消しゴム
学校の帰り道
叫び出しそうなのをこらえて
ひとりで 坂を下っていた
喫茶店の前には店員さんが
花冷えに震えながら 客寄せ
話しかけたいのを抑えて 駅へ 駅へ
駅前で消しゴムをもらった時には
私はもう学生ではないと気付いていた
遠い 遠い 春の夢
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