第14話 野外活動

愛しい肉親と離れ離れになった時、見せた惜別せきべつの情―――それを見たリルフィは……



「(ふぅん……ラ・ゼッタも意外と可愛い所を見せるのね、きっと…以前までスゥイルヴァン城にいた頃の私の様に周りからちやほやとされてきたんだろうなぁ―――だけどこれからは違う、この身一つで生きて行かなくちゃならない、そこは私が上手く立ち回ってフォローしてあげないと……ね。)」



リルフィは、言うまでもなく超大国スゥイルヴァンの王女…それを目立たなくするために冒険者の身分の時は名前を変えていました、それにこれからは新たに仲間に加わる者がいると言う事もあり、野外活動では一日の長があるリルフィがラ・ゼッタの面倒を見―――

「い~~~い~た~い~~~と言うておるのだぞよ!大体お前ちょっと前からなんなんだぞよ~!このラ・ゼッタに怨みでもあるのか~~~ぞ・よ!」

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、。あ゛?何だお前……いまヒネったろか?」(ぐ~りぐ~~~り)

「ク、ク、クローディアさんが暴走しちゃってますぅ~~!リルフィ様、何とかしてください~~」


「(え、えぇえ~~~何とかしろ―――って、そう言われても……というか、確かこの人クローディアさん田舎の司祭だったんだよね?なのになんで……鬼人オーガも裸足で逃げそうな形相できちゃうだなんて……)あ、あのぉ~~~クローディアさん??そ、そろそろ落ち着きましょうよ……ね?」



ヴェルドラリオンから離れる事数Km、しばしの休憩を取っていた時に事件(?)は起きてしまいました。

その一行は小休憩を取る為にと、全員何かしらの作業をしている……例えば腰掛けにする石や、薪などの燃料の採取、焚き火にする為に火を熾し、飲み水にする為の水汲みをしている―――等々。

けれどここに何もしない者が一人……それが誰か―――とは最早いう間でもなく、まさにクローディアから(以前よりは)強めに杖を押し当てられているラ・ゼッタだった―――と言う事なのです。

ではなぜクローディアはラ・ゼッタのみに強めに当たるのか……それは、彼女は本来の目的を見失っていなかった、そう今回の目的とは更なる上を目指すことにあるのです。



「まあそれはともかくと致しまして、これから私共がやらなければならない事とは、今現在のレベルから更なる高みを目指すためです。 ですからこれからは直接モンスターの討伐をこなしていきましょう。 まずは、あなた達が得意としている武器の事なのですが……」

「なら私から、私が得意としているのは『弓』です。」

「ほほーーー『弓』の、どれラ・ゼッタにも見せてみるのだぞよ。 ふんむ……中々のモノ―――ふんぬぎぎぎぎ!な、なんじゃ?これは、竜人ドラゴン・ニュートであるラ・ゼッタが、エルフ如きの細腕で引ける弓を引けぬ……とな?」

「力任せじゃだめだよ。 後方に“引く”―――だけじゃなくて、前に“押さ”なきゃ、 どれ貸してご覧―――」



竜人ドラゴン・ニュートであるラ・ゼッタも、その膂力りょりょくには自信がありました。 しかしそのラ・ゼッタでさえリルフィの弓は引けなかったのです。 そんな弓をリルフィが“お手本”とばかりに引いてみると―――



「(うふふ…さすがあの人の娘ですね、全身を使い腕やひじの力のみに頼らず、肩・背・腰・腿・脛・腱から伝わる力の流れを自在に操れている。)」



リルフィにしてみたら自分の得物を扱っただけ―――なのに、どことなく熱い視線を感じざるを得ませんでした。

しかしそれもある意味仕方のないと言った処か、リルフィにしてみれば今回の旅路は初めてのもの…だにしても、その“血”―――『破戒王女』の血が流れているからか、特段何もしなくてもその力は備わっていたのです。

それを証明するかのように、リルフィに熱い視線を送っていた主―――クローディアは…



「さすがですねリルフィさん。 それよりあなたのその弓、何人張りなのでしょうか、確かあなたのお母様の弓は100人張りと聞いていましたが…。」

「なぬう~~?!100人張りじゃとぉ~!?」

「えっ?どうかしちゃったんですか?ラ・ゼッタちゃん」

「(ぬ)ラ・ゼッタは“ちゃん”じゃなぁ~い!ちゃんと“様”か“さん”で呼ぶのだぞよーーー!まあ今はその事はよい、よいかおおむね弓の強さとは『張り』の強さで決まるのだぞよ、ラ・ゼッタの国の竜人ドラゴン・ニュートの軍団で流通しておるのは『10人張り』―――までじゃというのにぃ~~それにそもそも、魔王様の軍でも『10人張り』が批准だったと思うたのになあ?」

「(アハハ~)よ、よく知ってますね。 と言うよりそうか……確かお母様とクローディアさんて一緒に闘った事があったから……」

「なんと!?先程からラ・ゼッタを小突きおるこの無礼な女司祭めが、お前の母と戦友―――とな??」


「(私、あなた如きに『無礼』呼ばわりされる覚えないんですけど?それにこの方に対し『お前』?ちょっとイワしてあげましょうか。)」

「(なあ~んて…今にもクローディアさんが抑えている“心の叫び”が聞こえてきそうなんですけど―――)そうじゃないでしょ、ラ・ゼッタ。」

「“ちゃん”じゃなくて“様”か“さん”で言えと言うとろうにぃぃ~~!!」


「『1000人張り』―――と、あなた様のお母様よりそう聞かされております。」(しれぇ)

「な・な、なっ――――なんとぉ?!せ、『1000』―――とな??」

「はわわわ…ク、クローディアさぁーん!な、なんでどぉーして余計な事をぉ~~!?」

「リ、リルフィ様のお母様よりも10倍の強度のモノを?じ、従者の私ですら知らなかったですう~!!」



乙女の窮地と言うべきか、『花も恥じらふ』と喩えられるエルフの隠された一面を見るにつけ、反面恐怖―――反面羨望の感情渦巻く中…



「(ああああ~~~どうしよう―――この事実1000人張りって私が王太子である以上に知られたくなかったって言うのにぃ~~~可憐でたおやかなエルフが、実は“怪”力自慢でした~~~なんて嗤い話にもならないわよう!)」



確かに弓勢ゆんぜいを張るには腕力や膂力りょりょくだけではなく、コツというものが必要となるのも事実ではありましたが、前人未到の『1000人張り』もの弓を引くにはそれなりの資質が必要なのも事実、それにしてもリルフィの“力”が桁外れである事は周知の事実でもあったのです、それというのも―――…



「(以前アグリアスにも言われたもんなあ……『一体お前のその痩身そうしんのどこから怪力が産まれてくるのだろうな』って……けど、そうは言いますけどね、私は怪力でもなんでもないんだからねッ??)」



リルフィの冒険者としての先輩からその事実がもたらされた時、リルフィは生まれながらにして持ってしまった『力』を恨めしく思った事はありませんでした―――と、さ。



         * * * * * * * * * *



思わずも知れてしまった、自分の『力自慢』な処にリルフィは身悶えもするのですが、そんな事はお構いなしに―――と、お互いの得意な武器の紹介は続いて行き…



「はいはい―――お喋りはそれまでにしておきましょうね、それでは次は誰の番でしょう。」

「あっ、それだったら私が……私はリルフィ様の従者になりますので直接戦闘には加わりません、ですがその代わりに『偵察』などでお役に立てれば……と思っております。」

「なんじゃあ~?お前は従者であったか。 それにしても何も出来んとは役立たずもあったものよの~う。 い゛っだァ゛~~~い!と言うておろうにぃ~~! 大体さっきからお前と言うやつはラ・ゼッタを突いたり叩いたりするな~~~ぞよ!」


、、、、、、、、、、、、、、、、、、、。あ゛?なんなら杖の角で殴ってもいいんですわよ?」(イッらぁ~)


「ま、まあーーーまあーーークローディアさん、それよりも……ねえラ・ゼッタちゃん、バルバリシアも偵察とかで役立とうって言うんだからさ、だから流石に『役立たず』はないんじゃないかと思うんだけど…」

「(ラ・ゼッタの事は、ではないと言うておろうに~~)……判った―――ぞよ。 悪かったのう、お前。」



次はリルフィの従者であるバルバリシア―――となった時、直接戦闘に不向きな事を知ったラ・ゼッタからはその事についてバカにするような意見が、すると容赦ない杖での折檻がクローディアから為された時ラ・ゼッタは不満を漏らすのでしたが、自分を睨む―――と言うより、まるで汚らわしいモノを見つめる眸にラ・ゼッタは怖気づいてしまったようです。

その様子を見たリルフィもこれから先、行動を共にしなければならない仲間達の輪が崩れる事のないように……と、涙ぐましい努力はあったようなのですが―――



「それよりラ・ゼッタちゃんの得意としているのはなんなの?」

「ふふ~ン、聞きたいか―――ならば聞いて驚くのだぞよ!!このラ・ゼッタが扱いし武器こそは、母上より直接賜りし『スプートニク』と言う銘が付いた槍なのだぞよ!ほほぉ~れとくと見るがよいぞ、この光り輝けし槍の前に、敵う者などおらぬのだぞよ~~♪」

「ふう~ん、凄い自信だね。 だったらさあ―――やろうよ、私と模擬戦。」



いまもっもうとはしないその尊大な態度。 それに仲間と言うものはその輪の調和が崩れてしまえば脆いものとなる―――その事は母を通じて好く心得ていた…そこもあるからなのか、あるタイミングで皆の調整役を担っていたリルフィは、一転してラ・ゼッタに対し『模擬戦』を申し出たのでした。


事実、リルフィもこのPTを結成する時に自分が何者であるかは、新たに仲間に加わったラ・ゼッタにも知られてしまった……けれども、自分はその身分を押し隠し、皆の輪に溶け込もうとしている―――のに、ラ・ゼッタはその態度を改めず……どころか益々尊大になるばかり。

そこでリルフィにはある考えが浮かんだのです、それがこの『模擬戦』―――



「なぬ?そなたとじゃと?? いや……じゃがのぅーーー」

「なあに?エルフであるこの私に敗けちゃうのがそんなに怖いんだ―――鬼人オーガの次に実力があるって言う、竜人ドラゴン・ニュートのくせに…」

「(ムッ…)そこまで言うのなら相手をしてやっても構わんぞよ、その代り敗けて泣いてしまっても知らんぞよぉ~~?」

「オッケー、それじゃ成立って事でいいね。 それと公平を期すために同じ武器―――槍ってことでいいかな。」



珍しく、リルフィからは相手を煽り立てるかのような言葉―――



「(えっ……リルフィ様が、珍しく怒っていらっしゃる? もしかして先程バカにされた私の為に……)」



リルフィの従者であるバルバリシアには判ってしまいました。 それは珍しくもリルフィが怒っている事を、しかも従者である自分がバカにされた事に対して……

魔界に棲む種属のうち獣人の地位はまだ低いモノでした、その中でも“鳥”の獣人は下から数えた方が早い程の低さだった、だから、自分がバカにされるのは当然だと思っていたし、バカにされた処で争う事の意味なんてないと思っていた、それなのに、自分の主人様はバカにされてしまった自分以上に―――自分の名誉の為に怒ってくれていた……そしてそんな中で交わる槍と槍、ただ―――



「(ぬ、ぬっ? この方の得意とされておったのは『弓』ではなかったのか?あ、有り得ん―――有り得ん!ラ・ゼッタは母上やク・オシム将軍から直々に槍の手ほどきを授かったと言うのにぃい??)」



確かにリルフィは仲間の前で自分の得意としている武器は『弓』である事を披露していました、そしてラ・ゼッタはそれを踏まえた上で自分の方に分があると思ってリルフィからの申し入れを受けた―――の、でしたが…



「(ク・ス…)聞いていた以上ですね。 やはりあなた様は、あなた様のお母様と同じ―――ただ、いつもその手に弓をお取りになっているのは弓が適正だからではありません、『全適正オール・アプティチュード』……あなた様は、あなた様のお母様からその優れた格闘のセンス、闘争のセンスをも遺伝うけつがれた。 ラ・ゼッタさん?そろそろ本気を出さないと足下を掬われてしまいますよ。」


「(な、な、なんじゃとぉお~~?そんなん有り得るかーーー!す、総ての武器に於いての“適正”を備えておる等、ずるい《チート》でわないかあああ~~~!!)」



ラ・ゼッタが突こうが―――ごうが―――払おうが、リルフィはその射程距離レンジを定規で計ったかのように見切りを行い、また“防”から“攻”へ転ずるときも軽やかなステップで翻弄していた、しかもラ・ゼッタは手数を増やしてリルフィを攻撃するものの、リルフィからは全く攻撃をしてくる様子などなかった……

それは、この時点でのこのPTには、リルフィに敵う者はいない―――と言う証しにもなっていたのです。


けれども、その結果はやはり当然―――と言うべきか……



「う゛っ…ぶわあああん!敗けちゃったぞよお~~!!母上~~~申し訳ないのだぞよよぉ~~~!」

「(あらあ…)泣いちゃいーーーました……ね。」

「まあ無理もない事でしょう。 ご自分の得意としているもので完膚なきまでにくじかれてしまったのですからね。(とは言え、彼我ひがの実力差からこうなる事は既に予測済み……この後あなた様はどうなされるのか、お手並み拝見させて頂きますよ。)」



心が折れてしまったのか―――自分が、『自分の国の中』と言う狭い枠の中で“ちやほや”とされ、温室育ちになってしまっていた大切にされすぎてしまっていたから、広い世間と言うものを知らないでいた…なにより自分が竜人ドラゴン・ニュートである―――と言う誇りもあり、獣人や華奢なエルフ如きに負けるはずもない……そうした心の油断があったから、気持ちを立て直せないまま気ばかりが焦り、先に体力が尽きてしまった……自分の事を大切に想い優しくしてくれた母に対しての申し訳なさだけが先行し、大泣きをしてしまったラ・ゼッタに対し―――リルフィは…



「判った?この世の中にはあなたより強い人なんていくらでもいるの、斯く言う私もお母様にはノされっぱなしだしね。」

「(……)ラ・ゼッタを圧倒するお主よりも、更に強いのがいるのじゃと?世間と言うのは広いのだのう…」

「それにね、負ける事―――失敗しちゃう事って別に恥ずべき事じゃないと思うよ。 負けたのなら…失敗したのなら二度と同じ失敗を繰り返さない、まあこれはお母様からの受け売りなんだけれどね、だからあなたも、今日の失敗を明日への勝利に繋げなさい。」

「うん……判った―――ぞよ。」

「あとそれと、私達は同じ仲間なんだから、立っている位置や高さは同じであるべきなのよ、だからそこの処をもう少し気を付けて貰えば……ね。」

「うん―――判ったぞよ。」


「(フフフッ…なんだかんだ言いながら、聞き分けられる処を見ると素直で可愛い所があるみたいじゃない―――)」



何もリルフィは、ラ・ゼッタの鼻っ柱を折ってやる―――のではなく、彼女は彼女の考えで他人とどう接していいかを教えようとしていたのです。

その事が功を奏し、最初は鼻持ちならなかったラ・ゼッタの態度もこの一件以降はリルフィの言う事は聞くようになり、またその効果も相俟ってリルフィの従者であるバルバリシアの事をバカにすることもなくなったのです。



         * * * * * * * * * *



こうしてリルフィ達3名の紹介は滞りなく終わったのですが、そもそもなぜこの3名が集められたのかと言うと……



「それより……はて?ラ・ゼッタたちの目的とはなんであったか~?ぞよ。」

「ラ・ゼッタさん?そもそも私共はひ弱であるが故、戦力の一つにも数えられていないのですよ?」(ず・ず・ずいっ)

「(か、顔が近いぞよぉ~~~)しかし―――じゃな、妙な事を申すものよの?戦力と言うならリルフィ殿のバ……」

「私は決してバカ力じゃないからね?」(ニコヤカア~)

「リルフィ殿一人で十分ではないのかのう?ぞよぉ…。(ニコヤカな笑顔が怖いのだぞよ…)」

「あらあら、全くこのおバカさんと来たら……よろしいですか?では今現在この世界が“敵対”としているのは何の勢力だか、お判りになられているのですか。」

「えっ―――それって確か……『ラプラス』?」

「けどもそれは、500年以上前の実録戦記として知られている『アンゴルモア戦記』でも取り上げられているかたき役でもありますよね?」

「うんん?でも待つがよいぞ。 確かそのお話しの締めくくりには、ラプラスを率いておった―――」


「そう……『邪神アンゴルモア』は、魔王様や【神意の射手アルカナム】と呼ばれたシェラザード様、そしてその仲間達によって滅せられました。 そしてその中には、この私……かつてはラプラスでありながら、ラプラスの“神”を崇め……ながらも、ラプラスとしての定義を棄て『“闇”の化身』と呼ばれた方にくみしたのです。」



なぜ、新米に近い自分達が集められ、これから指導者の下で個々の得意としているものを披露したのか、それはある者達を『仮想敵』と見立てた戦闘の訓練を行おうとしていたのです。

そこは判ったのでしたが、その『仮想敵』こそが過去に滅ぼされた『ラプラス』を、―――とは……

それよりも知って驚かされた事と言えば。



「お―――お前、かつては敵対しておった者か、ぞよ?」

「そうだよ。 この人が元ラプラスだっていう事は母さまから聞かされていた事だけれども……けどさ、だったらどうしてこの人が私達に協力をしてくれているか、判る?」

「リルフィ殿……まあそなたがそう言うのであれば、従うぞよ……」



自分達をこれから、その『仮想敵』たるラプラスと対等に戦えるまでに鍛えてくれる人物が、実はその『仮想敵』であるラプラスだった。

しかしながら今は違う……、自分達の為にと協力をしてくれる存在―――その事を自分も認める者の口からも出た時、ラ・ゼッタも言う事に従ってみようと言う気になったのです。


ところが―――実は、この3名の訓練に参加する者はあと一人おり……



「それにしても、遅いですわねえ……」

「どうかしたんですか?クローディアさん。」

「ええ実は、あなた達の訓練に『どうしても加えてもらいたい』と志願されている方がいましてね。」

「ふう~ん、何者ぞよ?そやつ……」

「【エンタープライズ】―――と、そう言えば判るでしょうか?」

「(【エンタープライズ】?……って、まさか―――)」



そのあと一人とは【エンタープライズ】……その意を『企業』や『開発』とはするものの、もう一つの意味として『冒険』―――そう、ここ数十年で飛躍的に実力をつけてきたAクラスの冒険者―――それが【エンタープライズ】を二つ名に冠する者でした。

けれど、ここに一人―――その者の事を知っているクローディア以外に知っている者がいたのです、それがリルフィ……


ではなぜ、リルフィーが【エンタープライズ】なる冒険者の事を知っているのかと言うと……



「待たせてしまったかな―――」 「お姉ちゃん!!」



その【エンタープライズ】なる者こそ、リルフィーと血肉を分けた姉妹だった……からなのです。




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