第974話 クイズを出す男 4
(前回からの続き)
オレに言わせれば、リスニングこそ「難題中の難題」だ。
試しに英語資格試験のリスニング問題を解いてみよう。
まず単語と単語がひっつくリエゾンを克服し個々の単語を識別しなくてはならない。
そして弾丸のような言葉の速さにも慣れる必要がある。
知らない単語が出てきたときには当然のことながら引っ掛かってしまう。
そうこうしているうちに細かな不明部分がどんどん蓄積される。
最後には何の話やらさっぱり分からなくなるという情けなさ。
こんな調子でリスニング試験が10分も続くと疲労困憊だ。
とはいえ、この困難を乗り越えなくては未来がない。
そこで、「クイズ勉強法」ですよ。
まずはオンラインで出来る各種リスニングテストを試してみた。
でも、ちょうどいい難易度のものに出会わない。
易しすぎる場合、聴いている方がイライラしてくる。
一方、難しすぎるものについては、聴き取れないというよりも耐久力が続かない、といった方が正しい。
たとえ正解できなくても「やられた!」「勉強になった!」という感じがしないのだ。
なんというか、「これじゃない感」が強すぎるわけ。
次にやってみたのが「YouTube勉強法」なるもの。
結論から言うと、こちらの方が遥かに良い。
オレのやり方はこうだ。
まずはYouTube動画を選ぶ。
具体的には検索ボックスに「interview」などと入れる。
インタビューは人間同士の生の会話なので、喋り方がちょうどいい具合に崩れている。
次に「フィルタ」ボタンを押し、「検索フィルタ」の中から「アップロード日」「時間」をそれぞれ「今月」「4分未満」などと指定する。
そうすると、適度に新しく、ほどほどの長さの動画がリストアップされる。
この中から自分が興味あるテーマを選択すると良い。
今の時期だと米大統領選、メジャーリーグベースボールのワールドシリーズ、格闘技、バスケットボールなどのインタビュー映像が多い。
チラッと聴いてみると「うーん、よく分からんぞ。これが聴き取れたらいいのになあ」という、自分にとってちょうどいい難易度の動画が見つかった。
何度も聴いた後に「文字起こしを表示」ボタンを使えば「ああ、こう言ってたのか」というのが分かるので答え合わせだ。
以前に比べてYouTubeの文字起こしはかなり正確になっており、正解として信頼してもいいんじゃないかと思う。
動画選びさえうまくいけば、あとは場数だ。
音を聴き取れなかったのか、単語が分からなかったのか、両方か。
この作業を地道に続けるべきだろう。
たとえ1分の動画でも音を確認したり、知らなかった単語を調べたりしたら、1本につき30分くらいはかかるだろう。
平日に1本、休日に3本くらい出来ればいい方かもしれない。
それにしても英語はオレにとっての永遠の課題だ、嗚呼。
(「クイズを出す男」シリーズ 完)
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