【19】
部屋で毎日勉強しながらノートに えっちな絵を描いては消し また描いては消し っていうのを繰り返してた。それ用のノート1冊出来た。でも なぜか それで良いような気してる。中3やから それくらいで良いように思える。
お風呂がきれいなステンレス製やから 入ってると 自分のからだが ほんのりと写し出されて めっちゃきれいに見えるから好き。
なんやかんや 好きなとこも多い家ではある。暖炉のあるリビングのソファーも ふかふか気持ち良い。庭もいつもめっちゃきれいに手入れされてて好きだ。木には ビワとかもなっている。見事な鯉もいっぱい泳いでる。
そんな明るくて きれいな家やから 部屋に霊の存在を感じても 特に気にならないのだ。何者か って いつまでも言ってるのもわるいから あいちゃん て呼ぼうかなって思ってる。
だんだん私立高校の入試も近付いて来た。数学も追い付いたし あとは いつも通り やるだけやなあ。
中学では女子の友達いっぱい出来た。同じクラスに 家の近くの男子がいるんやけど 特に学校とかで めっちゃしゃべるような間柄ではないけど いてくれてるだけで なんとなく心強い そんな男子だ。ぶっちゃけ めっちゃカッコ良い。女子にもモテモテやなあ。
自分は女子みたいやから 女子にモテるというよりも女子と友達みたいな感じなんやけど。
卒業文集用に 何か文章を書かなくてはならず 自分は松山に住んでたから 坊っちゃんの夏目漱石の もう1つの作品 吾輩は猫である から アイデアを借りて 自分が中3から使い始めたペンケースが しゃべるかたちで 中学生活を語った文章を書いて提出した。
かわいい下着は なんとなく 集めるようにしている。自分の勉強部屋のたんすの引出しの中に集めている。思うに 自分の勉強部屋に 何か霊の存在を感じてて そのおかげで1人で部屋にいても そんなさびしくないのかなあって。部屋で何をしてても 見守ってくれてる気するから。えっちな絵を描いてても かわいい下着を集めていても。音楽聴いてても 勉強してても。あいちゃんとでも呼ぼうかな。
あと最初に買ってもらった勉強机が 棚や引出しも多くて 豪華で しっかりしてるから 勉強もしやすいし絵なんかもめっちゃ描きやすい。
夜は月の光なんかで 部屋で寝てても ほんのり明るくて ちょうど ふとんの中で1人 はだかになってても 淡い光で気持ち良いのだ。もしかしたら あいちゃんも そんな自分のそばに 一緒にいつも いてくれてるのかもしれない...ほんまに そんな気する。
道後温泉で買った 靴のかたちをしたペンたても 今 机に置いてあるし 小学生の頃から使ってた物も 近くに置いてあるから そんな 自分のまわりの物たちも あいちゃんは知ってくれているのかな とか思ったりする。
あいちゃんは女流芸術家のような気がする。ボクが、あいちゃんの弟子か、本当の弟か
何かのような感じで。毎晩、「芸術にもっと高い意識を持つようにねっ!」ってボクに対して説いてくれてるように思える。女流画家とか女流作家だったのだろうか?っていうふうに、なんだか本当に、そう思える。
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