喜怒哀楽?

 喜・怒・哀・楽。 

 

 人間の感情は高々この四つしかないごく単純なものだ……なんてことはもちろんない。


 例えば、ある映画で流れていたメロディが、ふと気づくと頭の中を流れていることがある。その時の感情は、その「メロディ」でしか表しようがないのかもしれない。


 散歩中、不意にスキップしたくなる時がある。特段楽しいわけではないのに、なぜか「スキップしたい」のだ。


 人間の感情は複雑怪奇である。そんなことは大人なら誰でも知っているはずだ。けれど、喜怒哀楽という言葉に包んだ途端、何だかとっても簡単に片づけられるものに勘違いしそうになる。


 『喜怒哀楽Q』とでも書けば、勘違いも少しは減るだろうか? 僕はもう少し大人になれるだろうか?

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