が流行ったのは妾の母のせいということになったせいで、周りから強い当たりを……迫害を受けていてのぅ。そもそもうちは母子家庭。元々裕福ではなかった上でのこれじゃからな……」
アレリーナが割と悲惨な身の上話をする。
「……想像よりも遥かにどうでも良さそうに扱われて、ちょっと落ち込んでおるぞ……?妾」
「まぁ……別にいくらでもそんな話よりも悲惨な話なんて幾らであるし、作ってきているからね」
アレリーナの話は現代日本であれば、可哀想だと同情をさせるだろうけど……この程度の話であれば……この中世の世界に幾らでもある悲惨な話の足元にも及ばない。
せめて、それが原因で監禁されて村の男たちの性のはけ口にされていた……と言うのであれば悲惨な過去成り得るだろうけど。
「……ん?作ってきた?」
アレリーナは僕の言葉に引っかかり、首を傾げる。
僕は暗殺者だぞ?幾らでも人を殺すし、幾らでも悲惨な過去を作ってきたとも。
「被害者がここにも一人……」
ミリアが異様なまでに耳が良い僕にしか聞こえないほど小さな声を上げる。
……ミリアもそうだよね。まぁ……僕が作ってきた悲惨な過去の中で言えば全然マシなほうではあると思うんだけどね。
肉塊になってないし、母娘まとめて裏組織に流されてシャブ漬けにされて理性を失って腰を振るだけの性奴隷になっていないし。
あの母娘はどうなったのだろうか……?締まりとが悪くなって捨てられただろうか?……それとも酔狂な貴族にでも買われただろうか?
「なるほどね」
僕はアレリーナもミリアも無視して、アレリーナの母親の方へと近づく。
「……うん」
アレリーナの母親が罹っているのは間違いなく神の世界魔法による効果だろう。
これならばサクッと直してあげることが出来る。
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