竜と二人

ゆず味噌

第1部

第1話 「竜」


ここは、ハートの国、ダイヤの国、クローバーの国、スペードの国の4つで成り立っている、

トランプ王国。


とある薄暗い部屋に1人の男がいた。

その男は研究員のようで、なにやら機械を弄っていた。そして、

「よし、出来た。これが最強の竜だ!失敗したのもあるが、まぁ使えるだろう。」

と口を開く。

部屋の窓から月明かりが照らされ、部屋が明るくなる。そこには、6体の竜が眠っているガラス管があった。

そして、何かを察知したように目を開けて、ガラス管を壊した。


バリーン!!


ガラスの割れる音が響く。

「うわぁ、なんだ???」

男は窓を見る。

「あぁ!誇らしい竜よ、なぜ出ていく?」

そうやって男は6体の竜を見た。

月に照らされた竜達はとても輝いていた。


『空の上には雲。雲の上には竜。

1匹の竜が口を開いた。

「もうあんな所には閉じ込められたくない。」

そして、次々に竜が意見を言う。

「わたしも賛成だ。で、これからどうする?」

「主を見つけるしかないですよ。青竜。」

「黄竜の言う通りだな。」

「では、こうしましょう。赤竜は私、黄竜と黒竜と共に。青竜は緑竜と白竜と共に行動をする。どうですか?」

「賛成じゃな。」

「僕も賛成です。」

「よし、決まりだ。」

こうして、赤竜達はダイヤの国に向かい、青竜達はクローバーの国に向かいました。』



っていうお話はみなさんどう思いますか?

あぁ、自己紹介が遅れた。

僕はクローバーの国ホワイトストーン家の


ホワイトストーン・スミレ。


こんな想像も出来ない昔話、僕はずっと信じていた。だって、竜が主を探すお話、ちょっと面白そうじゃない?そして、信じていたからこそ起こった出来事なのかもしれない。


僕がびっくりするほどの運命、なーんて。




第2話へ続く

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