青春嫌いな柊瑞希は青春を謳歌させられる
黒姫百合
第一巻 プロローグ 青春は嫌いだ
第1話 青春は嫌いだ
青春は嫌いだ。
中学生時代や高校生時代、大学生時代を大人は青春時代と言うが半分本当であり半分嘘である。
確かにリア充は学生という『青春時代』を謳歌していることだろう。
だが、学生全員がリア充というわけではない。
クラスの隅でこっそり生きる生徒。
クラスに馴染めなくて不登校になった生徒。
学校でいじめにあっている生徒。
この現実を知っても、人は学生時代を青春と言い、羨むことができるのだろうか。
そもそも学生に青春を求めるのが余計なお世話だろう。
まるで学生はなにも考えないで人生を楽しみ、お気楽に生きていると考えているのだろうか。
学生も大人と同じように人間関係に悩み、進路に悩む。
だから学生生活、特に高校生活を全て青春と呼ぶのは止めてほしい。
そんなちんけな言葉では表せないぐらい高校生という生き物は悩み、迷い、生きているのである。
それを『青春だな~』とか『若いって良いな~』とか『青春だね』という薄っぺらい言葉で表されたくない。
もし、高校生活が青春なら、誰もみんなリア充になれるし、不登校にはならないし、イジメもない。
青春は高校生にとって一種の呪いである。
高校生=青春という等式が、特に大人たち脳内で成り立っている。
そうなると高校生活全てが青春になってしまう。
そして高校生たちは『青春』という言葉で自分の言動を正当化してしまう。
例えば若気の至りで犯罪を犯したとしても、それもまた青春となってしまう。
そんな安っぽい言葉で、自分たちの人生を表されたくない。
だから、青春は嫌いだ。
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