メッセージ地獄

とげペンギン

そこは天国への階段か、地獄の入り口か

ひと月ほど前早々と咲いた桜が散り始めた頃、新しいプリーツスカートに身を包んだ少女は、鏡の前で赤いリップを塗った。


(念願の高校デビュー、去年までの芋い私はもういないんだ。新しい世界では絶対にキラキラ輝くの)


週7で塾に通い、県外でも名の知れた進学校に合格することができた。

校則は緩く、厳しい親もSNSを許してくれた。


(同じ学校に通う人を探して、入学前から友達を作っておく。こうしないと入学早々孤立してしまうから。フォロワーは多ければ多いほどいい。エモい写真とか投稿して、お洒落な子だっていうイメージも作っとかなきゃ。)


何も知らない幼い少女は春の日差しに目が眩み、太陽に向かって真っすぐに飛んでいった。















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