第63話
僕の発動させた雷魔法。
その雷魔法による威力は主人公たちの攻撃とは格が違う。
「ギシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」
ムカデの魔物は断末魔の声を上げ、その大きな体から力が抜けていく。ムカデの魔物は命を散らしただろう。
僕による攻撃はムカデの頭を完全に押しつぶした。
「ふぅー。煙幕を焚く必要はない。すでに終わらせたからな」
煙幕を焚こうとしていた主人公の男友達に告げる。
「なっ!?ど、どこから……」
「見えなかったのか?上からに決まっているだろう?」
僕は上を指差す。
「いきなり降りるな。びっくりするだろうが……」
「まったくもってその通りである!」
さっさと降りた僕を追いかけるようにアルミス、アレリーナ、ミリアが降りてくる。
「すみません」
ミリアが一歩主人公たちの方に近づいていく。
「助けるのが遅れてしまいました。あなた方の強さを図りたかったのです」
主人公たちに向けて理性的にミリアが説明を開始する。
「……な、なるほど……」
主人公はミリアの言葉に頷いた。
「はぁ!?私たちを図ったですって!?あなたが!?」
ラザリアは僕を睨みつけ、話し始める。
「はっ」
僕はラザリアを煽るように鼻で笑う。
「〜〜〜ッ!!!」
それに対してラザリアは怒りに体を震わせ、僕を睨みつけてくる。
「さて、と。これでこの場に対する問題はないな」
「ないわけないじゃない!」
僕の言葉にラザリアは思いっきり噛み付いてくる。
「あなたが助けるのが遅れたせいでリーリエが傷ついてしまったのよ!?」
「あ?別に平気だろ?……なぁ、リーリエ」
僕は吹き飛ばされたリーリエの方を見て呟く。
リーリエはすでに自分の傷を回復魔法で治している。もう大丈夫だろう。
「は、はい!!!」
リーリエは僕の言葉に大きく頷いた。
「あぁ、そうだ。盾が壊されちゃったよね。あげるよ。新しいの」
僕が持っている盾のなかで最も弱い盾をリーリエへと上げる。
「あ、ありがと!!!」
盾を受け取ったリーリエは笑顔を見せる。
……あれ?こいつの感情、未だに僕に向けられていない?い、いや!大丈夫、なはずだ!
「ぐぬぬ……!」
ラザリアは僕をまるで親の敵を見るかのように睨みつけてくる。
「じゃあ、僕たちはもう帰るよ。そろそろ校外学習の初日は終わるだろうしね」
僕たちは主人公たちの元から離れていった。
……それにしてもあのムカデの魔物はどこから来たのだろうか?ゲームにも出てこなかったはずだが。ゲームでは主人公たちは生徒会に入ったし……。
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