第4話 修学旅行

よくテレビで特集される日光東照宮と京都の寺院。小学生の時と中学生の時の修学旅行で行った場所だ。


小学生の時は日光。この頃は日興に行く事よりも、普段学校や近場でしか遊ばない友人と遠出をし、そして宿泊をするという事に興奮しすぎて、東照宮、眠り猫、その他諸々の事など殆ど覚えていない。唯一覚えているのが、宿泊先でのことだった。それはルームメイトの一人が


「〇〇の家に電話をしてみようっと」


と部屋にある電話を使ったことから始まる。当時は知らなかったが、部屋の電話はホテルのフロントに繋がるようになっているため、当然フロントの方がでる。


「間違い電話しちまったw」


そいつはまた電話で友人宅にかける。またフロントの方がでる。


「おかしい……自宅にかけてみよう」


当然フロントの方がでる。すると学年で一番怖い先生が部屋に現れた。


「おい、テメーらあまりはしゃぎ過ぎてんじゃねーぞ!これは『修学旅行』なんだ!旅行じゃねーんだよ!」


全員正座をさせられ一時間説教を喰らった。8人中7人は無関係なのに。これが連帯責任……「ジャパニーズブシドウ」。これが僕の小学生の時の修学旅行の時の記憶である。


中学生の時は京都だった。中学生になったとはいえ、テンションは上がる……はずだった。修学旅行当日、38度の熱を出したのだ。しかし、行かないという選択肢は僕にはなかった。熱を出しながら世界遺産や国宝に指定された寺院を周ったが、もう意識が朦朧として何一つ覚えていない。修学旅行前の事前学習が何一つ活かされない。2泊3日だったため、一晩寝れば少しはマシになるはず。しかし、そう甘くはなく、次の日の体温は38.4℃。金閣寺、銀閣寺、龍安寺、清水寺。その他諸々記憶が定かではない。そして宿泊先の夕飯のすき焼き。クラスメイトからの一言はハッキリ覚えてる。


「お前の分まで食べといたぞ~」


あの時の殺意は人生ベスト8に入る。大人になった今。もう一度、死ぬまでにあの場所に行きたいと心に秘めて生きている今日この頃であった。

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