大麻

白瀬隆

目覚め

 昨日セックスをした女が裸で横たわっている。頭が痛い。陽の光が鬱陶しい。ジャックダニエルのボトルを手に取り、キッチンへ向かった。グラスに氷を入れ、琥珀を飲み干す。残り半分になっているボトルが空になる頃には、人間に戻っているだろう。ついでに抗不安薬、エチゾラムを口に放り込み、焦燥感が去るのを待った。


 女が僕を呼んでいる。意味のある言葉を浴びせられることが腹立たしい。僕は鞄と服を玄関から放り出し、女を部屋から叩き出した。


「死ね」


 女は突然のことに呆然としていたが、気にせずドアを閉める。琥珀の残りは少ししかない。次のボトルを探したが、ストックはなかった。財布の中身は1000円。ジャックダニエルは買えない。次に奨学金が入るのはいつだろう。


「あの人に金を借りに行くしかないか」


僕は服を着替えた。

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