第18話 合唱コンクール 後編

先生が教室を去った後、暫く沈黙が続く……と思われたが、女子が


「これから毎日放課後特訓よ!!」


とほざき始めた。文句は言わせないと言わんばかりの眼力で、男子は渋々その案に乗った。男子は一応やるがやる気を見せるふりをするだけで相変わらずダルそう。一方、女子はやる気満々!宝塚歌劇団かよ!と言いたくなる様な練習。しかも一人一人みんなの前で歌い、歌い終わったらみんなで意見を言い合う。男子と女子の差が激しすぎる。


ある時他のクラスにいる友達な「合唱コンクール」の練習について聞いてみたら、先生のOKが出るまで永遠に歌わされるという拷問に近い事がなされていた。


(ああ、先生同士のバトルの場でもあるわけか)


と子供ながらに感じた。本番、他のクラスの完成度に度肝を抜かされた。美しいハーモニーに強弱、素晴らしい。それに比べてうちのクラスは酷すぎた。そして勿論順位は最下位。全てのプログラムが終わり、教室に戻ると式をやっていた女子が泣いていた。他の友達に聞いたところ、クラスでもあまり好かれていない奴がその女子に対して


「オメェのせいで負けたんだ」


と言ったそうだ。流石にそれは可哀想だなと同情していると、クラス中の女子の怒りがそいつに注がれた。


「テメェが偉そうにいうんじゃねーよ」


「じゃあお前が指揮やってたら金賞取れたか?無理だね」


「普段からお前のこと嫌いなんだよ、うぜぇ」


と本当に女子の言葉なのかというくらい罵倒されている。そしたら次は言われた男子が泣いた。


「そこまで言うことないじゃないか~」


男子の総意:お前は普段から嫌われてるし、今回も100%悪い。それ以来、何故か男子は結束力が高まった気がする。

まあ、色々良い経験させてもらいましたわ笑

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