第6話 『きらきらと、消えて行く』


 まだ、お目覚めですか?


 まくらさんに、顎をのせて、大バッハの『マタイ受難曲』を掛けていますが、これは、メンゲンベルクさまの、まさに、伝説の演奏。


 ちょっと、カットした場所もあるようですが、十分です。


  『すすり泣きが聞こえる』


 というような、フレーズもつわかれました。


 1939年4月2日のライブ録音です。


 これ、どう、きくべきでしょうか。


 奇抜な演奏で知られた大家ですが、ここでは、ひらすら、音楽にぼっとうしているように聞こえます。


 なにか、見えないものが、きらきらと立ち上るような。


 あ、それは、やましんの周囲かもしれないな?


 やま、うみ、かわ、たき、キャンブファイアー、おきにいりのおもちゃ。


 やましんのまわりを、きらきらと、立ち上って行きます。


 あ、待って、行かないでください。


 みな、いなくなって行く。


 やましんを、まだ、きらきらにしないでください。


 メンゲンベルク先生〰️〰️〰️。ちょっと、あおりすぎですよ。


 でも、先生、すごく、真面目に、真実に立ち合ってる。


 もはや、歩く道がない。🚶


 ああ、やすらぎを。


 怖くない夢を。


 やましんには、行き場がないです。


 ここしか。


 叫ぶ場所がない。


 ここしかない。


 決して満たされない、世の流れ。


 くまさんたち、だけが、全てを引き受けてくれるだろうか。


 


 

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