国王side
クックックッ。
笑いが止まらないとはこの事だ。
バーバラ嬢は実に面白い。
あの天才を身内枠にしたのだからな。
いや、彼女自身も実に興味深いな。
バーバラ嬢は気付いていないかもしれないが「女」で学年トップの成績を収めた者は未だ嘗ていない。優秀な「女生徒」がいなかった訳ではない。ただ、この国の風潮がそうさせている。
賢い女は好まれる。
ただし「賢すぎる女」は敬遠されるのだ。
馬鹿げた話だ。「女」が「男」よりも上に立つ事を好まない癖に、「女」が「男」を上手くフォローする事を良しとしている。要は、賢い女が男を立てる事を望むのだ。
この馬鹿げた風潮のせいで周辺国よりも女性の社会進出が遅れている。無理をして女性進出をする必要がない、と言えばそれまでだ。女性進出が進んでいるのは主に人口が少ない小国が多い。大して我が国の人口は多い方だ。だが数十年前から人口は年々減っている。微々たる人口減少だ。気になる者は少ないだろう。
それでも突然の災害や病魔が原因で急な人口減少が起きないとも限らない。
働く人口は多ければ多い方がいい。
未だ我が国は女性の権利が少ない。女性が王位継承権を有する事も爵位を継ぐ事も出来ない状況だ。何かの突破口があれば良いのだが……。
バーバラ・ロジェス伯爵令嬢の存在は、その第一歩になる。
何故かそんな確信があった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます