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「成績を上げるための家庭教師を雇って欲しいのです」
「「……」」
ああ!やはり。
両親は怪訝な表情で私を見ています。
「バーバラ、
流石、お父様です!
私が言うよりも先に理解してくれております。
「実は……」
長いようで短い婚約者様の言い分を分かり易く両親に伝えたところ。
「なるほど。彼はやはり自分を客観的に見れない男のようだ」
「彼はまだ男の子よ。見栄を張りたいんでしょう」
「ほぉ~~~。バーバラの事よりも自分が頑張らなければならないというのに嘆かわしい事だ」
「また、スコット侯爵夫妻にお伝えしましょうか」
「その方が良いな。なに、報告と連絡と相談は必須だからな」
「本当に」
「ははははははは」
「ほほほほほほほ」
お二人となんだか楽しそうです。
そんなわけで、私には成績向上のための家庭教師を付けて頂きました。
数学、語学、歴史などなど。
お陰で成績は……まったく上がりません!
何故でしょう?
あれだけ勉強して、試験対策だってしたんですよ?
なのに、何故、中の上のままなのですか?
有り得ないでしょう?
ここは、数段上がっているべきではないのですか?
そうでしょう?
お陰で婚約者様からは「お前はアホだな」と散々な言われようでした。本当の事ですから文句が言えないのが辛いところです。
「王立大学に天才だと謳われる学生がいるらしいわ。彼を家庭教師にすれば、バーバラの成績も上がるのではないかしら?」
私の落ち込みぶりを見かねたお母様が、なにやら耳よりの情報を教えてくれました。
なんでも、大学が始まって以来の天才だそうです。
平民、しかも貧民街出身にも拘わらず、その境遇に負けることなく勉学のチャンスをつかみ、大学進学を果たした
これです!
天才大学生を私の家庭教師に!!
いざ!
王立大学!!!
「無理だな。お嬢ちゃんが、もうちょっと成長してれば考えたんだがな。ま、縁がなかったってこった!」
大学初の天才に拒否されました。
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