もうどうでもいいや。
生焼け海鵜
第1話
さて、この度演じますは「もうどうでもいいや」です。
生きるとは何だと思いますか? ちなみに私は理解できないと答えます。
と言いつつ、私も生きていますがね。
では、刻は満ちました。
開演いたします。
それではお楽しみください。
~一節~
瞼が開いた。
カーテンから淡い朝日が刺し入ってくる。
次に音。どうやら、テレビの電源を切り忘れたようだ。
今日は、日曜日。
私はゆっくりリビングソファーから腰を上げる。
同時に、机にビールの缶が転がった。
合計十本は超える缶の数、しかし、それをどうかしようとは思わない。
面倒だから。理由はそれだけ。
また、同様にゴミは増えていく。
冷蔵庫には何も入っていない。
そうか。また何か買いに行かないといけないのか。
重みも無い薄っぺらな感情をぶら下げて歩く道路。
蹲る何かを見つけた。
それは?
生き物である事は間違いない。
何だろう?
わからない。
ただ震えているように見える。
何だ?
前からチンピラがやってきた。
”何か”が立ち上がる。
何かは、ヒト型で赤い血を垂らしながらゆっくりチンピラ向かう。
何かでチンピラに襲い掛かる。
しかし、ダメージは無い。
ボコボコにされる何か。
弱ってもなお、敵に殴りかかる。
その行動に、私は何か不快感を覚えた。
私は声を上げる。
チンピラは私を見る。
怒り狂うように、飛び交う拳。
顔面に食らった。
みぞおちに食らう攻撃。
その悲鳴すらも、風として抜けていく。
時間は経った。また、それは数時間と言う長い時間だ。
腹の虫が鳴った。
倒れた視界に、何かが映り込む。
なんだ私はこいつに食われるんだ。
そうか、どうでもいいか。
唇に柔らかい物が触れた。
もうどうでもいいや。 生焼け海鵜 @gazou_umiu
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