推しの推しが推しになるVtuber

推しの推しが尊すぎる!!!

　「はぁ～。押しが尊い!!!!」

　いつも通り自分の推しVtuber「星澤 咲桜」の配信を見る。

　彼女は大手事務所「ななはちじ」に所属しているVtuberだ。その事務所には登録者が100万人以上のVtuberもいる。それにも関わらず、彼女の登録者は先日20万人記念は配信をしたくらいだった。こんなに可愛いのに。

　さて、一応私のスペックを説明しましょうか。身長163cm。体重は49kg。職業は専業個人的Vtuberです、...有り体に言えばニートです。私がVtuberを始めた理由、それは...推しに会うためです!!!Vtuberになって有名になれば、推しと雑談できるし、推しとゲームができるし、推しとオフで会うこともできちゃうかもしれない。...まぁ、私はまだ収益化すら通ってないですが。

　兎にも角にも、今日は星澤 咲桜のコラボ配信だ。私も有名になるためにそこそこ配信をしなくちゃいけないが、星澤 咲桜が配信をしている時は絶対に見るようにしている。今日は別事務所の花上 実音との雑談コラボ配信のようだ。咲桜ちゃんは花上 実音のガチファンらしい。推しの推しならいい人かなぁ...。

　私はいつも通り幸せな気持ちになり、視聴を終えると思ったのだが...

「さくみおてぇてぇ!!!!名にこの子？可愛い過ぎんだろ。なんでさくらちゃんのボケにここまで対応出来てるの？なに？匂わせ？花上 実音だっけヤバイ推し変しそう。さくらちゃんも推し続けるけどヤバイ取り敢えずグッズ買おう。もう、キャラデザも可愛いし。声も可愛いし。良いキャラしてるし。はぁ...一生配信し続けてくれマジで」

　私はストゼロを飲んで酔った時みたいに止まらなくなり、理性がなくなった。こうなった私はもう止められない。

　自我が戻ったのは次の日の朝だった。嫌な予感がしてふと銀行口座を見てみたのだが、諭吉さんが50人ほどいなくなっていた。どうしよう、前咲桜ちゃんの推しになった時もこうなったんだよなぁ...。

　...とりま、もやし食うか。