【20】
学校から帰宅して 夕方 薄暗い時なんかは
玄関を入って 階段を登ってる途中で
あいちゃんが勉強部屋の照明を 先に つけてくれる。階段の真ん中くらいに行くと 部屋が明るくなるのだ。
部屋に入って「ただいま~」と言うと 勉強机の椅子が クルッと こちらを向く。
自分の受験する私立高校は 難関府立高校の受験生も 併願してくるから 自分も頑張らないと!自分は難関府立は受験しないけど そこ受験する子は みんな この私立も受験してくる。
結果は合格やった。
学校行ったら みんな 自分が合格してたから おおーっ あそこ合格したのか!凄い!って雰囲気だった。トップクラスの子らが併願してくる私立高やから!
へーっ そんな凄かったんやーっ 自分は中3になってから転校してきたから あまり 高校のこと それほど よく知らないで受験したんだけど。受かって良かった!
次は府立やなあ。
1日の勉強終わって 寝てる時が なぜか あいちゃんは いちばん 騒がしい。自分が寝てると カーテンが揺れだして 窓がカタカタ音をたてはじめ 机の上のエンピツが転がり出して 椅子がゆっくり回転し始める。机の上に置いてある教科書のページがパラパラとめくられて 部屋の中にピューッと風が吹く。
自分は明日また学校行くのに備えて寝なくちゃならないから ふとんをかぶって寝てしまう。今日は早めに寝ようと思って、ふとんをかぶって速攻寝てて、ふと目が覚めて時計を見ると必ず、いつも『11:11』だ。寝てる時にいちばん騒がしいから、寝る時に枕元で英語の文章を録音したやつとかを流して、それを聞きながら寝始めたら、なぜかだんだんと静かになっていったようだった。
学校の友達とかにも、部屋で あいちゃんが騒ぐことなんかは 特に誰にも言ってない。わざわざ言って説明するのも めんどくさいし とりあえず 部屋で自分と あいちゃんが共存してれば それで良い様な気がしてるから。
府立高校も合格できた。受験票の自分の受験番号が『71』やったから『ないっ』とか言ってたら、ちゃんと、あった!!合格してた!!やったあー!!
府立高校合格したら それ以来 あいちゃんは急に毎日静かになって だんだん現れないようになっていった...中学卒業する頃には 全く気配を感じないように なってしまったようだった...
高校に行き始めたら 自分の部屋の中では 特に何も 起こらなくなってた。ただ家全体には ずっと 最初に来た日から同じ様に、何か 守護霊様のような強い存在を 毎日感じながら過ごしている。自分の勉強部屋の室内ではなくて、家の中の他の部屋のほうを全体的にぐるぐると周期的に回っているような気配を感じるようになっていってるようだ。だけど、それは家全体を守ってくれてる様な感じだ。自分の部屋に現れなくなったのは、自分はもう高校も合格したわけやしあとは高校生活を送っていくわけやから、家の他の部分を巡回してくれてる様な感覚だ。
ある時 たまたま 霊感のもの凄く強い人が 家の近くを通りかかって 「こんなに強力な霊の存在する家は 今まで見たことないですっ」って わざわざ家まで言いに来たらしい...
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