若者よ推しを推せ

NADA

推し活とは

正直、世代的に共感ゼロ

昭和生まれとしては、使わないワード

昭和で言うところの、ファンクラブ、なのか

結局のところ、同じ土俵で勝負できない、とか別世界の人、自分には高嶺の花ってこと


それを、「推し」と表現することで何とか接点を持とうとしている

好き、とさえ言えない

令和の若者は、自己主張することに気を遣う

好きなものを素直に好きと表現して、否定されることを恐れている

だから、応援しているという風に変換する

自らをオタクっぽく、一段階下げることによって

応援するのに、周りに様子を伺う


それだけ、お互いに監視されている

牽制しあっている

人のことなんか気にしなければいいのに、なんて簡単じゃない

ネットで叩かれることは、実生活に直結してしまう

令和の若者たちの生活に、どれだけデジタル社会が食い込んでいるのか実感させられる


携帯がなければ、生きていけない

コミュニケーションは携帯でとる

24時時間、365日、繋がっている

逃げ場はない

携帯を捨てることは、出家するみたいなものだ

便利はなんと不便なことか


今の時代に生まれなくてよかった、と思ってしまう

分別のない十代の頃に携帯を持ち、間違いなく使いこなすなんてとても出来そうにない


ネットスラングが生み出されるのも納得だ

独特の世界だと思う

「推し活」もそのひとつ

自分を卑下しつつも、それでも人生を楽しもうとする健気さ

若者特有の、パッション

有り余る情熱の置き所


手の届かないものに、どうしてこれほどまでに心を持っていかれるのか

体力と時間が費やせる、ということもある

逆かもしれない

もしかしたら、手が届きそうな気がすると夢を見ている


大人になるにつれ、現実と自分のバランスを知り、いろいろと諦めていく

若者は、自分を知らない

世間も知らない

将来という希望がある

だからこそ、無謀でも夢中になれる

今も昔も変わらない

少年よ大志を抱け

若者よ推しを推せ


今だけだから

今を楽しもう

振り返って、あの頃あんなに夢中だった

すごく楽しかった、最高だったと

悔いなきよう、今日を生きる

推し活は生きる活力






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若者よ推しを推せ NADA @monokaki

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