第43話

「良し!これで一年生全員分の戦いが終了したな!」

 

 闘技場から生徒会室へ戻ってくると同時にその一言。

 生徒会長が持ってくるなりそう宣言する。そして、自分の生徒会長用の執務机に置かれていた巨大な紙を広げて、壁に貼り付ける。


「これが新しい生徒会の序列だ!」

 

 生徒会長の言う通り貼られていた紙には生徒会メンバーの序列がしっかりと記載されていた。

 ……こんなものいつ作っていたんだ……まぁ順位を予想していたんだろうけど。

 

 第一位   一年  『空間雷神』エルピス

 第二位   三年  『火天女王』アルハ

 第三位   三年  『風将闘士』ポルパ

 第四位   三年  『炎将総統』テイア

 第五位   二年  『人形創将』セラ

 第六位   三年  『水将法師』サダム

 第七位   三年  『土将剣士』フラン

 第八位   二年  『千影刀師』トマス

 第九位   二年  『雷細剣士』レルミン

 第十位   一年  『幻影戦士』アルミス

 第十一位  二年  『筋肉聖女』メト

 第十二位  一年  『樹海弓女』アレリーナ

 第十三位  一年  『毒援母女』ミリア

 

 序列にはバッチリと二つ名まで乗せてある。……ちゃんと僕の二つ名を神と書いているのは流石と言うべきか。戦う前から僕が第十一階位の魔法を使えると予想していたようだ。

 まぁ、僕が第十二階位まで使えることは流石に予想していなかったようだけど。

 遥かかつておとぎ話の中でだが、第十二階位まで使えたとされる過去の英雄と魔王は『神王』と言う名を関していたので、実際に僕を呼ぶのであれば『空間雷神王』というのが正しい。

 とはいえ、第十二階位の魔法などおとぎ話の世界の話。そんな魔法を僕が使えることを予測しろというのはあまりにも酷な話だろう。

 ……というかミリアの二つ名ヤバくね?毒親最終形態みたいな二つ名しているじゃん……空間雷神の名よりも恐ろしいかもしれない。


「……すでに炎魔法使い最強とも言われている生徒会長より上がいるなんて……」


「いや、あれは本気じゃ……」


「それはエルピスくんだってそうでしたでしょう」


「……神、その名に偽りはないのでしょう。生徒会長は無駄なことをしませんから」


「お、お前マジで神級使えるのか?」


「当たり前」

 

 あっさりと肯定する僕にアルミスは絶句する。信じられないものを見るような目でこっちを見てくる。

 新しい序列、というか僕について生徒会のメンバーたちは話している。

 

「これがこれからの生徒会序列である!下剋上をしたければいつでもするが良い!それが生徒会のルールの一つだ!この学院は実力至上主義。どんな組織よりも実力に厳しい!より強くなるためにこれからも互いに切磋琢磨するように!」

 

 生徒会長は大きな声でそう告げた。

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