最終話 勇者はロッカーの中に

 軽トラは街に入り、ビルの合間を縫うように走行している。


「公園だ! おっさんが最初に現代こっちに転移して戻ってきた時の公園!」


 銀一郎は目的地を轟喜に告げた。


「なんと!? あの公園……銀一郎くん、どういう意図かな?」

「あそこにあるんだよ! 双間の、白詞晶の保管庫が!」

「ほ、ほおおおうわああああっ!!」


 三日櫛が突如奇声を上げた。銀一郎はこの男を荷台から放り出したくなる気分に駆られた。


「異世界……転移の条件とはァッ……白詞晶及び白具が側にある事…………そして、転移先の地点には大量の白詞が存在しているという説がある…………! どうして気づかなかったんだ! 駿くんがこの世界に戻ってきた時に現れた場所こそ、まさしく白詞晶の宝庫がある証拠ではないか!!」


「兄さんの……それって確か、『みのわ公園』の森の事でしょ? あそこに、何かを保管する施設なんてないはずじゃ……」

「いいから行け! 保管庫には三日櫛みたいなバァァァカの対策用に防衛機能が幾つかあるんだ。それを使う!」


 双間の保管庫でドラゴンと対峙し、アヴリーバウを取り戻す。

 一か八かの、一世一代の賭けだった。


「だったら……丁度良い、もうすぐの距離だ。公園の中を突っ走って、森へ向かう。それで良いんだね!?」


 轟喜が目的地を白詞を通じて軽トラに命じる。軽トラが交差点をドリフトじみた動きで曲がり、ミュークもその後に続いた。邪竜は翼でビルの壁面を削りながらカーブし、銀一郎たちを追う。

 そんなミュークの様を見て、羽賀山が不安を口にした。

 

「あ、あのドラゴン、ほ、炎とか吐いたりするんスかね……?」

「ふむぅ……まとめた話から推理するに、彼は駿くんとの戦いの直後に、魔王の遺体と共にこの世界にやって来た。満身創痍だったはずだ。ドラゴンは体内の白詞によって、生命活動を維持している幻想生物という説がある。白詞の殆どないこの世界では、まともに傷を癒やせなかったはずだ」

「じゃあ、今のアイツは……」


 銀一郎の言葉に、三日櫛がうなずく。改めてミュークを観察すると、翡翠のような色合いの体躯にはひび割れのような傷がいくつもあり、翼はところどころに穴が空いていた。


「文字通りの『必死』と言えるだろう。ああしている間にも、肉体は傷つき、崩れ初めている。己の命を燃やしてでも、彼女は勇者の、そして人間への報復を果たすつもりだ」

「捨て身……ってワケか。だったら、何をして来るかわからない」


 その時、荷台から身を乗り出して前方を見ていた轟喜が叫んだ。


「見えた! 公園だ!」


 来た――と、銀一郎が胸を昂ぶらせた、その刹那だった。

 ガキン、と鋭い金属音のようなものが頭上から聞こえ、軽トラに影がさした。

 四人は、空を見上げ――


「あ」


 給水塔だった。

 給水塔が、軽トラめがけて降りかかってきてきていた。ミュークが翼で、どこかのビルの屋上のそれを弾き飛ばしたのだろう。


「う…………オオオオオオオッ!! みんな掴まれェェッ!!」


 轟喜が吠え、命令を受けた軽トラがハンドルを切る。

 タイヤが地面を擦る甲高い音が鳴り、車体がすんでの所で給水塔の落下を回避する。

 しかし、無理な操作で制動が効かなくなり、軽トラがスピンしだした。

 

「いやぁぁぁぁぁ吐く吐く吐く!!」


 荷台にしがみついた羽賀山が悲鳴を上げた。

 やがて、幸い横転する事はなくスピンは止まる。銀一郎は一行の無事をすぐ確認するが、すぐに声を上げた。


「まずい! 来てる!!」

 

 軽トラの前方からミュークが滑空し、大口を開けてこちらに迫ってきていた。翼が風を切る轟々とした音が、大きくなっていく。


「クソッ! 避けきれない!」

「あぎゃああああイヤあぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 半狂乱になった羽賀山が、メジャーを車体の屋根に乗っかったしめ縄つきの岩に押しつけた。


「ん!? え、君、ちょっと待って」

「どっがいげぇぇぇぇぇぇぇ!!」


 轟喜の制止を無視して、羽賀山は目盛りを発射した。岩が押し出され、肉薄するドラゴンに一直線に飛んで行く。

 要石はミュークの口内にクリーンヒットし、砕け散る。


「あーーーーーーーオレのーーーーーー!!!」


 轟喜が悲痛な声を上げた。と、同時に極限状態の羽賀山はついに白目を剥いて倒れ込む。

 

「グッ――――ガアァァァァァ!!」


 内側の柔らかい部分にダメージを受けたミュークは怯み、真横のビルに身をぶつけ、めり込んだ。

 その隙をつき、軽トラは動き出し、公園へと向かっていった。


「あーオレのご神体ちゃん……」

「あの岩って、もしかしてアンタの白具だった?」

「いや、あれは関係ない……オレの趣味…………」

「どういう趣味?! 紛らわしい!」


 とりあえず、窮地を切り抜けたパーティーは、ついに公園へと突入した。そのすぐ後を、体勢を立て直したミュークが追う。

 先ほどの反撃で怒りを増したドラゴンは、さらに幾度も吠え猛り、大きく羽ばたいた。

 

「ついた! あそこだあそこ!」


 銀一郎が進行方向を指さす。そこには鬱蒼とした木々が広がっていた。もともと、この公園は森切り開いて作られた施設であり、銀一郎が目指す一帯は、伐採されずに残された箇所であった。


「けど、保管人くん! 流石に森の中へは車は入れないよ、どうする!?」

「クッ……!」


 銀一郎は歯を食いしばった。車から降りれば、必然ミュークに追いつかれるだろう。


「そこは私の出番だね」


 三日櫛が飛翔するドラゴンを見上げ、涼しげに言った。


「私に任せたまえ。車を止めたら……銀一郎くん。全速力で保管庫にまで向かうんだ!」


 ろくでもない編纂人の、相変わらずの自信満々の有り様が、今回ばかりは頼もしく銀一郎には見えた。


「三日櫛さん!」


 轟喜が合図すると同時に、急ブレーキの衝撃が荷台を揺さぶった。

 三日櫛は撃たれた痛みを誤魔化すように口の端を歪ませ、笑い、そして高らかに言った。


「私からのラブコールだ、麗しき幻想よ!!」


 三日櫛は燕尾服の内側に両手を忍ばせ、中から大量の写真を取り出し、それを上空に向けて全て投げ出した。


「ガッ――――」


 写真が一枚、ミュークの手前でまばゆい閃光を放ち、次に爆音と共に炎を撒き散らし、破裂した。

 その他の写真も連鎖するように爆発し、ミュークを業火に包み込む。


「三日櫛さんすっげ……!」

「そぉぉぉら行くぞ! さぁ走れ、走るのだよォォ!!」


 銀一郎は六面城を背負い、轟喜は気絶した羽賀山をおぶって森の中へと駆けていった。

 




「LOVEとは爆破であり、爆破とはLOVE!!」


 三日櫛が興奮しながら、爆弾の写真を森の上空を飛ぶドラゴンに向けて投げつけ、逃げていた。三日櫛の先で走る銀一郎は、その様子を横目で見ながら複雑な気持ちになる。


「あれ、たぶん俺とおっさん対策に用意してたやつだよな……!?」

「ま、まぁ、今はそういうの言いっこなしで!」


 すぐ後ろの轟喜がなだめてくる。確かに、今はあんなものでも十分ありがたいのは本音であった。


「でも、保管人くん! 君の、その白詞晶の保管庫っていうのは一体、いつ着くんだ!?」

「もうちょっと、もうちょっとだから――」

「銀一郎くーーーーん!! 愛が、無くなってしまったよーーーー!!」


 三日櫛が爆弾写真の枯渇をキザに報告してきた。

 とうとう、ミュークを突き放す手段が尽きた。

 障害がゼロになった翼竜は、一気に銀一郎たちを追い越し、ついにその目前へと、土煙を上げながら降り立った。


「小賢しい愚物どもめ……! さぁ、捉えたぞ。一人残らず、生き地獄を味わらせてくれよう…………!!」


 地響きのような声が、三人の身体を突き抜けた。

 

「クッ――」

「保管庫は!? 銀一郎くん!」

「ここだ、いま立ってるここ! でも、操作キーがあいつの足下に――!」


 ドラゴンが、その巨躯を揺らし、鬱陶しそうに木々をなぎ倒しながら、地鳴りと共にゆっくりと近づいてくる。


「こ、ここまで来たのに……終わりなのか!?」


 轟喜の絶望に、銀一郎は返す言葉を持てなかった。何の策もなくミュークの足下にまで行っても、あっけなく踏み潰されて終わりだろう。傷ついているとはいえ、爆弾を耐える強靱さも併せ持っている。

 いくら思案を巡らせても、決め手を編み出す事ができない。

 心の中で、諦観が生まれつつあった。

 もう、このままでは――


「銀……一郎…………」

「おっさん――!」


 六面城の中の駿の声は、先ほどよりもさらに小さくなっていた。もう、いよいよ限界が近いのだろう。


「後は……僕が、やる…………」

「やるって……やるっつったって、どうするつもりだよ!」

「いいか、アヴリー、バウは……奴の、尻尾の先に……ある。感じる……んだ」

「尻尾!?」

「六面城を…………、思いっきり、投げろ……! 奴の尻尾に向けて……!!」


 銀一郎の身が強張った。もし、これが失敗すれば、守る術を失った銀一郎は、いや、間違いなくここにいる全員が死ぬ。


「こんな……事を、言っても、今更かもしれない……でも」

「いいよ」

「あ……」

「じいちゃんみたいな人がさ、いるんだって思うとワクワクしたんだ!」


 銀一郎は六面城の上部を掴んで腕を捻り、六面城を再びらせん状の細身にした。六面城が変形しても、閉じた内部に影響はない。それが六面城の特性だ。

 銀一郎が六面城の中間を掴み、投げ槍のように構え――――

 

「行けぇ!!」


 放たれた六面城は、弧を描き、翼竜の頭上を越え、尻尾へと向かっていった。


「何の、つもりだァァァァ!!」


 六面城の変形が戻り、元のロッカー状になる。

 扉が、開いた。

 駿の身体が、六面城から宙へと傾き、尻尾の先で巻き付けられたアヴリーバウに向かって、真っ逆さまに自由落下していく。


「まさか聖剣を!? ヌゥゥゥさせるかァァァ!!」


 ミュークが尻尾をしならせ、振るう。

 極大の鞭が、駿を捉え、強かに打った。


「ああっ――!!」


 銀一郎が悲痛な声を上げる。駿の身体は弾き飛ばされ、地面に叩きつけられ、転がり、動かなくなった。


「う、ウソだろ……兄さんっ!」

「これは……かなりまずいね……!」


 最悪の結果に、流石の三日櫛にも動揺の色が見えた。

 恩讐の竜が、高らかに笑う。


「あっけないものよ! ちっぽけな命、下らん執念!! どう足掻こうが、竜の威厳に到底値せぬ!!」


 全てが暗闇に満ちる。

 誰もが、そう思った時だった。



「トカゲの、威厳が、何だって?」



 それは、暗闇を裂くような鋭い声だった。


「そういえば……ドラゴンって尻尾はまた生えてくるのか?」


 瞬間、ミュークの尾の先が切れ落ち、重い音を立てて落ちた。


「なにィィィィイイイッ!!」


 自分の身に起こった事が理解できず、ミュークは混乱する。


「ま、まさか――――――」


 自分が弾き飛ばした者をもう一度見やる。

 

 そして、あるはずのない、その姿を見て、

 ミュークは戦慄し、

 銀一郎は、歓喜を叫んだ。


「勇者アァァァァァッ!!」


 立っているのも不可能なはずの勇者が、そこに佇んでいた。


「な、なぜっ…………!」


 その疑問は、駿の身体を見て氷解する。

 星操剣アヴリーバウ。

 その柄が、主の胸元に、ミュークが空けた傷口から埋め込まれるように、沈んでいっていた。


「兄さん……ど、どういう事なんだ……!」

「あれは……そんな…………」


 三日櫛が信じられないという風に首を振り、続けて言った。


「あれは水と炎を操る剣の柄……ならば、液体である血を操れるのも道理…………あの剣を! !!?」


 空になった胸部に沈みきったアヴリーバウは、血流を正常に戻し、出血を止め、傷口を凝固した血で塞いだ。


「星操剣……水の属性を増幅。増幅に伴い、火の属性をメモリーから上書きする…………」


 駿は呟きながら、アヴリーバウの機能を書き換える。心臓と一体になる以上、完全に血流を操る性能に特化させる事にした。


「さて…………」


 駿はまず首をコキコキと鳴らす。

 そして、両の手のひらに血を寄せ集め、凝縮し始めた。

 それはやがて、剣の形を成し、二本の血剣となる。


「ミューク……お前をあの時、ラグラムと共に殺さなかったのは、僕の不徳だ。今度こそ、奴の元に送ってやる」

「その傲慢!! 破砕してくれるゥゥゥ!!!」


 翼竜は吠え、鋭い爪を大鉈のように上から振るう。

 駿はそれをかいくぐり、腕に血剣を斬りつけるも、それはミュークの腕を僅かに傷つける程度だった。


「ハハハハハアァァァッ!! 無駄よ無駄! 多少、芸が変わったとて、所詮は折れた剣! 我が体躯には通らぬ!」

「ッ……!」


 ミュークの言葉は真理であった。生半可な剣では、ドラゴンの体表を覆う鱗を斬る事は叶わない。血剣ならば、それ相応の血液が必要だった。しかし、それは自らの身を犠牲にする、諸刃の剣でもある。

 対し、翼竜の一撃は重く、一発でも当たれば致命傷になり得る。さっきの尻尾の攻撃は血剣で受け斬り返したお陰で助かったが、予断を許さない状況に変わりはなかった。

 銀一郎含め、轟喜や三日櫛も既に攻撃手段を失っている。後の一人は話にすらならない。

 残る手札は、双間の一族が保つ保管庫と――


「銀一郎!!」

「え、何!!」

「また借りるぞ!」


 駿が、ミュークを挟んだ先に落ちている六面城に向かって疾駆した。

 迫る尻尾を潜り、爪の隙間をすり抜け、六面城を手にする。


「兄さん!」


 轟喜が叫ぶ。駿は振り下ろされる尻尾の一撃を、六面城を盾にする事で受けた。


「貴様ァ……そんな巫山戯た代物でどうになるとでも思うたか!」

「馬鹿言うな……! 剣は持った、あと足りないのは、一つだ――銀一郎ッ!!」


 持ち上げた六面城を、強く握りしめる。

 駿には触れた白詞を強化する力があった。現世、異世界、共に比類なき極上の力である。


「あっ……!」


 銀一郎は、六面城を通じて駿の力を感じ取った。そして、その意図も理解する。

 その顔は、徐々に悪戯を思いついた悪童のように笑みになっていき――


「そうだよな、武器があるなら、次はッ!!」


 駿は尻尾を受け流し、ミュークから距離を取る。

 そして、六面城を上へと放り投げた。


!!」


 開け!!


 銀一郎が念じると、中空の六面城は、扉と、上下部、そして側面ごと、図形の展開図のように一斉に開いた。

 それは、駿の元に舞い落ちると、身体を包み込むように閉じていく。

 白銀の繭となった六面城は、次第に人の形を成していき、その全貌を露わにする。


「ま…………さか…………」


 ミュークは、自分の内から恐怖が湧き上がっていくのを感じていた。



 駿が纏っているそれは、まさしく、白銀に輝く鎧だった。



「六面城の特性を強化して、鎧に変化させた……。これで装備はそろったぞ、ミューク」

「グ……グォォォォッッ!!」


 怒りにまかせた腕を、翼竜は振るった。

 駿はそれをいともたやすく、片手の手甲で防ぐ。今度は、微動だにすらしなかった。

 爪を弾き、白銀の騎士は黒赤の剣を手にその腕を達人の如き速さで幾度も斬りつける。


「ガァァァゥゥッ!!」


 連続の攻撃でさしもの翼竜も痛みで怯み、ついに後ろに下がった。

 開けた道を確信し、瞬時に銀一郎が駆け出す。


「オラァァァァァァァッ!!」


 スライディングで滑りながら、保管庫の起動キーであるそれを手に取った。

 茎から二つに分かれた、六葉のシロツメクサ。俗に言う「クローバー」と呼ばれる植物である。

 銀一郎が、起動キーを掲げる。代々受け継がれる、双間の原初の術式を、いま


 唱え


「保管庫、自動防御機構、自己開帳」


 双間の神髄を、開いた。

 

「拒め――――『創魔そうま』!!」


 森の、幾つかの木々が白く煌めき、辺りを照らし出した。


「こ……これハッ!! この輝き……この感覚はッ!! まさか、白詞晶だと!?」

「ああぁぁぁ~~~~ぁぁぁぁぁ~~~」


 信じられない光景を止めどなく目の当たりにした三日櫛が、とうとう感極まって泣き出した。


「双間の持つ術式の本質は『変成』…………手に入れた白詞晶を、森の木々に変化させて、欺いていた……これが双間の『保管庫』だというのか~~~ッ!!」

「木を隠すなら森の中…………森に隠したいなら木になれってな!!」


 元来は、住処を外界から隠匿する為に使われていた術を、双間の創始者であり、純血のエルフであった初代は、それを白詞晶の保管に転用した。

 ミュークの足下が白く発光する。それはミュークの足から上るように染み込んでいき、竜の巨躯を浸食していく。


「う、ウガァァァァッ!! そんな、馬鹿なァァァッ!!」


 緑翼の竜の、強靱を誇る足が、みるみるうちに木へと変化していき、根を張り巡らせ、ミュークの巨体を地面に縫い付けた。

 動きを封じられ、それでも彼女は足掻こうと身をよじらせる。


「ダメだ、ダメなのだ! まだ何も果たしていない!! 成就していない!!」

「………………」


 駿は両手を合わせ、失血死ギリギリまで血液を手中に掻き集める。

 もはや、戦いの決着は見えていた。

 駿に出来る事は、主を失い、縁なき地にたった一人で放り出された哀れな従者をせめて苦しまずに殺めるのみだった。


 両手に集まった血液が、大剣を成す。

 鎧となった六面城の反発力を利用し、駿は高く跳んだ。


 ミュークの頭上高くから、勇者は大剣を上段に振りかぶる。


「お前は、よくやったよ――」


 一閃。


 その剣は、邪竜の面を真っ向から二つに割る。


 牙翼の魔王の側近として名を馳せた、緑翼の名を持つ竜は、轟音を上げ、地面に沈み、そして動かなくなった。

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