スクラップ・ジャーニー

八神 庵里

ラジオ・イン・マグノリア

 本日は快晴。気温は二十七度を終日キープ。

 ウェザーモニターによると、降水確率はゼロパーセントです。


 日付けを数えるのなんて、とっくの昔にやめました。月によって三十だったり、三十一だったり、はたまた二十八、二十九だったりするじゃないですか。もう何が何だか、分からなくなったんです。

 っていうか、我々人間がそんなものを数えることに意味はありませんしね。


 ええ。はい、そうです。

 この国は革命戦争の前に比べると、随分と暮らしやすくなりました。すべての住民を政府のデータバンクで管理しているので、人口バランスは常に保たれています。


 生体チップで自由な生殖を規制する法は、アズハールの失策を基に制定されたんだとか。貧民が増えすぎた結果、治安が最悪になったって話です。まあ、あそこは元々階級意識の強い国でしたから、下層と上層の根深い確執もありましたしね。

 それに比べてどうでしょう! 今やこのマグノリアは、貧困や格差のない素晴らしい国で――


ブツッ、――。

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