2020年5月22日

性同一性障害を抱える私。女性に近づきたいけど、体を全て女性に作り変えたいとまでは思っていない、どちらかというと女性よりの中性を自認しています。ただ、服装を含めたファッションについては、女性の物のほうが好みなので、髪型も靴もトップスもボトムスも、その他色々については、女性として振る舞いたい、そう思う私。

少しでも情報発信できて、それが同じことで悩んでる誰かに引っかかれば嬉しいなと思います。

今回は「髭脱毛」がテーマ。

現在はすでに終わりかけているので、青ひげもないし、1週間に数本くらい、ぴょん、って細い産毛が生えるくらいにまで落ち着いてきたのですが、性別違和を抱えるMtの方にとって、一番どうにかしたい部分の一つであろう、男性のヒゲ脱毛のことについて、体験談を紹介していきます。

１．価格

価格は、正直、クリニックによりけりです。私は今、都内在住ですが、数年前まで埼玉県に住んでいた頃は、１０万円くらいでやってくれる皮膚科もありました。

都内だと本当にクリニックもたくさんあるし、情報がものすごく多いので、とりあえず２箇所にカウンセリングに行きました。それぞれ上野と銀座でしたが、共通して言われたのは、「完全に青ひげがなくなるまでに２年位かかる」ということでした。

また、医療用レーザーがものすごく強く、激痛を伴うこと、そのための麻酔が、クリニックによって用意しているものが違うということでした。

上野で相談したときは、「２年間で２７万円くらい」と言われ、カード支払いを半ば強要されそうになったので、一旦保留します、と逃げてきました。

２箇所目の銀座のクリニックは、「５回で７〜８万円」で、完全に青ひげがなくなるまで１０回か１２回の照射が必要、ということでした。価格的にはこちらが１０万円近く低かったのと、清潔感があるクリニックだったのでこちらに決めて、現在も１０回目か１１回目の照射を続けています。

２．痛み

麻酔による、と書きましたが、上野のクリニックの方が高額だったのは、おそらく麻酔がよく効いたためだと思います。有名な芸人さんたちがコマーシャルをずっとしてたし、あとは体験談みたいな映像も流れていて。笑気ガス、を使っていると言っていた気がしますが、一括で３０万円近く請求されたので、いくら痛みが弱かろうとここは選べませんでした。

２箇所目の銀座のクリニックは、レーザーは最新のものを使用しているようでした。当然、痛みも段階的に強くなっていき、回数を重ねるごとにレーザーの強さも上がっていきます。ちなみに、冷却ガスが麻酔代わりに照射のたびにでますが、殆ど効きません（涙）。激痛。その２文字しかありませんでしたが、効果は抜群でした。施術してくれる方（みんな女性のスタッフさんたちです）も、「顔ってほんと痛いですよね」とか、「息を止めると余計に痛いですよ」とか、痛みの逃し方を教えてくれたりして、なんとか１回１回の照射を生き延びることができました。

「どのくらいの痛みか」と言われると、１回だけの照射で、針を肌に突き刺すような痛みと、たぶん似ています。それが１００回くらい続くので、想像すると……嫌ですよね、ほんと。

３．効果

でも、「痛みは慣れるんですよね」ってスタッフさんに言われたとおり、５回の照射が終わり、２周めに入ったころ……だいたい１年後くらいでしょうか……には、だいぶひげが薄くなり、朝剃っても昼にはジョリ、としていたのが、翌朝になってもほとんど生えていないことも多くなっていました。青ひげも、回数を重ねるごとに薄くなり、今ではまったく青くないですし、１週間に数箇所（数本）、剃るだけになっています。もう全くと言っていいほど生えなくなっています。

４．現在

髭脱毛をする前は、かなり髭が濃いほうだったのもあり、どうしても口紅をつけている自分が滑稽に見えて落ち込んでいました。だからある程度ヒゲが薄くなるまでは口紅もお化粧もしませんでした。

でも今は、鏡を見るのが、そんなに嫌ではなくなっています。イヤリングを付けたり、ネックレスを付けたりして、口紅やファウンデーションをつけたりすると、「自分なりに可愛く・綺麗になれてる」と思えるようになっています。

ヒゲが濃くて悩んでる方も多いと思いますが、お金がかかっても麻酔が強いクリニックを選ぶか、それとも麻酔は殆ど効かないけど、比較的安価で、レーザーの効果も（痛みも）抜群のクリニックを選ぶか。それはお任せです。

でも、髭の脱毛だけは、家庭用脱毛器ではなく、クリニックでちゃんとしてもらったほうが、早く・確実に綺麗になくなると思います。

同じ境遇の方の参考になれば幸いです。