最強国家が異世界へ

山田

第1話 プロローグ

2049年人類は新たな進化の段階に入った!!


今までコントローラーを手に持ち画面の中だけで行われていたさまざまなゲームが、直接的な神経接続でさらなる臨場感を生み、爆発的な人気を博した。


しかし、当然問題も多くあった


電脳接続されたまま、意識が戻ってこないなどの問題が度々起きていた


だが俺は気にしない


起こってから考えろの精神で今もこうして遊んでいる


「もうすぐで人口5億突破かぁ」


ゲーム内のウィンドウを右手のコンソールを操作しながら自分の作った国のステータスを見ていた


今やっているこのゲームはスウェーデンかノルウェーあたりが開発した国づくりストラテジーゲーム“Erytheia Online”(エリュテイア・オンライン)だ


このゲームははっきり言うと単なる国作りゲームだが、その内容の濃さは他のゲームの比ではない。


内容としてはシングルプレイとマルチプレイがあり、友達とも遊べる仕様になっている


国家体制、政治、軍事、司法、裁判から商店、警察、消防、ごみ収集などといった、それいらないだろと思うシステムも現実と同じように実装されている


農業や工業、街の景観なども全て自分で管理しなくてはならない仕組みであり、国づくりゲームが好きな人なら誰でもやりたがる2057年ストラテジー部門ベストアワード賞を受賞した作品だ


そしてまだまだ面白い要素がある


それは人間という種以外も選べる点だ


四大種と呼ばれるバフが多く存在する種族である人間、エルフ、竜人、アンデッド。


この4つから国家を成長させればさらに種族の分岐が増え、扱える種類も増えていく。


大体全てで30種類はいるらしい


(ちなみに俺は普通の人種族を選んだ)


俺は人種族の中であるレベルアップの分岐で魔術特化と機械化工学特化を選び、現実に近い文明でありながら魔術を使えるようにした。それは強すぎるだろと思う人もいると思うが人種族と魔術の組み合わせは実はあまり強くない。


人間の場合扱える魔術のレベルの上限は最大80lvくらいで、エルフや竜人などの上限は150lvにまで上がる。


だが全プレイヤーがこれだけは取っておけという魔術で「浮遊魔術lv1」があり、あらゆるものに装備可能なこの魔術はEO内で必須スキルになっている


ゆえに魔術は取得していて損はないのだ


一般的にマルチでの戦闘やプレイヤー同士の貿易などが面白い心理戦を生み、好評だったが


オンラインゲームにはよくある猛者達が蔓延っており、初心者狩りが横行したりしているため、ほとんどの人はシングルプレイで遊ぶようになった


シングルプレイでも他国が侵攻してきたりするギミックがあるがオンラインのプレイヤーに比べれば大したことなく、初めてでも戦いやすくなっている


そんなゲームのマルチプレイを2年くらいやってやっと人口が5億人を突破したところだ


「あーそういや南の方はこの時期防寒対策が必須になってくるんだったな、早めに寒さ対策はしておくか」


俺の国は現実世界とは真逆で南方が寒く、北方が暖かい立地となっている


ここで俺の国”ゼグラーン連邦”について軽く説明しよう!


国土面積は約3000k㎡ほどで連邦の中には9つの共和国が存在する。


ソフィア共和国、ガーベラ共和国、カスミ共和国、アルストロメリア共和国、ウルイ共和国、ミズナ共和国、アスター共和国、アベリア共和国、リリー共和国である


首都はソフィア共和国内にあるソフィアで、ここだけで1200万人のNPCが生活している


国家の中には連邦のほかに、民主共和国、帝国、王国、合衆国、人民共和国などがあり、それぞれの国でメリットデメリットが違ってくる。


連邦内は北が鉱山及び工業地帯、南が穀倉地帯、西が重要軍事施設と首都があり、東は最大交易路の港が展開している


この配置になったのは、最初に与えられる領土の位置によるものが大きい


新しい世界でこのゲームを遊ぶとき、完全にランダムな位置から国土が生成され、近隣諸国も同じように作られる


その状態からいかにして領土を広げ、人口を増やしていくかがこのゲームの面白さだ


ちなみに今のゼグラーン連邦はEO内日本サーバーマルチプレイ国家ランキングで9位という順位にいる、自分でもちょっとした自慢だ


サーバー運がよかったというのも連邦が発展できた要因だと俺は思っている


日本サーバーは全部で109個くらいあり第1サーバや第2サーバは本当にこのゲームが上手い連中が四六時中戦っているような場所だ


このゲーム内の時間は止まることがないので国家の管理者がログアウトすると無防備になるんじゃないのか?と思った人もいるだろう


さすがにそれは不公平なのでシーズン3辺りから国家のパッシブモードが追加された


これはその国家の管理者やNPC以外のプレイヤーが完全に不在な時起動されるもので、パッシブ中は一切の干渉を与えられないという仕組みだ


だがこれをなくすために上手いことルーティンを組んで四六時中回している人たちもいる


これがこのゲーム“Erytheia Online”(エリュテイア・オンライン)だ


そんなマルチで一つのイベントが告知なしでいきなり始まったのを見て俺は驚いた


”#jykvhd$VJD('JK?”というバグのような表示にちょっとビビったがゲームの使用だと勝手に思い込んだ


「変わったイベント名だな」


連邦のすぐ近くに出現した”それ”は間違いなくイベントの表示をしていた


中身の状況を見てもすべてが文字化けしていてなにもわからない


これは時間がたてば治る系かな?と自分に言い聞かせたが、変な好奇心もあった


実際こうしたプレイヤーを試すようなイベントは今までいくつもあったが、全てが文字化け表示など見たこともなった


そのちょっとした好奇心がこの後の俺のすべてを変える結果になるとは、1ミリも思わなかった
































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