マリンファイト・役わけ
「でさ、次の大会のことなんだけど。『マリンファイト』って知ってる?」
一星の言葉に俺たちは全員首を横に振る。
一星は苦笑いしているが、情報通の一星にかなうわけないだろ。
今まで一星よりも先に情報を知っていたメンバー、一人もいなかったぞ。
「『マリンファイト』は、そのままで今回は海がステージでメインなんだ。ガンバトル、ソードバトル、ボウバトル、総合ギルドバトルはもちろんのこと、『マリンファイト』だから遠泳と25m、個人メドレーもあるよ。どれかひとつには出場するように。総合は全員参加だよ。僕たち人数少ないからね」
ええっと、つまり役職分けすると………
ガンバトル:将生
ソードバトル:俺・航
ボウバトル:廉
総合バトル:全員
遠泳:?
25m:?
個人メドレー:?
そして?には一星、紫苑、伊織の三人が入る。
「紫苑、伊織、水泳って得意?僕は得意だけど」
「………一応できる」
できる宣言したシオンに対して、伊織は「うっ」とうめき声を上げた。
「伊織、もしかして……」
「僕、水泳ニガテ……というかキライ……」
わお。まさかの伊織、水泳絶対無理宣言。
でも勝つためには、伊織には水泳をやってもらわないと。
すると一星がニヤリと笑う。
伊織は一星のたくらみに気づいたのか、「じゃ、僕はこれで……」と逃げようとする。
そして伊織が出ようとすると……
「伊織、僕がちょう……レッスンしてあげるよ」
おい!今さらっと、一星が『調教』って言おうとしたぞ!?
伊織、かわいそうに。
伊織はバビューンっと逃げていったが、一星もそれを追いかけていった。
ドアがガンっと開く音がして、カーテンから外を覗くと追いかけっこをしている伊織と一星が目に入った。
頑張れ、伊織………!
「ははは。伊織、頑張って!」
将生は笑いながら伊織を応援してる。
「じゃあ、決まったな」
「ああ」
そして俺は決まった役を紙にメモした。
–––––––決まった役––––––
ガンバトル
ソードバトル
ボウバトル
総合バトル
遠泳
25m
個人メドレー
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