LIVING BY NECK HUNTING リヴィア帝国制圧戦 前編・後編
SEN
Living by neck hunting リヴィア帝国制圧戦 前編・後編
Living by neck hunting リヴィア帝国制圧戦
台本:SEN 声劇10人台本(男6・女4) 所要時間:120分
※兼役等好きに振り分けてご使用ください
説明欄や詳細文などに『作品タイトル・台本URL・作者名』の明記をお願い致します。
※各作品の著作権は放棄しておりません。無断転載や自作発言等、著作権を侵害する行為はお止め下さい。もちろん無断での改編や再配布も禁止です。
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※アドリブ等はストーリーを捻じ曲げない、雰囲気を壊さない程度であればOKです。
※【Living by neck hunting~首狩りこそ生きるということ】~の続編となっております。あらすじ等ございませんのでストーリー等はそちらをご覧ください。
キャラクター紹介
ミアナ(女・18歳)
明るく陽気で優しい最年少。親の仇リヴィア王を打つ為ネイアとカイユ3人でリヴィア帝国に乗り込む。
ネイア(女・20歳)
冷静沈着だがキレると人が狼に見え手がつけられなくなる。居合いの達人。ミアナの姉。
カイユ(男・39歳)
オカマ。元テンペスト副リーダー。【大盾】の二つ名を持つ。旧友デスタとアネミナに託された二人の娘を守るため二人に同行する。体を一瞬鋼鉄化できる。剣技は凡人並。
フラス(男・38歳)
リヴィア帝国七騎士団長の一人【義心】のフラス。正義とは何かを常に考えて行動している。彼の本気を見たものはいない。繊細でシマクの尻拭いばかりしていた。リヴィア帝国内での総指揮をまかされている。剣の腕は神域クラス。
ユクロ(男・28歳)
リヴィア帝国七騎士団長の一人【畏怖】のユクロ。無感情で女子供容赦なく残虐に裁く。物事を淡々とするタイプで感情を全く表に出さない。剣が好きでコレクションを色々持っている。
イーア(女・26歳)
リヴィア帝国七騎士団長の一人【疑心】のイーア。度が強い眼鏡をかけ暗いことをぶつぶつと言っている陰キャ。シマクが大好きでシマクの側近で全ての世話をしていた。根暗。
チダイ(男・26歳)
リヴィア帝国七将軍の一人【楽撃】のチダイ。陽気でひょうひょうとし隠密行動が得意。女好きで楽撃の騎士団は隊長以外女性で構成されている。いざ殺しとなると性格が別人と化す。
ラウト(男・28歳)
リヴィア帝国七騎士団長の一人【蜥蜴】のラウト。口が悪いが情に脆い。ウサチの兄貴分で妹のように可愛がっている。ナイフと火薬の使い手。
ウサチ(女・27歳)
リヴィア帝国七騎士団長の一人【変激】のウサチ。普段はかわいこぶっているが戦いとなるといろんな人格が出てくる。色々な武器を持っているが一番は愛用の大剣キールを使い変幻自在の攻撃。
ロウガ(男・36歳)
リヴィア帝国七騎士団長の一人【頑槍】のロウガ。槍の使い手。愛槍【アハル・イベルト】は神業武器の一つと言われている。槍で距離を取る戦い方が得意。元カイユの部下、兼弟子。
本編↓
ネイア
「ついに来たわね…リヴィア帝国…」
ミアナ
「あれが…リヴィア城…」
カイユ
「そうよ、けどあなた達…凄いわねぇ。思い立ったらすぐ行動…何度も言うけど、ほんとそっくりだわ」
ミアナ
「ん?父さんに?」
カイユ
「ふ・た・り・に、よ。無鉄砲というかなんというか…みてらんないのよね」
ネイア
「デスタを…父さんを目の前で殺され。母さんまでもがリヴィア帝国の卑怯な手口で殺されたと聞いたら…黙っていられないわ。」
カイユ
「そう、よね…そういうところもそっくりなんだけどね」
ミアナ
「早く行こう!夕方までに城下街までに着かないと」
カイユ
「えぇ…そうね。…はぁ…まったく、昔を思い出しちゃって…泣けてくるわ」
●場転 間3拍
フラス
「…なに?…それは本当か?」
イーア
「はい、先遣隊から…来た伝書鳩に…よる情報…です、これを」
フラス
「あぁ…【シマク王子死亡、並びに、特別部隊任務失敗】…なんと……だからあれほど…」
イーア
「どう…なさい…ますか」
フラス
「まずいな……国民には必ず内密にしろ。全騎士団長を至急招集してくれ、話し合う」
イーア
「わか…りました」
フラス
「愚かな…シマク王子…フッ」
●場転 間2拍
イーア
「時間…です」
フラス
「皆ごくろう、急だったのは承知だが…あとの3人はどうした」
ユクロ
「南東と北東、西南の蛮族退治ですよ。シマク王子が命令したそうです。そういうとこ抜け目ないですよねほんと。半日もしたら帰ってくると思いますよ。」
フラス
「なるほど…戻るまで時間がかかるか。まったくあの王子は…だからこうなるのだ」
チダイ
「何かあったんです?騎士団長全員呼びつけるようなことあんま無いでしょ?」
フラス
「あぁ…シマク王子が全員を出し抜いて…エフナ大陸に攻め入ったことは聞いているな?」
チダイ
「えぇ、聞いてますよ?…あ、もしかしてやっと死にました?」
フラス
「チダイ。口をつつしめ……そぅだ、連絡があった。エフナ大陸で毎年開かれている悪趣味な大会。ヘッドハンターズにて死亡が確認されたそうだ…」
イーア
「っ…うぅ…おう…じ…」
ユクロ
「あーやっぱりですか。そりゃそうでしょ。ほんと愚か。自業自得じゃないですか。で?」
フラス
「王子の死は国民を混乱させ、国が揺らぎ、傾く」
チダイ
「なるほど~?よーするに黙っておけと?」
フラス
「話が早い、が…話はそれだけではない」
ユクロ
「あーそうか、全面戦争の可能性ありますね。だいたいあのクソ王子が何したのかはわかります。そりゃぁ向こうの怒りも買う。いい迷惑だ。」
イーア
「ユクロ…やめて。シーくんのこと…悪く言わないで…」
ユクロ
「あー無理です。死んで当然でしょ。愚か者の王子は━━━」
◆抜刀SE
イーア
「イーアは…やめて…って…言ってる」
ユクロ
「あー…おい。剣抜いたからにはわかってんだろうな。」
◆抜刀SE
フラス
「まったく…お前らはほんと犬猿の仲だな」
チダイ
「お、久しぶりに見れるんかいなー?騎士団長同士の本気の斬り合い♪」
フラス
「気が済むまでやっててくれ」
チダイ
「お、えぇぞー!やれやれー!」
フラス
「チダイ、話はこれだけではない」
チダイ
「えぇ~…まだあるんかいなぁ…ってか何で俺にだけ言うん?」
フラス
「東の浜に小船が一隻着いていたそうだ…」
チダイ
「それってもしかして…」
フラス
「あぁ…何か来ているのかもしれない。あたってくれ」
チダイ
「へいへい、こん中で動けるのは気楽なわてだけでしょうからな~任してください」
フラス
「頼む」
チダイ
「で、お二人さんはまだ斬りあえへんのでっか?ずっと睨み続けてはるけど…」
フラス
「あいつらは、あーやっていつも威嚇して終わりだよ。じゃぁ、頼んだ、チダイ」
●場転 間3拍
カイユ
「何とか夕刻までには着いたわね。ここがリヴィア城の城下町【リネヴ】よ」
ネイア
「大きな街…エフナ大陸でもこんな街無い」
ミアナ
「ね!すごーい!!いろんな物が売ってるねー!あ!この服とか可愛くないー!?ねぇねぇ!」
カイユ
「ちょっとぉ!のん気に見て回る余裕なんてないのよー?」
ネイア
「服か…確かに、この服装早くなんとかしないと、さすがに違いすぎるわ」
カイユ
「んもぅ!でも…そうねぇ…あ、あそこのお店なんかよさそうよ♡」
ミアナ
「カイユもノリノリじゃーん?♪」
カイユ
「あたりまえでしょー?女子のぉ、た・し・な・み・よねぇ♡」
ネイア
「身長185cmのムキムキが、女子…とは?」
チダイ
「あ~ちょっとそこの御嬢さん方~」
ミアナ
「はーい?」
チダイ
「おもろい恰好してはりますなー?どっから来はったんですかー?」
カイユ
「(まずいわね…)ん、ゴホンっ!ミ、フィアナ~行くわよ~?あなたの分も買っておいたから~!」
ミアナ
「あ、呼んでる。お兄さんごめんねー?ナンパは他の子にしてねー!じゃねー!」
チダイ
「あっちゃーあかんかー♪んー!ほなまたな~………3人、か……怪しすぎるなぁ、おい」
●場転 間3拍
フラス
「さて…どうしたものか…戦争が起きる前になんとかしないと。」
イーア
「うぅ~…」
ユクロ
「……ふんっ」
フラス
「お前らまだやってんのか…いい加減に━━」
◆抜刀SE→剣交SE
フラス
「しろ!…まったく」
イーア
「ぁ」
ユクロ
「う…」
フラス
「よっ、はい剣没収。イーア、お前は謁見の間に。ユクロ、お前もだ。」
イーア
「…う、はい…わかりました…です」
ユクロ
「はいはい、じゃ。」
フラス
「まったく…しかし…陛下も病に倒れ、ついにはご子息シマク様までも…いよいよ、ということか……………フフッ」
●場転 間3拍
カイユ
「しかし…相手もかなりの実力者揃い…近年のリヴィア帝国の内部情報は全く掴めていない…分が悪すぎるわね」
ネイア
「カイユ、何をぶつぶつと言っている」
カイユ
「あぁ…ごめんなさいね?で?なんだったかしら?」
ネイア
「はぁ…もう一回言うぞ?私が仕入れてきた情報だ」
カイユ
「え、もぅ情報を?凄いわねアナタ」
ネイア
「だてに暗殺を仕事にしていたわけじゃない…隠密に動き色々聞きいれてきた」
ミアナ
「さすが姉さん♪」
ネイア
「う…なれないな、ソレ」
カイユ
「で?情報というのは?」
ネイア
「あぁ…リヴィア帝国は七つの騎士団で成り立っているらしい。皇帝も病に倒れ、指揮系統が少し混乱しているようだが」
カイユ
「ふむ…シマク王子の死亡に伴い…も、かしら?」
ネイア
「それもあるみたいだ、私達の大陸を乗っ取ろうと計画したシマク王子は誰の許可も取らず独断で攻め入ったらしい。ただ、死亡したのを国民はまだ、知らされていないようだ」
ミアナ
「よっぽどのバカですね、騎士団長達にまで見放されてる」
カイユ
「愚かな噂はこの大陸どころか私達の大陸にまで流れてきていたものね…難民が海を渡ってこちら側に来るのもわかるわ…けど…一国の王子を騎士団長達が追いかけなかったのは何故なのかしら。」
ネイア
「皇帝が病に倒れ、王子が死亡し、国が陥落してもおかしくないこの国だが…裏でこの国を支えていたのは七人の騎士団長」
カイユ
「なるほどね…で?肝心の皇帝の居所は?」
ネイア
「あぁ…わかったんだが…皇帝は──」
チダイ(被せて)
「リヴィア皇帝陛下がどないしたって~?」
カイユ
「な!?いつの間に…」
ミアナ
「あぁ!さっきのお兄さん!お兄さんもリヴィア陛下に用事ですかー?」
チダイ
「おー!もちろんやで~?あの方がおるからこそ、この国は成り立っとるっちゅうもんやわ~」
カイユ(小声で)
「…あのゲス皇帝が治めていたら世も末だわ」
チダイ
「あんたら…異国のモンやな?」
ネイア
「あぁ…陛下に取り急ぎお耳に入れたいことがあり、ここまで来た」
チダイ
「なるほどなるほど~」
ミアナ
「何とかして会えませんか?どうしても…どうしても会いたいんです!」
チダイ
「ん~…可愛い子にそう言われたらなぁ~どうしよっかなぁ~」
カイユ
「あたしからもオ・ネ・ガ・イ♡」
チダイ
「オカマの方は結構です」
カイユ
「ちょっとぉ」
ネイア
「…私からも、頼む」
チダイ
「よし!嬢ちゃんも可愛いし!ええやろっ!なんとか掛け合ってみたるわ!」
ミアナ
「ほんとですか!?やったぁぁ♪お兄さん好き~♡」
チダイ
「俺も好きやで~♡よ~し!ほな掛け合うさかいついて来てんか~!」
ネイア(小声で)
「…こいつ…全く気配を感じさせなかった……カイユ」
カイユ(小声で)
「わかっているわよ、どうにも胡散臭いな。警戒はしておくわ」
ネイア
「さすがね。私はいいからミアナを頼む」
カイユ
「あら、妹思いのお姉さん♡」
ネイア
「やめてくれ」
●場転 間3拍
チダイ
「ほなここで待っててや~?」
カイユ
「…あぁ」
ネイア
「あっさりと城門まで来た、な…」
カイユ
「もぅ夜になるというのに…どういう理由で、異国から来た怪しい3人を城内に入れるというのか…これはもぅ罠としか言いようがないな」
ネイア
「あのチダイとかいう男、中々の曲者ね。ミアナ、中に入っても最大現に警戒して」
ミアナ
「うん、わかった…」
ネイア
「不安、そうだな…大丈夫。いざとなったらカイユを盾にすればいい」
カイユ
「ちょいちょい…まぁいいわ、【大盾】と呼ばれてたのは間違いないし。ミアナちゃんは私から離れないで?あの時みたいに、ね?♡」
ミアナ
「うん…あ、来たよ!さっきの人」
チダイ
「お待たせ~いいって~!謁見の間まで来ぃってさ~」
ネイア
「あぁ…ありがとう」
カイユ(小声で)
「ミアナ、剣はマントで隠し、いつでも抜けるようにしておきなさい。いくわよ」
ミアナ
「わかった」
間
フラス
「ふむ…なんと、もぅチダイが…わかった。その物達がシマク王子を殺したのならば、かの有名な大会、ヘッドハンターズの手練れだ。私達で迎え打とう。客人として招き入れ待機させてくれ。ごくろう衛兵、お前達はさがれ。無駄な怪我人を出すことはない、我々騎士団長が直々に迎える。」
ユクロ
「あー普通王子を殺した張本人達が早々に敵の中枢核に飛び込んできますかね?バカじゃあるまいし」
イーア
「もし…そうだと、したなら…私…わかる…王子の匂い、覚えてる…から」
ユクロ(苦笑いしながら)
「匂い?あーお前あの王子の下僕召使い騎士団長様だったな、忘れてたよ」
イーア
「くっ!…また…そうやって…シマク様を…」
フラス
「いい加減にしろよユクロ…とりあえず確認をしなければならないな。イーア、頼むぞ。お前の鼻だけが頼りだ、そうだと確信したなら報告しろ。いいな?」
イーア
「うん…王子の匂い…かぎ分けてから…殺す」
フラス
「殺すな」
ユクロ
「あー…じゃぁその前に俺は寝首を掻っ切るか~好きにさせてもらうよー」
フラス
「おい!ユクロ!…まったく仕方のないやつだ…私はいつでも迎え打てるように待機している、安心しろよ?イーア」
イーア
「うん…ありがとう…フラス」
間
チダイ
「よっしゃーここが謁見の間や。ここでくつろいで待っといて~」
カイユ
「ありがと♡そうさせてもらうわ」
ネイア
「奇妙な柱が多い城ね…使え無さそうな鎧やら盾やら…悪趣味だし死角ばかりでいい気はしないわ」
ミアナ
「まず見た目がよくないよね!私だったらもっと可愛いデザインにするのになー」
カイユ
「殺気を感じたら各々即座に対応すること、いいわね」
ネイア
「わかっているわ、ためらわず斬るのがモットーよ」
ミアナ
「良いモットーだことで…さすが元暗殺職人♪」
ネイア
「だれが職人よだれが…ん?誰か来たわね……メイドさんかしら?」
イーア
「長旅ご苦労さまでした、ハーブティーにお茶菓子などは如何で御座いますか?」
カイユ
「ありがとう、でも結構よ」
イーア(心の声)
「こいつは…違う」
ミアナ
「私欲し~!」
イーア(心の声)
「こいつも違う」
ネイア
「ちょっとミアナ…あ、すいませんじゃぁ…まず」
イーア(心の声)
「こ、こ、こ、この、匂い…この匂い、し、シマ、ク…お、王子…の、血、血の…血のっ!血の匂い、だっ!!!」
ネイア
「あなたの衣服の中にある武器を見せてくれるかしら?」
イーア
「っ!!!?」
◆抜刀SE×2→剣交SE
イーア
「どうし、て…わかった」
ネイア
「そんな重い物をいくつも仕込ませてたらわかるわよ。にしてもやり方がスマートじゃないわね、これがリヴィアのやり方なのかしら?」
ユクロ
「そうだよ、これがリヴィア騎士団のやりかた。イーアのその表情と殺気からすると…本当に君達みたいだね。あのシマク王子を殺したのは。」
カイユ
「(どこから現れた…)なるほどね…やはりもぅバレちゃってますか。けどね?仕掛けたのはそっちからなのよ?」
イーア
「喋るな下郎…シマク王子の…血の、匂い!この女から…する!許せ、ないっ!!」
ネイア
「…へぇ…よくわかるわね。…気持ち悪い。」
ユクロ
「自己紹介しておこうか。この女はシマク王子の側近のイーア。七騎士団長の一人【疑心のイーア】側近と言ったら聞こえはいいが単なる何でも言うことを聞くただの犬だよ。シマク王子の言うことは犬のようになんでも聞いていた。」
イーア
「こんなときまで、余計な、こと、言わない…で」
ユクロ
「あーうるさいうるさい。で俺が七騎士団長の一人、ユクロだ。どうぞよろしく。」
ミアナ
「あ、礼儀正しくどうも」
ユクロ
「おやおや。そちらの御嬢さんはなんと可愛らしい。綺麗なお顔をされている…その綺麗な顔…見れなくなるぐらいまで殴り続け───」
チダイ
「それはあかんなーユクロはん。そのお嬢ちゃんはわてのやさかい」
カイユ(心の声)
「また…どこから現れた」
ユクロ
「やはり居たのかチダイ。相変わらず覗きが趣味なようだな。気持ち悪いぞ?」
チダイ
「あんさんはほんま一言おおいなぁ?おぉん?その嬢ちゃんは俺のやの!俺が好きにするから!ユクロはんとイーアはんはあっちのおっかなそうな二人頼むわ!あ、できたらそのお嬢ちゃんも生かしといてんかー!そっちの…その、ごっついのはええわ」
カイユ
「おーいー」
●間2拍
ネイア
「カイユ…こいつらかなりの手練れだ。どう殺る」
カイユ
「交渉してなんとか皇帝と会えればと思っていたんだけど…一人も話せばわかるようなやつがいないようね」
ネイア
「こちらもだが奴等もこっちの実力がわかっていない…1対1に持ち込めればかなり有利だ…しかしミアナは──」
ミアナ
「大丈夫だよお姉ちゃん、自分の身は自分で守る。ね?カイユ」
ネイア
「…強いわね…ミアナ」
ミアナ
「えへへっ」
カイユ
「…さすが、あいつの子だわ。もうお姉さん泣けちゃう…けど頑張る♡」
ネイア
「七騎士団長全て揃うまで…何とかしないとね」
カイユ
「なるべく速く倒してそっちに加勢に行くわ…ほんと何回も言うようで悪いんだけど…死なないでね、二人とも」
ミアナ
「うん、私もなんとか一人で戦ってみる。やろう、二人とも」
ネイア
「聞いてミアナ。あなたの一撃は、あのコヨウの右腕を軽く飛ばした。私はしっかり見た。あなたの居合は私より速い。だから、ここぞという時に殺りなさい。構えて。見て。飛びなさい。」
ミアナ
「うん!お姉ちゃんに教わったやつ…やってみるよ」
ネイア
「うん、良い子」
カイユ
「ヘッドハンターズの怖さ、思い知らせてあげましょう」
間
チダイ
「ほな俺は嬢ちゃんとあっちでイチャイチャしてくるから!そっちはあの怖そうな二人壊そうなー?…でや?韻踏んでおもろいやろ?」
ユクロ
「イーアはもちろんあのネイアとかいう殺気立ってる女、だな?」
イーア
「うん、王子の仇…絶対、殺す」
チダイ
「え待ってめっちゃ無視するやん。」
ユクロ
「あー、いつものお前らしいと思ってな。安心した。卑怯にも一番弱いやつを狙う。そうやって騎士団長にまでのし上がったんだもんなお前は。」
チダイ
「言うやないかーユクロはん。しかし勘違いせんといてや?本気なんか出すときはいつもギリギリや。余裕もって生きたいんよ俺は。だから俺は先鋒よりも次鋒、様子見しかせんよ?大将や副将にでもなってみろ?めちゃくちゃ強いやつと闘わなあかんやろ?」
ユクロ
「またその話か。わかったわかった…」
チダイ
「わかったんならええ!よっしゃ~ほななー楽し~やりや~!待ってんかーお嬢ちゃ~ん♪」
ユクロ
「俺は…大男か」
カイユ
「失礼ね!大男だなんて!」
ユクロ
「あー聞こえてましたか。や、どう見ても大男でしょう。」
ネイア
「男に生まれたけど、女の中の男よ…わかる?」
ユクロ
「わからない。…あぁ…大オカマって事ですか。…心底どうでもいい。」
ネイア
「カイユ、必ず勝ってよ」
カイユ
「愚問ね。ネイアも、しっかりね。あの女、武器をいたるところに隠しているわ」
ネイア
「わかっているわ。あの狼さん、服でわからないけどざっと5本はあるわね。」
カイユ
「気づいてたのね。さすがだわ。けど狼さんって…あなた」
ネイア
「さて、やりますか…私も…だいぶコレに慣れてきた…醜い狼さん狩り…始め」
カイユ
「それ…操れるようになってきたのね。さしずめウルフモード、かしら?頼もしいわ。」
ネイア
「こっちだっ!!!!来いっ!根暗狼っ!」
◆走るSE
イーア
「くっ!!…待て!!!」
●場転 間2拍
カイユ
「しっかし…ここ戦いにくいわね…この柱に、でこぼこの床。なんなの?悪趣味なの?」
ユクロ
「これは対侵入者用に作られてるんですよ。あなた達みたいな人を殺るためにね。」
カイユ
「なるほど…わざわざ説明ありがと♡」
◆抜刀SE
ユクロ
「いえいえ。冥土の土産ってやつですかね。さ、殺します。剣を抜きなさい。」
カイユ
「剣ね…はいはい」
◆抜刀SE
ユクロ
「それがそちらの大陸の刀。ナバール式、ですか。太く折れにくい良い刀だと聞いております。」
カイユ
「良く知ってるわね」
ユクロ
「剣については目がないもので。ナバール民族が開発改良を重ね仕上げた刀。首を一太刀で落とせるように刃の部分は薄いが本芯は濃厚でとてもぶ厚い。見事なものです。ふむ、その刀もいただきましょう。」
カイユ
「いいわ。もちろん私を倒せたら、だけど……そうはいかない。俺達を、1対1にしたお前達の負けだ。その首、頂戴する。」
ユクロ
「笑止」
●場転 間3拍
チダイ
「待ってんか~お嬢ちゃーん!」
ミアナ
「はーい!」
チダイ
「ここいらでええやろー?もぅここ王の間に続く大階段前やで」
ミアナ
「なるほどーここから上がるともぅ王の間なんですねー広いですねー!」
チダイ
「せやろー?さぁそろそろ城内の観光もええやろ?お嬢ちゃん、わての部下にならへんか?悪いようにはせん!ちゃんと3食出すし寝床も隊長クラスの部屋用意したる!」
ミアナ
「え~!凄い条件良いじゃないですか~!?ほんとですかー?」
チダイ
「ほんまほんま!まぁ、新人兵いう扱いで最初は入ってもらうからそれ相応の覚悟はしてもらわんとあかんけどなー」
ミアナ
「それ相応の覚悟?」
チダイ
「せや。わての騎士団は【欲】で動く。1隊長ごとに30人の女兵士をつけてる。男は女にモテるからこそ輝き強くなれると信じてるからや」
ミアナ
「ふんふん、なるほど?」
チダイ
「だからわての騎士団の隊長は日替わりで女を抱いとるいうことや。もぅ、わかるやろ?」
ミアナ
「あー!なるほどー!理解しましたー!けどー絶対に嫌でーす♪」
チダイ
「ちょ、そこを何とか頼むわー!君を助ける方法これぐらいしかあらへんねん~受けてくれんとわてが今、ここで、君を殺さなあかんねや…それはしとうないんや」
ミアナ
「あなたに負けるほど、私、弱くないんで!」
チダイ
「あ?……そうか…どうしてもあかんか?」
ミアナ
「えぇ!全力で嫌です!!ここであなたを倒してその選択肢は消します。今までそうしてきた!」
◆抜刀SE
チダイ
「そうか…残念や。君をなんとか救ってあげたかったんやけど…ここまでやわ。悪いな」
◆抜刀SE
チダイ
「しばきまわすで」
●場転 間3拍
ネイア
「さて、可愛い狂った狼さん?いらっしゃいな?」
イーア
「うぁぁあ゛あ゛!!!」
◆SE剣交→鳴続
ネイア
「はっ?そんな剣技で七騎士団名乗ってるの?本気?」
イーア
「うっさいわ゛ぁあ゛!!!」
◆SE抜刀×2→空振り×2
ネイア
「二本目きた…いや、三本目か!!」
イーア
「う゛ぅぅう゛!!」
ネイア
「両手と口で三本…そして両手両足での移動…ほんと狼ね。あなた本当に騎士団長?」
イーア
「まだ…まだだああぁあああ゛!!!」
◆SE抜刀×2
ネイア
「な、更に二本の短剣を、足の指で持つの!?」
イーア
「これがジャミ民族の戦いの姿、【伍の舞】だ…攻撃の隙など…与えな゛い゛っ!!!!」
◆SE交剣連打
ネイア
「くっ…何!?この戦い方は!うっ、反撃できる隙が、ぐっ、まったくない!」
イーア
「どうしたぁぁ…あ゛ぁ゛?王子を殺したやづがよお゛!!」
ネイア
「匂いでわかったとか言ったわね…この剣に染みついてるのかしら…シマク王子の血が」
◆SE交剣連打
イーア
「そうだよぉぉ!はっきりとわかる!!!王子の血の匂いだ!!!!お前が殺した!!!!!」
◆斬るSE
ネイア
「ぐっ!!足がっ…受けきれないっ!」
イーア
「受けきれてないねぇえええ!どんどん斬られてるねえええ!その刀も折れるのが時間の問題だああああ゛!!」
ネイア
「ぐっ…何か…突破口は───」
■回想始
ユクロ
「【疑心のイーア】側近と言ったら聞こえはいいが単なる何でも言うことを聞くただの【犬】だよ。シマク王子の言うことは犬のようになんでも聞いていた。」
■回想終了
ネイア
「──これか?」
イーア
「どうしたどうしたあああぁあ?!もう折れるぞぞおおお?その剣!!王子を殺したあぁぁその剣ん゛ん゛ん゛!!」
ネイア
「ねぇイーア…王子が言っていたわ、【最後の前髪をここに挟んだよ、イーア】」
イーア
「え…」
ネイア
「【ほら、とりにおいで?お前のシュバリエ、シマクからの最後のお願いだ】…と。ほらっ!!」
■剣投げSE→落ちるSE
イーア
「あ、うん。言う。シマク王子なら。私のために…絶対!はっはっはっ、やった!王子の匂いがついた剣だ!前髪…どこ?ついてない…ついてない!!前髪どこよ!!!!ねぇ!!?どこにまえが──」
■剣構えるSE
ネイア
「このタイミングを待ってた。さよなら、忠犬イーアちゃん」
イーア
「あ…何よその剣」
■剣居合SE
イーア
「あ、…お、う、ぢ」
ネイア
「醜い狼どうし、地獄で仲良くね」
■首落ちるSE
ネイア
「…ふぅ…形見として持ってて良かった……助かったわ、デスタ」
■納刀SE
●場転 間3拍
■剣交SE数回
ユクロ
「あー…あんた、剣の腕からっきしだね。拍子抜けだ」
カイユ
「あぁ…昔からだ、だからどこの部隊でも役立たず扱いされてきた」
ユクロ
「だろうねぇ。剣技こそ全てのこの世界だ。素手なんてもってのほか。」
カイユ
「だから俺は」
■納刀SE
ユクロ
「ん?」
カイユ
「己を鍛え極限まで極めた。決して刃を通さぬ体に。」
ユクロ
「へー…確かに凄い硬そうな筋肉だ…だが…ずっと硬いわけじゃないようだね。手合せしてわかったよ。硬くする部位の筋肉に力を入れるのが条件…かな?」
カイユ
「さすが騎士団長…正解だ。ま、お前のその細い腕となまくらな剣じゃ、傷はつけれんな」
ユクロ
「なるほど。確かに分が悪い…」
■剣落ちるSE
カイユ
「なっ…剣を捨てた?…負けを認めるのか?」
ユクロ
「…まさか」
■抜刀SE
カイユ
「フルーレ?さらに細い剣に変えた…それで刺そうというわけか?舐められたものだ」
ユクロ
「舐めてなどないですよ?この剣は俺の本気です。これを使わないといけない屈辱はそれはもぅ死を持って償ってください。非常に高価なんですよ?」
カイユ(小声で)
「何かあるのか…あの小剣に」
ユクロ
「いきますよ?…っは!」
■剣交SE
ユクロ
「あー…やっぱりだめかー…斬れない。斬れない斬れない………が?」
カイユ
「こんな細い剣で俺が斬れると──うっ…こ、これはっ…まさか…」
ユクロ
「そう、とても高価な…毒だよ。このフルーレにはたっぷりと毒が塗ってある。この鞘に漬けて染み込ませていたんだ。薄皮でいい、少しでも体内に入るとその部位は麻痺する。麻痺すれば力が入らなくなる。よって、剣が通る。こんな敵に今まで会わなかったかい?」
カイユ
「こんな姑息な戦い方をする男は初めて会った…厄介だな」
ユクロ
「良い返事だ、腹が立つよ。よっ」
■刺さるSE
カイユ
「くっ…」
ユクロ
「麻痺して剣が通り、刺せたところに更に毒が入りより範囲が広がる。今の刺さり方だと…右腕の感覚無くなったね。ご愁傷様」
カイユ
「うっ…本当に厄介だな…」
ユクロ
「あなたの相手が僕でよかった。ほかの二人だったらまぁ勝てなかっただろうね。」
カイユ
「誰が負けるって言ったよ……ただ、右腕一本の感覚がなくなった…だけだっ!!!」
■空を切る拳SE
ユクロ
「おっと…うざいねその、左腕っ。」
■剣交SE
カイユ
「しまっ…!!」
ユクロ
「お可哀想に。両腕…だめになったね?大丈夫?勝ち目ある?」
カイユ
「フ………フフッ…フフフッ…フハッハッハッハッ!!…………大有よ?♡」
ユクロ
「……ほー。是非見せて欲しいものだね。そろそろ目を狙おうと思ってたところなんだが」
カイユ
「それは困るな。よし、では見せてやろう。」
■靴脱ぐSE
ユクロ
「何だ?靴なんて脱いで…」
カイユ
「君は……手が使えない状況を考えたことはあるか?俺は何パターンも考えている。足が使えない時。視界を奪われた時。聴力を奪われた時。変わったところでは嗅覚、味覚が奪われた時のことも考えたこともある。私は、53パターンの攻撃方法を考えている。ありとあらゆる攻撃方法を…この体でしかできない、事をっ!!!」
■岩にめり込むSE
ユクロ
「な…足が床にめり込んだ…何を──っ!?」
■岩が砕けるSE→振りかぶるSE
カイユ
「ふむ、さすがリヴィア城謁見の間だ。リファイナ石か…良い石を使っている。フフッ…おかげで良い武器を手に入れた…」
ユクロ
「なんて無茶苦茶だ…足に岩石をめり込ませてその足で岩ごと振ってくるとわ…まるで即席の人間ハンマー…なんだそれ…無茶苦茶だ。」
カイユ
「それだけだと思うか?」
ユクロ
「ま、まだ何かあるというのか?」
カイユ
「あぁ…こんな敵に今まで会わなかったか?…いくぞぉっ!!!うぉぉぉおおおりゃぁぁあああああ!!!」
ユクロ
「く、岩が大きすぎるっ!なんだこの男!?クソっ!!」
カイユ
「フンッ、左右には逃げれん大きさだ。後ろに跳ぶと思ったよ!!…くらえぇぇぇっ!!!ぜぇぁあああああああ゛!!!」
■岩が砕けるSE
ユクロ
「なっ!?砕いたっ!?避けきれ…ないっ!!!!?ぐふぉぁっ!ぎひぃい!!あがはあっ!!ぶべはぁぁあっ!!!」
○間3拍
カイユ
「ふぅぅうう」
ユクロ
「ぅう、ぅあ、あ、ぐぃいぎ」
カイユ
「飛びかかる勢いと豪速で砕かれた岩はその方向に乱れ飛ぶ。」
ユクロ
「う…ぐっ…」
カイユ
「まだ息があるようだな…まぁ全身の骨は折れただろう。苦しさから解き放ってやる。………ふんぅぅぅぅ──」
ユクロ
「ゃ………いだっ!首ぃいっ!ひきちぎぎぎいい!!い゛だぃぃ゛!!!やべぺええええもげるぅうぅうう!!あぁあああ゛あ゛あ゛っ!!!」
■肉がちぎれるSE
カイユ
「ふぅ……………あ、癖で首もいじゃった。あーあ、もぅ!やーだ、うっかり♡」
●場転 間3拍
ミアナ(呟くように)
「私は弱い、だから…構えて、見て、飛ぶ。うん、大丈夫」
チダイ
「何をぶつぶつ言うてんのや?はいほないくでーハナっから、全快や!!」
■鞭がしなるSE
ミアナ
「何…その剣」
チダイ
「びっくりやろー?これがまた特殊な金属でできててなー?柔らかいけどしっかり鋼しとるんや~凄いでーこれ。フィナメタルいうてな~?南の大陸のフィナ火山でしか取れへんシロモノやー!高かったんやーめっちゃぼったくられたでーほんま………あ、痛いで?これ」
■鞭がしなるSE
ミアナ
「当たれば…痛いだろう、ねぇっ!!!」
■空振SE
チダイ
「せっかちやな~じんわりいたぶって殺したいのにな~…あ、俺ハナっから全快言うてたな。えい」
■鞭がしなるSE→剣交SE
ミアナ
「くっ!何これ…まるで動きが読めない…」
チダイ
「せやろ~…今ならまだ間に合うで~?こっち側につき~?そしたら──」
ミアナ
「結構です!!!」
チダイ
「あっそ…あー…なんか、ええかげん腹たってきたわ…小娘が、攻めたくるぞ!?あ゛ぁ?」
■鞭がしなるSE→複数
ミアナ
「来たっ!猛攻っ」
■剣交SE→複数
チダイ
「受けきれるのは千手様ぐらいやろうなっぁああああああ!!」
■剣交SE→斬るSE数回
ミアナ
「うぅ、ぐ、うう、ぅあ!…くっ」
チダイ
「もぅ許さへんからな?泣こうが喚こうが、奥歯ガタガタ震わせながら削ぎ殺しの系や~!ヒャッハッハー!!」
■鞭がしなるSE→複数→剣交
チダイ
「おいおいおいこないなもんか~?もうちょい楽しましてんかー!?」
ミアナ
「何とかして、隙を作らないとっ…ん?柱…そうか!」
チダイ
「んー!なるほどー!柱に隠れるかー!!ほー!なるほどなー!!……アホが」
■鞭がしなるSE
ミアナ
「っう!柱を伝って!?ぅあっ!!」
■斬れるSE
チダイ
「あかんあかん、君が相手してるのは鞭の剣や。あさはかやでー柱を盾に戦うのは!」
ミアナ
「はぁ…はぁ、左腕かすっただけと思ったのに、斬られてる…はぁ、くっ」
チダイ
「まだ柱の後ろに隠れるかー?芸のないやつは嫌いやなー?お゛い!」
■鞭がしなるSE→鉄に当たるSE
チダイ
「ん?なんや今の手ごたえ…」
■鉄が倒れるSE
ミアナ(呟くように)
「見て、飛ぶ」
チダイ
「…甲冑?飾りの…っ!?小娘はっ──」
ミアナ
「ぅぁぁぁああああああああ゛あ゛っ!!!!」
■血が飛び散るSE
チダイ
「ぐぁっ!!くっそったれぇぇぇ!!左腕ぇぇぇええええ゛!!!こんのクソあまぁ゛!!!!甲冑を囮にしやがったぁぁ!!許さん゛っ!!!!」」
ミアナ
「くっ…浅かった!うっ…あ…動けない……体が…」
チダイ
「なぁ゛?!おい!!」
■蹴るSE
ミアナ
「ぐぁっ」
チダイ
「おいクソガキっ!どうしてくれんねんこの腕ぇぇ!ボケがほんま腹たつぅぅ!!!」
■蹴るSE
ミアナ
「うぅ゛!!」
チダイ
「このまま死ぬまで蹴りまくったろか!?あぁ゛!?…はぁはぁ…くっそ痛いぃ…あ、拷問やな、そうしよ。拷問にするわ!まず爪からいって指いってー」
ミアナ
「うぅ…やってみろ…屈しない、そんなことじゃ」
チダイ
「はいうそー、今そう言ってるだけー。痛みに耐えきれんくて泣き叫んで許しを請うんやろうなーあー楽しみやな~───」
ネイア(耳元で怒ったように)
「あんたが──」
カイユ
「死ぬのが」
■斬るSE
チダイ
「ん?…あ゛れ゛っ?」
■落ちるSE
ミアナ
「お姉、ちゃん…カイユ…」
ネイア
「ミアナっ!!!こんなになって…よくやったわ…ほんと、よく頑張ったね」
カイユ
「ぎりぎりだったな…間に合ってよかった」
ミアナ
「う、うぅう、ふぇぇぇぇん!!怖かったぉぉお!」
ネイア
「うんうん、よしよし…頑張ったねぇ」
フラス
「…さすがです。お三方」
カイユ
「っ!?…誰だ」
フラス
「まさか七騎士団長3人を倒す程の実力とは…さすがです。あの、愚かだが抜け目のないシマク王子を殺せるわけだ」
ネイア
「そちらから売ってきた殺し合いよ、一方的にやられる気はないわ」
フラス
「もちろんです。チダイはどうかわかりませんがイーア、ユクロは元々あなた達を殺すつもりだった。…単刀直入に聞きましょう…ここに来た目的はなんだ?」
ネイア
「まずは…名を名乗ったらどうなの?騎士様、なんでしょう?」
フラス
「これは失礼いたしました。私はリヴィア帝国七騎士団長の一人【義心】のフラス。リヴィア帝国内での全ての総指揮を任されている。数々の部下の無礼、失礼した。」
カイユ
「今更すぎるな…仲間達をこんな目にあわされ、俺は両腕が麻痺しているんだが?」
フラス
「あぁ…ユクロのフルーレですか…あの毒は30分程で消えますよ。速攻性がありますが持続性がない……っと…そんなことより。もう一度聞きます。あなた達がシマク王子をほんとに殺害したのか?ここに来た目的は──」
ネイア
「私がシマク王子を殺したわ…」
フラス
「ふむ、一国の王の唯一の跡取りを殺害した、と」
ミアナ
「アイツには…お父さんを殺された」
フラス
「なんと……しかし、そのシマク王子への恨みは殺害を持って終わったのではないのか?何故この国まで、この城まで来た」
ネイア
「母を…ずっと探していた。その母をもリヴィア帝国の汚い策略によって息絶えたと…リヴィア帝国によって弄ばれ辱めを受け殺されたと!とても許せることじゃない…」
フラス
「まさか…その母親の名は──」
カイユ
「アネミナ……元オアス国王妃、アネミナよ」
フラス
「なんと…あのオアスの…ん?貴公、もしや」
カイユ
「ようやくお気付きかしら?まぁ…一度戦場で会っただけだものね…覚えてるわけない、か。…けどね…私は忘れてないわよ…あの屈辱は。」
フラス
「戦争とは勝者と敗者があってこそ、仕方のないことなのだ。…では…この御嬢さん達は…あのアネミナの子だというのか」
カイユ
「そうよ…唯一の父親も先日目の前で殺され。もぅこの子たちには何もないのよ。復讐しか、ね」
フラス
「そうか……で、リヴィア王を…仇として殺そうというのか?」
ネイア
「ええ。母の仇です」
フラス
「…君も、か?」
ミアナ
「はい。許すことはできない」
フラス
「そう…か……致し方ない……だが、俺は君達を殺しはしない。引いてもらう。」
カイユ
「ふぅ…3対1だ…悪いが容赦はしないぞ」
フラス
「どうぞ全力で」
ネイア
「舐めやがって…全力の居合、受けてみろっ!」
■構えるSE
カイユ
「ッ待て!全員で一気に──」
ネイア
「ぅぅぁぁぁああ!!!」
■剣交SE→剣飛ぶSE
フラス
「遅いな…遅すぎる、止まって見えるよ」
ネイア
「な…なに…剣が飛ばされた?」
カイユ
「抜刀が全く見えない…何をした…」
ミアナ
「うぅ…」
フラス
「本当の居合というのはね、こうするんだよ…」
ネイア
「ミアナっ!!!構えてっ!!!!」
ミアナ
「え」
■剣交SE→剣飛ぶSE
ミアナ
「剣が…」
カイユ
「お、俺の剣まで…ついでに弾きやがった…目で追えるなんてレベルじゃない」
フラス
「これで君達の武器は無くなったね。勝てないことはよくわかったと思う。大人しく帰ってくれるかな?」
カイユ
「くっ……まだ、まだだっ!!!まだ俺が本気を出して──」
■大きな扉が開くSE
カイユ
「っ!?」
フラス
「………残りの3人が……帰ってきたようだ…よく戻った。ラウト、ウサチ、ロウガ」
■扉閉SE
フラス
「3人とも・・・・・・よく戻った」
カイユ
「なっ!?・・・・・・残りの騎士団長が・・・帰って来たのか」
ラウト
「おーおー!今戻ったぜー・・・おい、それよりこりゃぁ・・・何だ?軍勢でも相手してんのかと思ったら・・・たった3人じゃねぇか・・・リヴィアの七騎士団も墜ちたもんだなぁ?えぇ?ひっははははっ!!」
ウサチ
「ここに来るまでにぃあの嫌ぁなやつらの死骸があったからビックリしたよ~焦ったよねー?ラウ兄ぃ♡」
ラウト
「だな・・・まあクソ雑魚野郎共はどうでもいいとして、だ。そこの3人・・・特に大男・・・見てわかるぜ・・・中々やるなぁ?えぇ?楽しみだっ!ひははっ!!」
ロウガ
「戻りました・・・で、加勢した方が良い感じですか?勿論しなくてもあなたなら余裕でしょうが」
フラス
「もちろんだ・・・余裕すぎて刃こぼれしていないか剣を見ていたところだ・・・俺の剣技は・・・やはり、見えないらしいな」
カイユ
「よぅロウガ・・・久しぶりだなぁ。元気してたか?」
ロウガ
「ん?………あ…ぁあっ!!?あ、あんた・・・っ!!」
ラウト
「お?お?何だ何だ?知り合いちゃんか?」
カイユ
「こんなところで騎士団長しているとはなぁ・・・どんな心境の変化だ?しかし生きててくれたか。ロウガ・・・リヴィア軍にされた屈辱・・・・・・お前は覚えているはずだ・・・ルエホジアの戦いを」
ロウガ
「・・・・・・」
フラス
「ほぅ?これはこれは・・・お知り合いでしたか」
ロウガ
「え、えぇ…俺の・・・命を救ってくれた恩人です。そしてここまで強くなれたのも・・・その男の教えがあったから・・・です」
フラス
「ほぉ・・・これはまた面白い」
○間3拍
ミアナ
「カイユ、あの人は?」
カイユ
「ロウガちゃんのこと?・・・あたしの元部下・・・というか、デスタと私の騎士団の斬り込み隊長よ。」
ネイア
「今は一国の騎士団長・・・凄いわね」
カイユ
「凄いこと、よねぇ・・・全く。誇れる部下だこと」
ミアナ
「一緒に、戦ってくれないかな?」
カイユ
「ロウガちゃんに何があったか知らないけど・・・どうだろうね。あの子はあぁ見えて、こうと決めたら…てこでも動かないわ」
ネイア
「どちらにせよ・・・この状況はまずいわ。剣も無し、オマケに前後で挟まれてる・・・策はあって?カイユ」
カイユ
「策?そんなのいつもデスタの役目よ・・・私はいつも。守り、戦うだけ。とにかく前のフラスとかいう男はあたしがやる・・・勿論加勢はするけど後ろの3人……いえ、2人ね。大丈夫?あなた達で」
ネイア
「愚問ね・・・と、いいたいところだけど・・・どうかな。これまたかなりの手練れだ、油断できない……ん?…どうしたの?ミアナ…ずっとうつむいて」
ミアナ
「お姉ちゃん・・・カイユ…」
ネイア
「何?」
ミアナ
「・・・・・・私、気づいちゃったの」
ネイア
「今は哲学を語ってる場合じゃないわ、敵をしっかり見て」
ミアナ
「もう・・・やめよう?あの人も引けば許してくれるって言った・・・・・・こんな、こんなことしても・・・憎悪しか生まれない・・・・・・父さんは、母さんは戻らない」
ネイア
「はぁ!?ちょっとミアナ・・・あんた正気なの?!目の前でデスタを殺されて・・・母さんも酷い目にあわされ死んだのよ!?アンタは憎くないの?!」
ミアナ
「もぅ・・・・・・もぅ失いたくないよぉ・・・カイユも、お姉ちゃんも・・・死んで欲しくないよぉ」
カイユ
「……ミアナ」
ネイア
「・・・・・・こんなとこで戦意喪失?…ダメな子。実質4対2だわ。いいわ・・・ミアナは私の後ろに居て」
カイユ(小さい声で)
「ミアナ・・・あなたはアネミナの生き映しね・・・・・・」
○間3拍
フラス
「話は終わりましたか?えっと・・・」
カイユ
「カイユ…よ、昔は世話になったわねぇ【無情のフラス】さん」
フラス
「・・・そんな昔の名前まで知っているとは・・・フッ。今は【義心】の────」
カイユ(被せて)
「どっちでもいいわ。………あの時の屈辱は忘れんぞ」
フラス
「あの時・・・・・・そぅ、か・・・あの時のルエホジア城に居たのだったな・・・お前は。そぅか・・・・・・ふむ、気が変わった。…昔の良からぬ噂を広められては私の計画が台無しだ。・・・・・・お前だけは、生かしては返さない。」
カイユ
「貴様の計画がどうなろうとしったこっちゃぁない…叩きのめすだけだ」
フラス
「絶望を味わって、死ね」
カイユ
「オアスに詫びて、死ね」
○場転 間3拍
ウサチ
「ちょっとあんたら話長すぎぃ~待ちくたびれちゃったぁ!やるの?やらないの?どーっちーなーのー♪」
ミアナ
「私達は─────」
ネイア(被せて)
「戦う」
ラウト
「ほぉ?素手で、か?お前の剣は……あぁ…なるほど、フラスに弾かれたのか。あいつの居合は剣を握る間も与えないからなぁ」
ネイア
「ミアナ、構えて…敵をしっかり見て。やらなきゃ、やられる。」
ミアナ
「うん…ごめんお姉ちゃん……足は引っ張らないようにするから」
ウサチ
「そーろーそろいーいかなー?!よっっとぉぉぉぉおおお!」
◆SE大剣抜刀
ラウト
「いよっ待ってました!ただでかいだけの剣みたいな鉄板っ!ひっはははっ!」
ウサチ
「ちょっとぉ?!ラウ兄ぃ?いつもキルちゃんに失礼じゃない?こう見えて立派な剣なんですからねっ!ねぇ~キールちゃーん♡」
ミアナ
「凄い…あの剣…あの子の姿が隠れるほどなんて……それを持ち上げるあの子も凄い・・・ほんとただの鉄板にしか見えない」
ネイア
「ただでかいだけじゃ意味ないわね!身の丈に合わない剣など!」
ウサチ
「ちっちっちっちー甘いな~♪戦ってもないのにそいつを知ろうなんて~あさはかやでー?あさはかやー♡」
ラウト
「出ましたいつものチダイの真似!いただきましたよぉえぇえぇ!エンジンかかってきたな~ウサよぉ!?ひっはっはっははー!」
ウサチ
「ウサのキールちゃんまで見たおなごは…あんた達が初めてよ。ま、最初で最後になるだろうけどね♡」
ラウト
「で?ロウガ、お前はどうすんだ?え?やんのか?やらんのか?あ?」
ロウガ
「3対2じゃ…卑怯極まりない。見てるよ。お前らが負けたら俺がやろう」
ラウト
「相変わらずの正義っぷり…虫唾が走るぜ」
ロウガ(小さい声で)
「この子たち…まさか……あの時の子供なのか」
○場転 間3拍
◆SE剣交
フラス
「なるほど…本当に剣を通さない体なのだな。見事だ。」
カイユ
「そりゃどうも…しかし……本気に見えないのだが気のせいか?」
フラス
「当たり前だろう。本気を出すと一瞬で勝負がついてしまう…つまらないではないか。フフッ」
カイユ
「へっ…じゃぁ…本気を出させて、やるっよぉぉぉおおお!!!」
◆SE岩砕音
フラス
「ほぉ?ユクロを粉砕したやつだな。それで…フフッ、何をするつもりかな?」
◆SE振る
カイユ
「即席の武器だよ…いくぞぉぉぉおおおりゃぁああああ!」
フラス
「なんたる戦い方。野蛮で品が無い」
カイユ
「殺し合いに品なんていらねぇんだよ!如何にして殺るか、だけだぁっ!」
フラス
「そんな大きな物に、私が当たるわけにはいかない。舐めているのかな?」
カイユ
「ヘッ、後ろに跳んだな?終わりだ…ぉぉぉぉおおおおおおおおりゃぁあああ!!」
◆SE岩砕
フラス
「なるほど…フフッ」
◆SE岩が乱れ飛ぶ
カイユ
「なっ……全て……かわしてやがる……並大抵の反射神経じゃない」
間
フラス
「ふむ…良い運動になりました。が、そろそろ飽きてきたな…少し話さないか?あの戦いについて」
カイユ
「……貴様と相見えた…あの卑怯で下劣な戦いをか?……ゲスと話すことなど、何もない」
フラス
「そうですか。折角時間を与えてあげようと思ったのに……なら、そろそろ本気でいきましょうかね…その面白い体、斬ってみせましょう」
カイユ
「面白い、返り討ちだ…デスタの分までぶん殴ってやる」
○場転 間3拍
ウサチ
「じゃ、いっくよぉー!っせぇぇぇのぉぉぉぉ!っぇぇええええええいいい!!」
◆SE投げる
ネイア
「来たっ!避けて!!ミアナ!!!」
ミアナ
「わ!剣だけ投げてきたっ!?そんな大きな物に当たるわけが────」
ラウト(被せて)
「じゃぁこれは?」
◆SE投げナイフ+刺さる
ミアナ
「ぐっ!!」
ネイア
「っ!?どこからナイフが飛んできたの!?」
◆SE大きな剣が壁に刺さる音
ウサチ
「ん~よぃっしょっとぉぉぉ!」
◆SE大剣抜刀
ウサチ
「ど~う?これ投げられた瞬間~私達の姿見えた~?…見えないよね~?見えてるわけないよね~?……見えたかどうか聞いてんだよぉぉおお!!!!あ゛ぁ゛ん!!?」
ネイア
「み、見失った…あの男の方……この場からいなくなった……」
ウサチ
「私を…無視…しないでよねぇぇえええええ゛!!!」
◆SE大剣振り
ネイア
「また来た!!ミアナ避けてっ!!!!」
ミアナ
「ぐっ…」
◆投げナイフ+刺さる
ネイア
「ぐぁっ!!」
ミアナ
「姉さんっ!!!」
ラウト
「ひっはっはははははー!!!見事なまでに当たる!!面白いほど当たるじゃないかー!!!どうした?どこから飛んできたかわかんねぇか~?そのナイフに毒でも塗られてたらお嬢ちゃん達終わってたな~?」
ネイア
「くっ……はぁ、はぁ…」
ウサチ
「あ~もう!ラウ兄ぃぃ出てきちゃだめじゃない隠れてないとー!」
ラウト
「いっやー我慢できなくてつい、な!ひっはっはははー!!しっかし…こんな奴等に負けるとはな、イーアもチダイも。やはり雑魚だったな。なれ合わなくてよかったぜ」
ウサチ
「幻滅だよねーありえないしー」
ミアナ(呟くように)
「汚い…やり方が」
ラウト
「あ?何か言ったか?」
ウサチ
「何か聞こえたよねぇ~?もう一回言ってみてぇ~?」
ミアナ
「やり方が汚いって言ってるの!!いいかげん頭にきたわ!」
ネイア
「ミアナ…」
ラウト
「…汚い?どこをどう見て言ってる」
ウサチ
「そーだそーだ!戦いってのはこういうもんよ!」
ミアナ
「騎士ってのは剣を持たない相手をいたぶって楽しいものなの?!手負いの、剣を持たない者にこれだけの攻撃…恥と思わないの!?まださっきのユクロって人やフラスってやつの方が騎士道があるわ」
ラウト
「ふむ、なるほど…剣を持ち体調が万全であれば勝てる、と……そぅ聞こえたが………ふざけるなよ?」
ウサチ
「あーほんと知能が足りない低俗のやつらはこれだから。君達何様だい?王の首を狙う賊だろ?騎士道も何もない。賊は殺すのみ、慈悲なんてないよはい論破。」
ラウト
「あ、ユクロやなそれ。ん?ウサ、お前もぅ入ってんのか?」
◆SE剣が飛んできて刺さる×2
ラウト
「っ!?」
ミアナ
「え……これは」
ロウガ
「使え、七騎士団にしか与えられない【七桜剣(シチオウケン)】だ。チダイとユクロから拝借したものだ。もっともな事を言う…リヴィア騎士団に足りていないのは騎士道だ……こんな娘達から教えられるとはな。お前達の腕を見せてみろ。」
ネイア
「……」
ラウト
「ロウガっ!!貴様っ」
ロウガ
「ハンデがありすぎたな、これくらいでちょうどいいんじゃないか?じゃぁな…二人とも、頑張って賊を倒してくれ。もっとも、お前らにこの二人が倒せるとは俺は思わないがな…頑張れよ」
ウサチ
「なっ!?…くっそ…馬鹿にしやがって……いいよ、見せてあげる…私の全力で…何かよくわからない肉の塊にしてやるっ!!!!!」
ラウト
「やるんだな…あれを……よし、俺はお前の隙を守ってやる。思いっきりやれ」
ウサチ
「クソ雑魚共が、肉ミンチにしてやる。喚き散らせ。」
間2拍
ミアナ
「何かしかけてくるよ姉さん」
ネイア
「あんたっ…急にやる気になって…どうしたの?」
ミアナ
「腹が立っただけ…こんなやり方は卑怯だと思ったから」
ネイア
「珍しいわね…そんな怒ってる姿、あまり見れないわ。フフフッ」
ミアナ
「早くあいつら何とかしないとカイユが心配だ…あんな化け物相手にして」
ネイア
「大丈夫…カイユも十分化け物よ。それよりミアナ、あなたチダイを斬った時、私が教えた通りしっかりやったの?」
ミアナ
「やったよ?しっかり【構えて、飛ぶ】って」
ネイア
「あー…やっぱり、違う。間違えてる…だから浅かったのよ……いい?しっかり見て、かまえ───」
ウサチ(被せて)
「はなっから全快やぁぁぁぁぁあああああ!!!!」
◆SE鞭が幾重にもしなり打つ
ミアナ
「これはっ!?さっきの男のっ!!くっ!姉さん!!!」
ネイア
「二人で受けきるのよ!!」
◆SE猛剣交
ウサチ
「受けきれるんわ千手さんぐらいやろうなぁぁぁあああああ!!!!」
◆SE鞭が幾重にもしなり打つ
ミアナ
「くぅ!!!」
ネイア
「うぅっ!!!」
◆SE猛剣交+時折斬られる
ミアナ
「ぐあぁっ!!」
ネイア
「くっ!」
ミアナ
「このままじゃ埒が明かない!!」
ネイア
「あの鞭の剣先見える?同時に弾くよ!!!いい!?」
ミアナ
「わかった!!!」
ネイア
「今よっ!!!!!」
◆SE剣交+剣が飛んで突き刺さる
ミアナ
「やった!」
ネイア
「まだ、みたいよ」
ウサチ
「チッ……次だ。」
◆SE抜刀×5
ウサチ
「ジャミ民族闘いの姿【伍の舞】」
○場転 間3拍
◆SE斬る
カイユ
「ぐぁっ!!」
◆SE納刀
フラス
「さ、今どんな気分です?筋肉の硬縮前、条件反射より更に前に斬られる気分は……あ、難しい言い方でしたかね……気づいた時には斬られている気分はいかがかな?」
カイユ
「ぐっ…うぅ」
フラス
「勝てないことぐらいもぅ察しているだろうに…往生際が悪いですよ。オアスの大盾さん」
カイユ
「……へへっ、嬉しいぜ、お前に会えてよ」
フラス
「……大丈夫ですか?血迷いましたか?負けるとわかっていながらまだ足掻こうとする…醜い」
カイユ
「ふぅぅぅぅうう……ふんっ!!!」
◆SE筋肉
フラス
「なっ!?……あなた・・・ほんとに人間ですか?出血を筋肉で止めるとは……御見それする」
カイユ
「ラウンド3と行こうぜ大将」
フラス
「フッ…化け物め。いくぞ」
◆SE構え
フラス
「はぁっ!!」
◆SE剣交
フラス
「な、斬れない…だと」
カイユ
「どうした?筋肉の硬縮前に斬るんじゃなかったのか?」
◆SE納刀
フラス(心の声)
「見えているのか…いや、ありえない……これを見極めた者は一人もいない……では考えられることはただ一つ……」
カイユ
「今お前が考え付いたことが正解だ。斬られるであろう箇所をずっと硬縮させている。」
フラス
「なるほど…単なる筋肉バカの発想か……だがしかし、それはいずれ限界が訪れる。その時を俺は待てばいいだけだ」
カイユ
「その限界が来る前に俺はお前を倒すだけの事だ」
フラス
「……減らず口を」
カイユ
「イラついたかい?【偽善】のフラスさんょ」
フラス
「っ!?……【義心】だ、訂正しろ。」
カイユ
「訂正?するかよ。」
フラス
「死ね。限界が来るまで急所を狙い続けてやるっ!!!」
カイユ
「やってみろ…このオアスの大盾、並大抵じゃぁねぇぞ」
○場転 間5拍
ウサチ
「おらおらおらおらぁぁあああ!!!二人で受けきれないのかあああああ!?」
◆SE激剣交
ネイア
「ぐっ!うぅぅ!」
ミアナ
「くぁ!っつぅ!」
ネイア
「これはっ!さっきの狼さんの技っ…こいつっ!」
ミアナ
「手足、更に口で剣をっ!五刀流?!ありえない!!」
ウサチ
「あり得るんだよぉぉぉお?!現にやってんでしょうがぁぁああああ!!どこ見てんだあああ!!?」
◆SE激剣交
ネイア
「くぅう!さばききれない…さっきみたいにはいかないしっ」
ミアナ
「くっ!お姉ちゃん!左右に分かれて隙を見て打とう?!」
ネイア
「えぇ!!名案だわっ!」
ウサチ
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…二手に分かれるのね、ああ、そう」
ミアナ
「これで一人に集中してかかれない…でしょ?」
ラウト(被せて)
「お前ら俺を忘れちゃいねぇか?ほいっ」
ミアナ
「っ!?」
◆SE破裂音
ミアナ
「うぁあああっ!?」
ネイア
「何っ!?ミアナっ!!!」
ラウト
「ひっはっはっはっはー!!何だと、何だと思うぅ?」
ウサチ
「っ…ちょっとラウ兄ぃ~使う時言ってよねぇ~?耳がキーンって痛くなるんだよねそれぇ!」
ラウト
「悪ぃ悪ぃ!使うな?」
ウサチ
「遅いしっ!!…もぅ~仕方ない兄だなまったくっ!」
ミアナ
「っく…うぅ……左腕が、火傷してる…」
ネイア
「音といい光といい…火薬ね?さしずめ小さな爆弾かしら」
ラウト
「おぉぉ!さすが正解に辿り着くまでが速い…やるなぁお嬢ちゃん!まぁ、わかったところで対処のしようがないと思うけど…な?ひっはっははははははー!!」
ネイア
「光と音で否が応でも反応してしまう…厄介すぎるわね」
ラウト
「一番相手にしちゃいけないコンビを相手にしてるぜ、…ウサチと組んだ時はフラスをも凌ぐ。死んだぞお前ら。」
ミアナ
「……ふふっ」
ラウト
「…あ?何笑ってやがんだお前」
ミアナ
「おかしいの、だから笑ってるのよ。あんた達のコンビがどうかしらないけどね…私達も中々凄いのよ?」
ウサチ
「ん?さっきの音で頭おかしくなった?斬られすぎて頭おかしくなった?どっち?」
ネイア
「フフッ…いーえ?おかしくなってないわ…あんた達みたいなコンビに私達が負けるはずがない。変な攻撃ばっかりで受け身になりすぎたみたいね…ミアナ」
ミアナ
「真似っ子攻撃とか爆弾とか使われたらそりゃ翻弄されちゃう…けどね?今お姉ちゃんと対角線上になれた…今」
ネイア
「ここからは」
ミアナ
「私達二人の」
◆SE納刀
ネイア
「連携を」
ミアナ
「みせてあげる」
◆SE納刀
ネイア
「姉妹の」
ミアナ
「シンクロを」
ネイア・ミアナ
「舐めないでよね」
◆SE構える
ラウト
「っ……何か来る、ヤバイ…これはヤバイっ!ウサっ!!!構えろぉっ!!!!!」
ウサチ
「っ!?ラウ兄ぃっ!?き、キールくんっ!!!!!」
◆SE構える
ネイア
「見て」
ミアナ
「見て」
ネイア
「構えて」
ミアナ
「構えて」
ネイア・ミアナ
「飛ぶ!!!!!」
◆SE高速で移動 ある程度鳴り続け
◆SE激剣交 ある程度鳴り続け
ウサチ
「なにこれなにこれなにこれなにこれぇ!!?全然姿が見えないじゃない!!!」
ラウト
「くっ……うぅぅ!!受けきるのがやっとだと…なんだこの速さと連打、二人が交互に打ってきているのか!?この距離の俺とウサの両方に交代で…ありえない!!!くそっ!!!ありったけの爆薬をぉおおお喰らわせてやるっ!!!!!ぜぇぇぇぇぇぇ!!」
ウサチ
「ちょっと!!!ラウ兄ぃぃい!?ぅわあっ!!?」
◆SE大爆発音
○場転 間3拍
◆SE地響き
カイユ
「な、なんだ?あの音…大砲の音にも似ていたが……」
フラス(心の声)
「あんなに大量の火薬を…余程追い込まれているのか、ラウト」
カイユ(小声で)
「ネイア、ミアナ…無事でいろよ……」
フラス
「さぁ…覚悟はいいですか?今から、急所を狙いつつ貴方の隙を見つけ・・・そこを狙います。休ませませんよ?」
カイユ
「ふんっ…御託はいい、かかってこい」
フラス
「では……死ね」
◆SE構える
カイユ
「デスタ…アネミナ……俺が、お前達の無念を今、ここで」
◆SE激剣交
カイユ
「くっ…うぅ!おらっ!ぐっ!!」
フラス
「無駄だ、当たらない。それよりしっかり全身守れよ?疎かになると…斬るぞ」
カイユ
「へっ!!貴様こそ、なぁ!!!ぐぐぅううおおおおおおおおおおぉぉおおお!!」
◆SE岩が砕ける
フラス
「これはまた野蛮な…柱を武器にしますか」
カイユ
「おぉぉおおりゃぁああああ!!!」
◆SE岩が砕ける
フラス
「そんな見え見えの攻撃があたるわけが───」
カイユ(被せて)
「っつぉぉおおおおおおりゃあああ!!!!!」
◆SE岩が砕ける
◆SE岩が飛び散る
フラス
「っ!…なるほど、二段構えか。頭が良い」
カイユ(被せて)
「三段構えだぁぁあああああああ!!!」
フラス
「っ!?」
◆SE空振る
◆SE刺さる
カイユ
「ぐぅぁぁああああああああ゛あ゛あ゛!!!!!!!」
フラス
「フッ…攻撃の時こそが最大の好機。このタイミングを待っていた……眼球は流石に硬くはないだろ?」
◆SE抜きとる
◆SE血しぶき
カイユ
「ぐっぐぅぅううう!!くっ…はぁ、はぁ、はぁ、はぁっ」
フラス
「フフッ…どうした?片目がやられただけだ……まだやるだろう?私は一発も受けていないが?ん?戦意喪失かな?ん?」
カイユ
「はぁ…っくはぁ…はぁ…はぁ…くっ」
フラス
「ただ図体がデカいだけ…速さの前にはただもがくだけ…さぁ左目の視力は奪った。お次は…フッ…その右目だ」
カイユ
「へ、へへっ…ふっはっははははー!!」
フラス
「ついに気がおかしくなったか…可哀想に────」
カイユ(被せて)
「四段構えだ」
◆SE落石
フラス
「何っ!?っぐわぁあああああああああああああ゛あ゛!!!」
カイユ
「はぁ、はぁ、それが、柱を壊した理由だ…二発目の岩砕きも天井を狙っていたんだよ……っぅ・・・左眼はくれてやるが、はぁ、はぁ・・・命をもらう…生き埋めになれ」
◆SE落石
間3拍
カイユ
「っく…痛ぅ…こりゃ左目が完全にやられたな……くそっ…しかし、ようやく仇が討てたんだ…よしとしようか。デスタ、アネミナ…仇は取れ───」
◆SE刺さる
カイユ
「ぐぁっ!!?」
フラス
「誰が?何の為の?いつの?仇なんですか?教えてくれるか」
カイユ
「ぐっ!?…うぅう!い、生きてやがったのかっ!」
フラス
「少し反応が遅れ当たりましたよ…まさか四段構えとは……少し腹がたったよ」
◆SE剣を体から抜く
カイユ
「ぐぅっ!…うぅ…」
フラス
「さて…休ませませんよ?左眼、右腹部…良いところに刺せた……そろそろ反応が遅くなるんじゃないですか?」
◆SE納刀
カイユ
「は、こんなもんじゃ俺は倒せねぇよ…ふぅうう」
フラス
「また血を止めますか…本当に怪物ですね…剣以外で苦戦したのは貴様が初めてですよ。覚えておきますよ、大盾のカイユ」
カイユ
「そりゃ…どうも」
フラス
「では、いきますよ?」
◆SE剣交
カイユ
「くっ…う、はぁっ!っく…(やはり左の視界を奪われたのはデカすぎるな、しっかり死角から狙ってきやがる)っく!!?しまっ───」
フラス
「バランスを崩したな?その右眼もいただくぞおっ!!」
◆SE槍が刺さる
◆SE鞘が壊れる
フラス
「ぐぁぁあ゛あ゛っ!?……ぐっ!?これは…アハルイベルトの槍……ロウガ貴様、どういうつもりだっ!!?」
ロウガ
「フラスっ!!!師匠は殺させないっ!!」
カイユ(嬉しそうに)
「ロウガっ!!!」
○場転 間5拍
ウサチ
「っ…つぅ……ラウ兄ぃ、全部使ったのかなぁ…痛てて…キールくんがなかったら色々直撃してた…助かったよ!ありがとうキールくんっ♡」
ラウト(ここから弱々しく)
「ょぉお…生きてたか、ウサ・・・」
ウサチ
「ラウ兄ぃぃ!ラウ兄いこそ無事だったんだね!よかった!!」
ラウト
「ひっははっ…あたり前よぉ…と、言いたい…ところだが…しくじった」
ウサチ
「左足…左腕……無い……ラウ兄ぃが爆薬で失敗するなんて」
ラウト
「違う……斬られた。爆薬を投げ込む時に俺は見た…あいつら二人同時のタイミングで斬りかかってきやがった……爆薬に物怖じもせず突っ込んできやがった」
ウサチ
「とりあえず止血をっ!だめだよ!?こんなとこで死んじゃぁ!!」
ラウト
「止血ぐらいじゃだめだな……血は流れ出る。ウサ、すまない…これを傷口につけてくれ…それぞれ3個ずつぐらいでいい…だろぅ」
ウサチ
「これって…火薬だよね……なに…するの」
ラウト
「傷口を焼き切る……血は、止まる…早くしろ」
ウサチ
「う……うんっ!!!」
◆SE砂が流れる
ウサチ
「できたよラウ兄…」
ラウト
「あぁ…ありがと……最後に石を俺の口の中に入れてくれ……お前は少し下がってろ…」
◆SE火をつける
◆SE小爆発
ラウト
「んぅう゛う゛う゛ううううううぅぅぅうう!!!!!!」
ウサチ(顔をそむける)
「ひっ…」
ラウト
「っ……はぁはぁ…ぐぅぅっ!」
◆SE火をつける
◆SE小爆発
ラウト
「んんんぅう゛う゛うううううううううううううううう!!!!!!………っは…はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
ウサチ
「ね、ラウ兄ぃ終わった?」
ラウト
「はぁ…はぁ…あぁ、終わった、焼き切った…すまないな怖い思いさせて。こっちを向いてくれウサ」
ウサチ
「うん!…………あ……あぁ…」
ラウト
「ん?どうした?早く抱きしめさせてく────」
◆SE斬る
ラウト
「れ」
◆SEドサっと落ちる
ネイア
「手と足を斬ったのに生きていたのね、でもサヨナラ?」
ウサチ
「ひ……ラウ兄…ラウにぃい!ラウ兄ぃぃぃいいいいいいいい!!!!」
ネイア
「ん、大丈夫…すぐ逢えるよ?すぐ逢わせてあげるから。」
ウサチ
「ひっ…ひぃや…いや!こないでっ!!こないでぇぇぇぇええ!殺さないでぇええっ!!」
ネイア
「コロサナイデ?新しい言語かしら?……じゃぁね可愛らしい兎さん」
ウサチ
「ぃゃぁっ!!いやあぁあああああああああ!!!」
◆SE剣交
◆SE剣擦
ネイア
「ちょっと、何で邪魔するの?」
ミアナ
「だめ、だめだよお姉ちゃん…もぅ戦う気力も無くした相手を殺すなんて、だめ。ほら、行って。良い子だから」
ウサチ
「ぅん…ありがと…」
◆SE走り去る
ネイア
「ミアナ、あなたいつからそんなに甘くなったの?いつか痛い目見るわよ…殺しておけばよかったと感じる時が何回も訪れることになる。自分以外の信頼のできるもの以外は消しておくに限るのよ…」
ミアナ
「人はすぐに裏切るのも知ってる…けど…それもひっくるめて人間なんじゃないかな…信頼から生まれ分かり合える事もあるんじゃないかな・・・その弱い部分も全て受け入れて私は私で居たい。そう思う。」
ネイア
「甘すぎるわね…人の闇を知らなさすぎる。……まぁ…経験しないとわからないことが世の中には山ほどあるわ…いえ、ほとんどがそう。聞くだけじゃわからない。全て自分の目で見て、自分の耳で聞いて、肌で感じてわかること。私がとやかく言う必要はないわね……好きに生きなさい。」
ミアナ
「うん…私は私のやり方で生きていく。後悔してもその後悔を糧に前に進むよ」
ネイア
「わかった……さ、カイユの元へ行こう、心配だ」
ミアナ
「うんっ」
○場転 間5拍
フラス
「くっ……裏切る、というのか…こんな死にかけの大男のため…ルエホジアの失態で消え、お前を置いて逃げたチキン野郎の味方をするというのか!?」
ロウガ
「この時のためにオレはここに居る…師匠っ!俺は今でも…ストーム騎士団斬り込み隊長ロウガだっ!!ルエホジアでの恨み、姫様の仇!共に今ここで!!」
カイユ
「……へっ…さすがというか、相変わらず1度決めたらてこでも動かねぇやつだ!よく耐えたな。嬉しいぞ」
ロウガ
「実力主義のリヴィア帝国ですから…俺が騎士団長になり二人を待つ。そして挟撃する。デスタ隊長なら、この作戦で来ると思ってましたから」
カイユ
「デスタは逝っちまったが・・・間違いないな。心強いよ、ロウガ…ありがとな」
ロウガ
「そう、ですか・・・デスタ隊長が・・・あ、いえ…礼はまだ早いですよ師匠。やつを仕留めてからです。深手も追わせれたし鞘も壊せた、やつの抜刀も少しは遅くなるでしょう。」
カイユ
「遅くなる?何故だ?」
ロウガ
「あいつの抜刀は、剣に少し細工があったんですよ」
カイユ
「細工?」
ロウガ
「えぇ…あの鞘。実は剣を握ると中から剣を押し出してくる仕掛けなんです。押し出す力と引き抜く力…イコール速さというわけです。まぁそれでも実力はあります…やつの本気は私も見たことがない」
カイユ
「なるほど…しかしこれで、気づいたら斬られているということはなくなりそうだな」
フラス
「くぅ……特注の鞘を……貴様ら…よくも……俺の芸術作品を壊してくれたな……皆殺しだぁぁぁぁああああ!!!」
ロウガ
「来ますっ!!」
カイユ
「あぁ!お前と再び共に戦えること、本当に嬉しいぞっ!!」
ロウガ
「俺もですっ!師匠!…ぃえ…カイユ副隊長!!」
カイユ
「へへっ…………ん?どうしたんだあいつ……構えもしやがらねぇ」
ロウガ
「何でしょう……激高した後急に棒立ちに。あんなフラスはみたことがない……」
フラス
「……もぅだめだ…許せない、許しがたい。出し惜しみは無しだ……俺の長年の計画をここで終わらせるわけには、いかない。」
◆SE噛む音
カイユ
「何か食いやがった」
ロウガ
「あ、あれは……ラニアガスの種…」
カイユ
「ん?なんの種だって?」
ロウガ
「ラニアガスの種…世界樹の根、火竜の心臓、百年花…滅多に手に入らない物ばかり調合してできていますが世界法によって使用禁止とされた秘薬です。爆発的な力を得れると聞きます…調合した者も不明、効果は未知数です」
カイユ
「そんなシロモノ…まずいな……」
ロウガ
「大丈夫です!俺と師匠なら…死線を幾度も越えてきた!!」
カイユ
「ロウガ…強くなったなぁっ!!!嬉しいぞぉっ!!!!」
ロウガ(嬉々として)
「あの連携でいきましょう、昔みたいに!!」
カイユ
「例のやつか、久しぶりだなぁ!いいぜぇ!!」
フラス
「うぐっ…ぐぐぐぐっ…ぐぁあああああああああ゛!!」
ロウガ
「副作用か、今のうちに!師匠!!」
カイユ
「いくぜぇぇぇえええええええええ!!!」
ロウガ
「愛槍アハルイベルトの使い手として恥じぬよう、お前を倒す!!【頑槍】のロウガ改め、ストーム騎士団斬り込み隊隊長ロウガがぁっ!先陣を斬る!!!貫け、アハルイベルトっ!!!!!」
◆SE突く
◆SE刺さる
フラス
「ぐぅあああっ!!!!」
カイユ
「オアスの名の元に、俺がこの最強の盾で貴様を倒すっ!!!ストーム騎士団副隊長カイユがっ!!!蹴りっ上げっ!!!!」
◆SE蹴る
ロウガ
「そして俺がぁぁあ心の臓を、刺すっ!!!!!死ねっ!!!フラス!!!!」
◆SE突く
フラス
「遅い、弱い、熱い…邪魔だなその槍」
◆SE掴む
ロウガ
「なにっぃ!?掴まれたっ?!!」
カイユ
「ロウガぁっ!!!槍を離し一旦退けぇ!!!」
ロウガ
「しかし師匠!!!この槍は──」
フラス(遮って)
「固執。無用だそんな感情。」
◆SE刺さる
ロウガ
「っ!?うぐっぅぅぁああ!!!!!」
カイユ
「ロウガぁぁぁあああ!!!!」
ロウガ
「師匠…最後に会えて、よかった…ほんと……すいま────」
◆SE斬る
◆SE落ちる
カイユ
「ロウガァァァァァアアアアアアアア!!!!!」
フラス
「剣で撫でただけなのに首が飛んだな……熱い、体が燃えるようだ、しかし、傷はふさがり、力がみなぎる……これは凄い…今ならこの世界最強を名乗れる。間違いなく…」
カイユ
「……ロウガまでもが・・・先に逝きやがった…くそっ……何も守れやしない…何が大盾だ…何が……」
フラス
「この力があれがこんなケチな国はどうでもいい…大陸の支配なんてどうでもいい…世界だ、俺は世界を目指せる男だ…いいぞ…いいぞぉぉぉおおおお!!!ふははっふはっはっはっはっはっはっ!!はははははははははははっ!!!!!!!」
カイユ
「……こいつだけは、命に替えてもここで倒す…ロウガ…デスタ…アネミナ…見ててくれ、俺はもぅ何も守らない。盾は、捨てる」
フラス
「ほぅ…今のこのオレを見て尚も倒そうとするか。何も効かぬぞ?いくら斬ろうがすぐ傷も癒える」
カイユ
「関係ない…」
フラス
「ラニアガスの種は神になれる力をくれた…1粒でこの効果だ……世界にある全てを呑めば…ふふふっふははははは!!私より強くなれるっ!!!!」
カイユ
「神なんざクソくらえだ……」
ネイア
「カイユっ!!!!その眼、やられたのか?!」
カイユ
「…ネイア、ミアナ」
ミアナ
「カイユっ!ロウガさんは!?」
カイユ
「死んだよ…俺はまた何も守れなかった」
ミアナ
「そぅ…なんだ。でも、最後に会えて、良かったね……ロウガさん、安らかにお眠りください」
カイユ
「っ!?………アネ、ミナ?」
ネイア
「何をぼさっと突っ立っている?カイユ、やつを倒すぞ」
カイユ
「なっ!?……デス、タ?……二人共・・・ふふっ・・・まさかアイツらに見えちまうとは・・・・・・そぅか・・・ありがとう…まだ、あったな、守るべき者が。」
ミアナ
「それにしてもあれがさっきのフラスとかいう人?別人みたい…」
カイユ
「説明している暇はない…俺が何としてもやつの動きを止める…数秒しか止めれないだろうがその時がチャンスだ…必ず首を落とせ。いいな、二人共。」
ネイア
「あぁ、必ず」
ミアナ
「やってみせるよ」
フラス
「お三方共…別れの挨拶は終わったかな?死の世界での合流のお話はすんだかな?フッ」
カイユ
「あぁ…本当の死を覚悟して挑む戦いはこれが初めてだ……いくぞ、ぅぅぅぅううううううううううううおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
フラス
「この神の力をその体で倒そうと?あくまでもそういう考えか?愚かな…死ね」
◆SE剣刺さる
フラス
「っな!?……剣が、通らないだと?!首だぞ、何故だ……っぐうぅうう!くそっ離せぇぇっぇええ!!!」
カイユ
「首に来るだろうと思っていた。絶対に離すわけにはいかない。生命力全てかけている。俺の全身の筋がブチブチと切れていっているのが解るよ」
フラス
「動きを止めたところでお前達にはどうもできん!私の勝ちは揺るがない!!ぐうううううううううううううううおおおおおおおおおおおおおおぉぉおおおお!!!」
カイユ
「くそおっ!!!何って力だっ!ネイアぁ!!!ミアナぁ!!!!斬れえええ!!!こいつの首を落とせぇぇぇぇ!!!!」
フラス
「ふっははははは!!どんどん力が弱くなっていくなぁあああ!!?このぉっ!!!このおおおお!!!離せぇぇぇぇえええええええ!!!!」
◆SE刺す なり続ける
カイユ
「ぐっ!ううぅううっ!!ぐぐっぐぐっ!!!決してぇえ!!!離さないぃっ!!!こちとら命をかけた作だぁ!!!はなすものかぁぁああああ!!!ネイアぁぁあぁあああ!!!ミアナぁああああ!!!やれぇぇぇえええええええ!!!!」
ミアナ
「うっ…こんな…カイユ……」
ネイア
「臆すな。やるよ、ミアナ。カイユが命を張っている。やらないと…カイユの命は無駄になってしまう。」
ミアナ
「……うん、やる。合わせようお姉ちゃん」
フラス
「ぐっ!うぅぅううう!!!や、やめろぉ!!!ぐっ!はっなっせぇええええ!!」
カイユ
「ぐはっ!!ぐぐぐぐうううう…じぬ、まで…離ざん゛っ」
ネイア
「構えて」
SE構える
ミアナ
「見て」
フラス
「はっはなせぇぇぇぇぇぇぇえええええ!!!!やめろぉぉぉおおおおおおお!!」
カイユ(心の声)
「デスタ、ロウガ、アネミナ…今からいく……また、馬鹿、しよう、な」
ネイア・ミアナ
「翔べぇぇええええ!!!!」
フラス
「う、うぅぅぅあああああああああああ゛あ゛あ゛!!!」
◆SE居合
◆SE斬る
◆SE落ちる
ネイア
「斬った」
ミアナ
「終わっ…た」
ネイア
「カイユっ!!!」
ミアナ
「カイユ!しっかりして…カイユぅっ!!!」
カイユ
「二人共…よくやったわね……さすが…あいつの…子供達だ……俺は…さすがに・・・もぅ…ここまでだ……」
ネイア
「もぅ喋るな…カイユ…」
カイユ
「二人とも…ほんと……大きく、なった…な…私、は…ははおや…に…なれた…かしら…で、すた……い、ま…いく…ぞ」
ミアナ
「カイユ…カイユぅうう…カイユゥゥゥゥウウウウウウウ!!!」
ネイア
「うっ…うぅぅ…カイユぅ……こんな・・・こんな世界……許されない……」
ミアナ
「お姉ちゃん…?」
ネイア
「ミアナ、リヴィア王の元へいくよ…最後の仕上げだ」
ミアナ
「うん……カイユ、ここで待っててね・・・」
○間5拍
ネイア
「ここね」
◆SE扉開く
ミアナ
「こ、これは…」
ネイア
「死後3か月ってところかしら…風化が進みミイラ化している……王は死んでいた…ってことになるわね」
ミアナ
「あのフラスっていう人がもぅ殺していたのかもしれないね…王様を…そして王子をも殺させリヴィア帝国を乗っ取ろうとしていた」
ネイア
「間違いないわね……さて…殺した七騎士団長の首を晒すわよ」
ミアナ
「え、ヘッドハンターズの大会でもないのになんでそんなことするの?」
ネイア
「この国を変えるのよ…リヴィア帝国は終わった……新しい国に、新しい大陸になるのよこの国は!私達が変えていくの!私達のやり方で」
ミアナ
「うん…幸せな国にしよう…争いが全く無い大陸に。あ、じゃぁ…お父さんとお母さんの名前つけよう!?」
ネイア
「うん!いいかもね!」
○間5拍
ミアナ
「敵総大将、および七隊長の首をここに掲げる!!!」
ネイア
「これよりこの国は生まれかわるっ!!!この大陸の名はデスタアネミナ!!」
完
LIVING BY NECK HUNTING リヴィア帝国制圧戦 前編・後編 SEN @sensensenkou
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