〜七神の守り人〜

真堂 赤城

始まりをつなぐもの

第1話

 昔々大昔、数百年なんてレベルじゃない、太古の昔だ。


 そうだなぁ、一回目の人と魔族の戦争が起こるよりも前の話。


 今じゃ5回も起こしてる、なのにそれよりも前なんだぜ?


 こんなレアな話を聞けるなんて、お前らは幸福だよなぁ。


 じぁ、始まり始まり。




……………………………………………………………………


「嵐だー、帆を下ろせー!!」




 急な出来事だった。


 夜、俺は寝ていたんだ、夜番の”嵐だ“という叫び声で目が覚めた。


 またか、と感じただけで驚きはなかった。


 いつも通り帆を下ろし、あとは転覆しないよう操縦士に祈りながら船から投げ出されないよう物に掴まっていた。




「皆、しっかり掴まってろ」




 操縦士がいつになく真剣で、よくあることなのに今回は、強い不安に襲われた。




 船は常に大きく揺れた。


 俺は何度も仲間が振り落とされていないか確認しながら自分も落ちることが無いよう強く、強く柱を掴む。




 操縦士の焦った表情が見え、これはヤバいと感じた。


 俺はしっかり安全を確認しながら、しかし最大限急いで、操縦士の元に行く。




「そんなにヤバイのか」


「はい、頭、クッ、もうほとんど操縦も効かずいつ転覆するかわかりません」


「そうか…どうする」




 その時だった、とても硬いものに強くぶつかったんだ。


 周りは海しかなく、ぶつかるものなんて何もなかったはずだった。


 少なくとも、俺達には何も見えていなかったんだ。




 何かにぶつかった衝撃で船は今までよりも大きく揺れ、俺は、いや俺達は全員気を失った。




………………………………


……………………


…………





 結果から言えば、俺達は幸いにも誰も船から投げ出されることなく無事だった。




 だが船はボロボロで、今浮いていられるのも不思議なくらいだった。


 もしかしたら風魔術が使える船員がいなければもう沈んでいたかもしれない。


 俺達はいつ沈むかもわからない船に乗っておくのは不安だった。


 だから、どこか近くに陸がないか必死に探した。


 「おい島だ、皆島を見つけたぞ」




 島を見つけたのは甲板の上で周りを見渡していた船員だった。




 やっとの思いで見つけたのは小さな島だ。


 それでも何か物資があるのではと期待し、俺達は島に船を着けた。


 そして全員で上陸したんだ。


 これが大きな失敗だった。




……………………………………


 もし、過去に戻れるのなら俺はいつ沈むかもわからない船で別の島を探しただろう。


 船が沈む可能性より、あの島で死ぬ可能性のほうが高いから。


………………………………………




「皆聞いてくれ、ここにはまだ見たことのない種族がいるかもしれないし危険なモンスターがいるかもしれない」


「だからあまり騒がず、何かを見つけたら直ぐ俺に報告してくれ」




 俺がこう忠告すると皆「了解です、頭」と大きな声で返事をした。


 この船に乗っている船員はあまり頭が良くない、だが皆良いやつで俺の命令を良く聞いてくれる。


 バカだから失敗することも多いがな。




 よく知らない土地であることもあって全員で固まって動くことにした。


 探索のスピードが落ちることよりも各個撃破されることを恐れたからだ。


 今考えるとこれも、間違いだったのかもしれない。




「頭、あっちに誰かいますぜ」


 島を見つけた船員の中で最も目が良いやつがまた、何かを見つけた。


「俺が代表して話す、全員一旦黙っていてくれ」




「了解」


 今回の返事もまた、大声だった。




 うん、やっぱりアイツらバカだ。




「おいおい、久しぶりの侵入者か?」


「お前らここがどこだがわかってて入ったんだろうなぁ?」




 とても柄の悪そうな男だった。


 同じ人族で言葉も通じているため、仲間たちは喜んでいるが、俺は少し不安だった。


「すまない、嵐によって船がボロボロになってしまだったんだ」


「そのため船を修理するために物資を分けてもらえないか?」


「ただでとは言わないこちらには食料ごたんまりとある交換しないか?」




 相手の男は苛ついた様子で話す。


「そんなことより、ここがどこだかわかってんのかって言ってんだ」


 俺は怒らせてしまってはならないと慌てて返答する。




「すまない、全くわからないんだ」


「はぁ…これだから最近の奴らは」


「ここはセーブル島、島の主はミゲル・アンヘリ様だしっかり覚えとけやたこすけ共が」


 俺が知らないと答えた途端、急に雰囲気が変わった。


 先程より少し優しそうな雰囲気になったんだ。




「お前らはここがどこだか知らなかったんだよな?」


「あ、ああその通りだ」


「そうかそうか、なら悪いことは言わねぇ今すぐこの島を去れ」


「し、しかし船を直す物資が無ければ」


「ああ、うるせえ、うるせえすぐに立ち去れ」


「しかし船が壊れて…」




 俺はまた大きな間違いを起こしたんだ、この人数差だったし、俺自身も腕に覚えがあったため相手が暴れ始めても大丈夫だと思い、引かなかった。




「しっつこいなぁ」


 また、雰囲気が大きく変わった。


「もう良いや、全員死ね」


 そいつがそう発言した途端だった。


 俺以外の仲間の気配が消えた。


 振り返ると誰も居なかった。


 俺は恐怖で動けなくなった。


「お前の選択のせいで仲間が死んだ、あの世でしっかり謝っとけよ」




 俺の視界は真っ暗になった。




「はぁ、またかっとなってやっちまった、ミゲル様に怒られるな」




……………………………………………………………………


 次からは俺の弟分の話になる。


 まだまだ稚拙な作りだがこれから進化していくからどうか暖かく見守っててくれ。


 物語を紡ぐ側は楽しくていいよなぁ、俺みたいに前フリをする側になると色々縛られちまう。


 話の全てを知ってるから。


 なぁ兄貴、俺の物語も早く紡がせてくれよ。




 え、これまだ言っちゃ駄目なの?


 ああ、じゃここからは俺の弟分にやってもらうから。


 どうぞよろしく。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

最近高校受験で忙しくて何も更新できませんでした。

もう安心できるはずなので本格的に更新をします。

ストックが尽きるまでは毎日更新します。

皆さんは最近体調とか大丈夫ですか?

私はまた病気が悪化してきておりテンションダダ下がりです。

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