第四章 天使と悪魔

第1話

 気球でミリアの悲鳴を聞いてから早一週間。

 僕はマルジェリアの家で学院の夏休みを過ごしていた。

 普段は家にミリアもラザリアもマルジェリアも居るのだけど、この三人は今いない。

 ミリアは実家に帰っていて、マルジェリアとラザリアはとマルジェリアの実家であるエルフの里に行っている。

 そのため、今マルジェリアの家で過ごしているのは僕と新参者であるキャサリンだけだ。


「ふわぁ」

 

 僕は朝、あくびを浮かべながら廊下を歩く。

 ……朝ごはんを作らないと


「んっ……ァア!!!ッグッ!!!」

 

 キャサリンの部屋の前を通ったその時。


「あっ……んっ……はぁ……はぁ……はぁ……」


 部屋の方からキャサリンの喘ぎ声が聞こえてきた。

 ……部屋の中にはキャサリン以外の人は居ない。

 オ◯ニーにでもしているのだろう。

 実は魔力排出症を治すあの薬にはとんでもない副作用がある。

 それは何かというと、ものすごく性欲が強くなって年がら年中発情期のようになってしまうというものだ。

 エロゲではキャサリンがほとばしる性欲を抑えられなくてサブマを夜這いする、というイベントが存在しているのだ。

 夜。

 小屋から出てきた者は誰も居なかったし、サブマは一人震えながら眠っていた。

 夜の索敵は睡眠中でもしっかりと機能しているので間違えるはずはない。たとえプライベートモードであっても気配察知だけは怠らない。


「……良し」

 

 僕は優しいのでキャサリンのオナニーの喘ぎ声を聞かなかったことにしてあげる。


「朝ごはん何にしようかな」

 

 僕は特に何もすることなくキャサリンの部屋の前から立ち去る。別にキャサリンに手を出す必要も無いだろう。

 ……というか、『はぁはぁはぁ』という息遣いまで聞こえてくるって一体キャサリンはどんな声の大きさでやっているんだ?

 防音魔法くらい使えよな。


「良し、朝ごはんは普通に食パンにしよう」



 

 あとがき

 一体誰の話を書こう。23時の分が更新されなかったら何を書くか決まらなかったと思って察してほしい。

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